少女達は名札を装備した
今回から3章です。
また第三者視点で進みます。
彼女たち4人がマガドキバスターズに入ったその日、早速任務に行くことになった。
初ミッションに意気込む彼女たちに駄菓子屋の婆さんが説明をし始めた。
非常に手慣れていることから新人チームのお約束になっているのだろう。
「まず大前提だがこの店で依頼を受けるのは逢う魔が時と言われている時間帯のみじゃ。
これは16時から18時の間じゃな。
次にお前達が通るのはこの裏口。
この裏口は怪異の起こっている場所に繋がっておる。
また、この裏口を通ることでお前達は人と怪異の狭間のような存在になる」
「ちょっと待って!それじゃあたし達は怪異と同じになるってことなの?」
花が話の腰を折ると婆さんがキッと睨んだ。
「全く、話は最後までお聞き!!
あくまで人と怪異の狭間じゃ。
そのために昼と夜が交わる時間、逢う魔が時にしかここは開かんのじゃ。
昼には近づけば人に、夜に近づけば怪異に引っ張られるからの」
「えっと・・・お婆さんの話を総合すると依頼を受けると裏口がその場所につながる。
裏口を使えるのは16時から18時まで。
その間、小生達は人と怪異の中間の存在になる。
18時を過ぎると小生達は怪異になる。
ということでよろしいでしょうか?」
「おや、あんたは見た目通りに賢い子だね。
婆はそういう子は好きだから飴ちゃんをやろう」
婆さんは鳥に飴をあげて頭を撫でた。
「それじゃ、私達は撤退の時間も考えながら探索しないといけないの?
それはちょっと厳しい」
「安心おし。そのためのマガドキバスターズの名札じゃよ。
そいつには自動帰還機能がついておる。
お前達の霊力が0になるか、18時になると強制的にここに戻す仕組みじゃ。
0と言ってもこちらの表示で0に見えるだけじゃから実際には死なん程度には残っちょる」
月の疑問に婆さんは名札を指差しながら答えた。
「え、すごーい。この名札そんなすごい機能があるんだ!」
「そうじゃろ、そうじゃろ。
素直な子は婆好きじゃから飴ちゃんをやろう」
「え、本当!お婆ちゃんありがとう!」
風は婆さんから飴を貰うと大喜びした。
「もう、そんなもので喜ぶなんて子供なんだから!
それじゃ、この名札はとっても大事なものなのね」
「生意気な娘じゃのう・・・髪色といい、お前がスミスの娘か。
親子してそっくりじゃのう・・・まぁ、ええわい。
その通り、その名札はとーっても重要なものじゃ。
絶対に失くさないようにするんじゃぞ。
それとその名札は婆のレジとも繋がっておるからな。
何か困ったことがあれば婆に連絡するが良いぞ」
『はーい』
約1名はブツブツとダサいわねと文句を言っていたが、皆素直に胸部分にピンで名札を留めたのであった。




