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僕たちマガドキバスターズ  作者: 古葉七
〜2章 結成!花鳥風月編〜
12/75

お前の全てをよこしやがれ!!

2章始まりです。

よろしくお願いします。

今回は風視点と花視点が切り替わる方式になっています。

サブタイトルをバットの声に変えました。

僕は小さな頃から変なものが見えてる以外は普通の女の子だった。

後は父さんの影響で野球が大好きだったってだけ。

将来はプロ野球選手になるために野球チームに所属していた。

でも、ある日対戦して負かしたチームの男の子に言われたんだ


「女の癖に野球やってんじゃねぇよ。

どうせ女はプロになれないんだから!」


私はそんな筈はないと思いながらも父さんにその話をすると、父さんは困ったような顔をして


「女の子はプロにはなれないんだよ」


と答えた。

ショックだった・・・確かにテレビで観る野球選手は男の人ばかりだけれど、それは女の人が体力的に不利なだけで能力が追いつけばドラフトで指名してもらえるものだと思っていた。

私は思わず愛用のバットを持って家を飛び出してしまった。

いつも練習するグラウンドに来て座り込んだ。


「女はプロになれない」


今までの努力が否定されたみたいで悲しくて悔しくて、でもどうしようもなくて私は蹲って泣いた。

ふと、夕焼けの赤い空が遮られる。

女の子がこんな所で1人泣いているから大人の人が心配したのかな?

私は顔をあげてそれを見てしまった。

それは今まで私が見えていた変なものだった・・・けど、その日は様子が違った。

今まで見たものはどこか虚ろで目線もどこを向いているのか分からないし反応もしなかった。

でも、それは明らかにこちらを見て何かを呟いていた。


(うそ・・・なんで・・・)


ふと、クラスの友達に変なものが見えると話した時のことを思い出した。

彼女の実家は教会ミサの時に家の手伝いでシスターをやっているので、そういうものに詳しいと言っていたからだ。


「幽霊ってのは普段は全くこちらの事に見向きもしないのよ。

でも、弱気になったりして落ち込んでいる人を見ると襲ってくることがあるの。

まぁ、風ならいつも元気で能天気だから無縁の話でしょうね」


今の僕は・・・弱気で落ち込んでいる。


「ノー!お嬢さん、逃げるのデース!!」


遠くから男の人の声が聞こえた気がした。

でも、この時の僕はそんなこと全く気にしてなかった。

・・・落ち込んでいるなんて僕らしくない!

僕はバットを両手で握り力を込めた。

すると、普段と違いバットに自分の力が流れていくような感覚を感じた。

バットから声が聞こえた気がした。

もっと全力で力を込めろ!

そして俺を振れ!!

僕は声のままにバットに自分の中のありったけを込めた。


「あの力は・・・ノー!

お嬢さん、やめるのです!!」


先ほどよりも近くで男の人が聞こえる。

でも、僕の耳には全く入ってこない。

この時の僕は「バット」を「全力」で振る。

この事しか考えていなかった。

それが私に手を伸ばそうとするが・・・


「うおおおお、いっけーーーーー!!」


その時には僕は全力でバットを振っていた。

バットから緑色の光が放たれてソレをかき消していく。

ついでにその先に見えていた何かも光に飲み込まれて消えていった。


「なにこれ!?すご・・・い・・・」


そこで僕は意識を手放したのだった。


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