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僕たちマガドキバスターズ  作者: 古葉七
4章 〜先輩チーム登場!その名は一騎当千!!〜
42/75

・・・(喋るのは苦手だ)

一騎当千の4人は今回、異界化された病院の調査に来ていた。

異界化とは花鳥風月が挑んだ廃墟のように怪異が溜まり、それが一定の条件を超えるとその空間内に様々な怪異が生まれたり、空間が捻じ曲げられて中の間取りが変わっていたりと予想がつかなくなる現象である。

ほの位から立ち入りを許される場所ではあるが、それでもかなり危険度の高いミッションである。

今回の彼らの目的は調査であり、中にどのような怪異があるか、マップはどのように変わっているのかなどを調べることにある。

それも無理をしないことという前提があり、自分たちの手に負えないバスターズの定めた怪異位が自分たちより高い怪異が出現した場合は即時の撤退が定められている。

寧ろ戦った場合は勝ててもミッションにそぐわない行動を取ったという罰則があり、撤退した場合は正しい判断をしたと+の評価が貰える。

その為にいま現在の異界調査ミッションでの死人は極端に低くなっている。


異界化した病院の中は夜のように暗い。

彼らは霊力を纏い暗闇の中での視覚を確保した。


「がっはっはっはっ、闇こそ正に我が世界。

マッピングは今回も吾輩が担当してやろう」


サウザーが紙とペンを持って現在の場所とここから見える通路と部屋を紙に書き込んでいく。

見た目と言動こそ痛いものの彼は基本的に良い奴なのだ。


「とりあえず部屋の確認は後回しにして一階の通路を回ってみますか」


一の言葉に頷いた当が先導していく。

その後を4人はついていく。

しばらく進むと当わ足を止め右手を伸ばして皆の歩みを止める。

3人のスマホに振動があり、そのコミュニティには当からのメッセージが入っていた。


『この先に鉄鼠がいる』


そのメッセージを受け取った3人は先に伸びる通路をよくみると小さな影が動いているのが分かった。


「鉄鼠と言えば石の体と鉄の牙で出来たネズミの妖怪でしたね。

本物のネズミのように無数にいそうですが・・・当。

いるのは床だけですか?」


一が尋ねると当は首を振り天井の方を指差した。

よく見ると天井にも逆さまに張り付いている鉄鼠が見えた。


「ふむ、天井の方が厄介そうですね。

いつもの手であちらを片付けていきましょう。

その後の事はナイトに任せますよ」


一はそう言って懐から一枚の札を取り出すと当に手渡した。

当は矢の先にその札を取り付けると腰に下げたベアボウを構え、天井に向かって放った。

矢は一直線に天井に向かい、逆さまに待機していた鉄鼠達の真ん中に突き刺さる。

それと同時に矢の先につけていた札が大爆発を起こして天井にいた鉄鼠達は全て粉々に砕け散っていた。

異変に気付いた床の鉄鼠達が一斉に4人の方を向くが、その時にはナイトが前に出ていた。


「貴方達の相手はこの私ですよ!」


とナイトは精神を集中させて自身に流れる霊力の量を増やしていく。

怪異達は基本的に視覚ではなく霊力を視て判断をしている。

いま、前に出てきて霊力を大きく保つナイトの姿は鉄鼠達から大光量の電球のように見えている。

彼らはその光に目を奪われて、周りの小さな明かりにが目に付かなくなってしまっていた。

そして鉄鼠は一斉にナイトに襲いかかる。

鋭い鉄の牙を突きつけていくのだがナイトの剣道着がそれを全て阻んでしまう。

霊力を厚くして防御能力を高めた上に、彼の着ている剣道着には一が作った防護札にやり霊的防御力を付与してある。

鉄鼠は必至に噛み付こうとするが文字通りに全く歯が立たない。

そんな鉄鼠に対して一は吸魂札を使い石の身体を動かしている魂を一つずつ吸い取っていく。

魂を奪われた鉄鼠は元の石の塊に戻っていった。

そして当の方も近接用に清められた特殊な矢を手に持って鉄鼠達に振っていく。

その矢は石の体をすり抜けて中の魂に傷をつけていく。

そして中の魂が消滅したことにより、こちらも物言わぬ石へと姿を変えていった。

こうして無数にいた鉄鼠達はあっという間に処理されていく。



その戦いぶりは花鳥風月と比べて安定しておりチームとしての経験の差がよく出ていた。

最初はモニターの前で呑気に喋りながら見ていた4人だったが、その技術を少しでも盗もうと食い入るようにモニターを見るのであった。

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