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北のまちで、冬の子はさっそく仕事をはじめました。
赤い葉っぱをせっせと落としたり、冷たい北風を起こしたりしました。
冬の子のおとずれで、人々は秋の終わりを感じ取ります。
「冬の子やーい! まだ冬にしないでおくれよ~!」
子供が冬の子に向かって叫びました。
「どうしてだい?」
「早く冬になったら、すぐに雪が降りはじめちゃうじゃないか。ここらは雪が多いから、雪かきが大変なんだ!」
「ごくろうさま、でも冬の子はとめられないよ」
冬の子は北のまちをあとにして、すこし南に行きました。