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彼女と友達になって2回目のクリスマス。
病室内がカラフルに染まり、医師たちも心做しか浮き足立っている。
そんな日に僕は初めて救急車に乗った。
否、僕は病院に運び込まれた。
イジメがあった。
無視から始まり、カツアゲ、恐喝、暴行、犯罪。
僕の身体はいつもボロボロだった。
服を脱げば帯だしいい数の生傷。
背中には大きなバツ印の傷があるだろう。
他にも痣や火傷跡、たくさんたくさん、ある。
誰にやられたとか、いくつ傷跡があるとか、一々覚えてられない。
そのお陰か、そのせいか。
僕は痛みには強かった。
体の痛みなんて屁ではなかった。
だから僕はしばしば自分自身を傷つけていた。
痛い、痛くない。
痛くない、痛い。
僕はまだ、死んでいない。
そのことにほんの少し安心し、絶望する。
そんな毎日だった。
けれど僕は心の痛みに慣れていなかったようで。
理解者であった祖母の死に直面し、僕はとうとう自殺を試みた。