このルールは絶対じゃよ
初めての任務を終えて戻ってきた花鳥風月を駄菓子屋の婆さんが出迎える。
「あんた達、やるじゃないか!
初めての任務で中を全部浄化したチームは殆どいないよ」
と喜んでいる婆さんに花は
「お願い、お婆ちゃん。
少しでいいから私を彼処に戻して!」
と詰め寄った。
モニターから見ていたので状況は知っている婆さんは、花のミニスカートを見ながら首を振る。
「残念だが諦めな。
もう18時過ぎてしまってるし、一度転送されて逢う魔が時空間に入ったら3日間は再度の転送を禁止しちょる。
何より、また怪異が増えるまではあの場所に空間は繋がらん」
「そ・・・そんなぁ〜」
花はがっくりとうな垂れた。
1人事情を知らない風は首を傾げた。
「ねぇ、花はどうしちゃったの?」
「さぁ・・・小生の口からは何とも」
「気にしなくていい。ちょっと落し物をしただけだから」
風の疑問に鳥ははぐらかし、月は肝心の部分は隠して答えた。
「そうだったんだ。
あ、さっき聖水がぶ飲みしたからトイレ行きたくなっちゃった。
婆ちゃんトイレ貸して!」
「ああ、トイレは部屋の奥の廊下の突き当たりじゃぞ」
「ありがとー」
風はお礼を言いながらドタドタとトイレに向かっていった。
「他のものは問題ないかの?」
「問題ない。聖水も飲んでないし」
「小生も飲んでないですからな〜まだまだ平気ですぞ」
月と鳥が答えたところで花に全員の視線が集まった。
「私だって平気よ!も〜私の事は放っておいて!」
と顔を真っ赤にしてそっぽを向いた。
その様子に3人が笑い、帰ってきた風は意味が分からないながらもその笑いに加わるのであった。




