将来は先輩を超えないとね!
4人は無事に駄菓子屋に転移されていき安堵する。
「お疲れ様でありましたな。
ひとまず名札の記録をさせていただきますぞ」
鳥は彼らから名札を回収して必要な手続きを始めた。
その近くにいる三人の少女にナイトが気付く。
「おや、君達もここの関係者なのですか?」
現在は剣道着を外し袋に入れているので爽やかな笑顔で語りかける。
「僕たちは最近マガドキバスターズに入った花鳥風月って言うんだ、よろしくね先輩」
「ああ、こんな可愛い後輩が入ってきたとは嬉しいものですね。
困ったことがあったらいつでも言ってください」
そう言ってナイトと風が握手をする。
「君は曙町のスミス神父の娘の・・・花さんでしたか?」
「ダディと私を知っているの?」
「スミス神父が奥さんとまだ赤子の貴方を連れて一度僕の家に挨拶に来たことがありましたからね。
父と神父はそれから交流がありますのでたまにお会いしますよ」
「そうなの。
あ、改めてだけど花よ。
よろしくね、先輩」
「ああ、申し遅れました。
僕の名前は一です」
神社と教会の子供ということで相性が悪いかと思われていた2人も和やかに挨拶していた。
「・・・」
「・・・」
元々喋らない当と、口数の少ない月は一言も発さないでいた。
「がっはっはっはっ・・・捗る捗るぞ!!」
サウザーは笑いながら今日出会った怪異の絵を書いていた。
その絵は実に上手くまるで写真で撮ったかのようであった。
各々がそんな風に過ごしていたところで
「終わりましたぞ〜」
と鳥が名札を持ってきた。
4人はそれぞれが鳥に礼を言うと駄菓子屋を後にする。
名札の読み取りから本部に情報は回っているだろうが、この話は自分たちが本来所属するプラモ屋の爺さんと、師匠の一の父にも報告しておくべきだろう。
彼らは疲れた身体を引きずって残業をこなすことにしたのだった。
彼らを見送った後で花鳥風月の4人は先程の話で盛り上がる。
「それにしても先輩たちのチームは凄かったね!
特にナイトさんとかペカーって身体光ったと思ったらネズミの攻撃全部受け止めるんだもん」
「あれは理想的な囮でしたな。
しかし、風殿は風殿の良さがあるのですから」
「矢と札の組み合わせはズルい。
エアガンの弾じゃ札は飛ばせない」
「その分、月は連射出来るんだし気にしないの。
でも、それで言うなら私ももっと便利な札を作れるように勉強しないとね」
「小生も今のところ作戦を立ててるだけど戦闘、偵察面で役に立ててないですからな。
しかし、今弄っているプログラムが完成すれば多少は貢献できるようになりますぞ!」
と、ワイワイと盛り上がる。
気がつけば日も暮れてそれぞれの家庭の夕飯の時間であった。
鳥が駄菓子屋の施錠をして4人は帰路についていく。
今日は先輩たちの戦い方を見て自分たちに足りない沢山のものを実感した。
この事は彼女たちの未来に良い影響を与える事だろう。




