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冬の子  作者: 冲田
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4

(ふゆ)の子やーい! そんなに(いそ)いで()っぱを()とさないでよ~!」


 部屋(へや)の中から、男の子が(さけ)びました。


「どうしてだい?」


「そこの木の葉っぱが全部(ぜんぶ)()ちたら、(ぼく)天国(てんごく)()かないといけないんだって!」


 よくみると、部屋の中の男の子は、昼間(ひるま)だというのに、ベッドに()ていました。


(だれ)がそんなことを()っていたの?」


「お医者(いしゃ)さん。僕には(かく)していたみたいだったけど、()いちゃったんだ」


「それはかわいそうに…。でも()(どく)だけど、冬の子はとめられないんだ」


「うん。僕、天国に()くのはへっちゃらなんだ。けど、もうすぐ僕の誕生(たんじょう)日なの。お母さんもお父さんも、僕も、誕生日をとっても(たの)しみにしているから、誕生日の日まで、葉っぱがあればいいんだ」


 冬の子は、だんだんこの子の力になってあげたいと(おも)いはじめました。


「誕生日はいつなんだい?」


「あと一ヵ月(いっかげつ)だよ」


 もう冬の子が()てしまったこの町を、あと一ヶ月も(あき)にしておくのは、大変(たいへん)(むずか)しいことでした。しかし、冬の子は()めました。


「わかった、じゃあ、誕生日までだよ。約束(やくそく)。冬の子をとめたのは(きみ)がはじめてさ」


「ありがとう! 冬の子さん! 約束するよ」

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