騒ぐ奴らを黙らせるにはこれが早い
「なぁ、ところであいつどうやって倒す?」
風の言葉に花は懐から一枚の札を取り出した。
「なけなしの一枚だけどこれを使うしかないわね。
これは縛霊符。
この符を当てれば怪異を捕らえる事が出来るわ」
「お、いいじゃない!
それを使って動けなくなったところを僕の愛用バットでぶっ飛ばせばいいってわけだ」
「ふふーん、あたしが作った護符なんだから凄いのは当たり前でしょ!」
風がバットをブンブンと振り回しながら花を褒めるが月から冷静なツッコミが飛ぶ。
「で、その符はどうやって当てるの?」
「へ?そんなもんこの符を使ったら何かブワッとスゴい力で止まるんじゃないのか?」
風がそう言うと月は呆れた目をした。
「花はさっき符を当てたらって言った。
当たらなかったら効果は発動しない?
違う?」
「あ・・・確かに。そもそも当たらないって話だったんだ」
「は〜なんだ、使えないな」
風がため息をつくとその言葉に花が怒りだす。
「何よ、風なんかバットを振り回すだけしか脳がないじゃない!」
「僕は一撃当てればいいんで〜す!」
「その一撃が当たらないって言ってるんでしょ!この脳筋!!」
「何を〜花なんか教会のシスターのくせにそんな派手派手な格好して!このビッチ!!」
ギャーギャーギャー!!
2人がいつもの如く喧嘩して騒ぎ始めた。
月は慌てることなく取っ組みあっている2人の間を通すようにエアガンを発砲した。
ピタリと止まる2人の喧嘩。
「2人とも静かに。テケテケに気づかれたらどうする」
「ご、ごめん」
「わ、悪かったわ」
謝罪の言葉を口にする2人であったが内心は一致していた。
(怪異より月の方が怖い)