倒した時は爆発してほしい
「あーもう、この子は余力を残すってこと知らないの!?」
花は叫びながらペットボトルに残った聖水を倒れた風に飲ませていく。
200mlほど飲ませたところで風はパチリと目を覚まして起き上がる。
「完全復活!!」
その風の頭をパカーンと気持ちのいい音を立てて花が叩いた。
「完全復活じゃないわよ!
もう瀕死なんだから普通に霊力込めて殴れば終わっていたでしょ」
「ちっちっちっ、花は分かってないなぁ。
やっぱり最後は必殺技で決めないと!」
「それで倒れてたら世話ないわよ。
聖水作るのも大変なんだからね」
「そこは感謝してる!
ありがとう」
風が素直にお礼を言うと花は顔を真っ赤にしながら
「わ、分かってるならいいのよ。
次からは気をつけてね」
と答えた。
「いや〜風殿と花殿は相変わらずですな」
「一番心配してるくせにね。
面倒くさいツンデレ」
「そこ何か言った!」
と4人がワイワイ騒いでいるとそれぞれが付けた名札から声が響く。
「どうやら上手くやったようだね。
今から転送するよ」
その言葉と共に4人の身体が白い光に包まれていく。
「あっ」
「どうしたの、鳥?」
「倉庫の鍵返していませんでした」
「転送に巻き込まれたら大変じゃない!
とりあえずその辺にポイしときなさい!」
花の言葉に鳥は倉庫の隅に鍵を投げ捨てた。
「他に返し忘れたものは無いわね」
「無いよ」
「ない」
「問題ないですぞ」
「よし!」
3人の言葉に頷き花は手に力を込めて返事をした。
その瞬間に手からシュシュっと音がした。
「あ・・・持ってたままだった」
その言葉を最後に少女たちは逢う魔が時の空間から帰還した。