金太郎の母親は凄かった
一騎当千の調査から一週間が経過した。
異界から突然現れマガドキバスターズに協力を求めてきた鬼女白金に対して交渉を行う人物が決定された。
それは発端の支部があった街の最上位の人間であり、後進の育成に積極的だったスミス神父だった。
彼は白金との交渉のために白金の異界に足を踏み入れるのだった。
だが・・・
「ダディ・・・なんで私達も一緒なの?」
彼の後ろには『へ』の位のルーキーチーム、花鳥風月の4人がいた。
「僕は会ってみたいから嬉しいよ!
カメラ越しにしか見てないけど凄く良い人そうだった」
「小生も興味がありますな。
金太郎の母親と言えば一説には山姥だと言われておりましたが、まさかあのような美しい鬼だとは思わなかったでありますぞ」
「金太郎の母親が山姥という話は初耳。
鳥、どういう事?」
月の問いかけに鳥は腕のPCをカタカタと操作する。
その画面には山姥と金太郎という絵が多数映し出されていた。
「元々の金太郎の話はご存知ですかな?
金太郎はある日大きな鉞を母親からプレゼントされるのです。
その鉞はとても大きく、怪力の金太郎でなければ扱えないという話ですな」
「それは聞いた事があるわね。
鉞担いだ金太郎〜って歌でも始まるしね」
「ここで考えてもらいたいのですが、金太郎の鉞は母親からプレゼントされたという点でありますな。
大人でも扱えない鉞を家まで持って帰り金太郎にプレゼントとして渡しているのでありますよ。
これって普通の一般的な母親には不可能ではありませんかな?」
鳥の意見に三人は『確かに』と納得する。
「金太郎の怪力の話も合わさって母親は山姥だったとする話が広まった訳ですな。
今回の白金殿の話が事実なら金太郎と血縁関係では無いそうですので、それとは別に秘密があるのかもしれませんな」
「あ〜君達。盛り上がっているところ悪いのデースがー」
と話がどんどんと盛り上がる4人にスミス神父が申し訳なさそうに話しかける。
4人がスミス神父の方に目を向けると、その横にはニコニコと笑顔でこちらを見ている白金の姿があった。
「女4人でいるというのは中々に華やかで良いのう。
妾の宿へ招待するから是非その輪に加えておくれ」
と言って指を鳴らすと周囲の景色が一瞬で変わったのだった。




