ランドセルの色はピンクが良かった・・・(花)
「よし、名札は付けたみたいじゃのう。
次に持ち込む道具じゃ。
今回は初めてのミッションじゃからな。
こちらで必要なものを用意しておいたぞ」
婆さんはそう言って4人に赤いランドセルを渡した。
「うう〜名札にランドセルって低学年に戻ったみたいでダサいんですけどぉ」
ぶつぶつ文句言いながらもちゃんと背負うのが花クオリティである。
他の3人も
「わーい!ランドセルだ!!」
「これ・・・動きを邪魔しなくて凄い」
「それに重さも感じませんぞ!」
と好評であった。
「それは亜空間ランドセルじゃ。
中は亜空間になっておって見た目以上に物が入るし重さも感じん。
それに元々ランドセルってのは行軍する軍隊が使ってたものだからね。
お前たちの動きを阻害しないように計算されちょるよ」
「へ〜そうなんだ!!」
少女たちはランドセルを背負って感触を確かめたり中身を見たりする。
「今回は初心者用のセットが入っとる。
500mlの聖水は基本であとはお主らに必要そうなものが1つ入っとるから、困った時に使うとええわい」
婆さんはそう言いながら4人を横一列に並べて確認していく。
「うむ、名札良し!
ランドセル良し!
武器は・・・本来は何か買えるポイントが貯まるまでレンタルするんじゃが、おな前たちは独自に持ってるおるようじゃからええじゃろ。
お前たちの感覚ではどうじゃ」
「問題ないよ、婆ちゃん」
風はバットを両手でギュッと握って答える。
「あたしは最初から問題なんてないわよ」
花は婆さんが用意したものと別に自分で祝福した聖水を持って答えた。
「問題ない。敵は倒す。無事に帰る。
この2つを行えばいいだけ」
月は太もものホルスターに納めたエアガンを撫でながら答えた。
「小生も問題ないでありますな。
後はこいつが向こうで動くか実地試験ですぞ!!」
鳥は愛用のPCをかちゃかちゃ動かしながら答えた。
「よーし、では最後に重要なことじゃ。
向こうではどんなに殴られようが斬りつけられようが噛まれようが血一つ出ないじゃろう。
ただし、これはその分お前たちの霊力が削られておる。
霊力がこちらの計測で0になった者から強制脱出させるからな。
この支部の最速記録だけは更新するんじゃないぞ」
婆さんの言葉に風が手をあげる。
「はーい、はーい。今まででいちばんの最短はどの程度の時間なんですか?」
「うむ・・・語るのも恐ろしいが30秒じゃ。
お前たちは最低でも1分以上持っておくれよ」
婆さんの言葉に皆が力なく笑った。
4人の心は一つだった。
『いや、1分くらいは持つと』




