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聖夜の約束  作者: 紅桔梗
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(4)

 


 彼女と友達になって2回目のクリスマス。

 病室内がカラフルに染まり、医師たちも心做しか浮き足立っている。

 そんな日に僕は初めて救急車に乗った。

 否、僕は病院に運び込まれた。



 イジメがあった。

 無視から始まり、カツアゲ、恐喝、暴行、犯罪。

 僕の身体はいつもボロボロだった。

 服を脱げば帯だしいい数の生傷。

 背中には大きなバツ印の傷があるだろう。

 他にも痣や火傷跡、たくさんたくさん、ある。

 誰にやられたとか、いくつ傷跡があるとか、一々覚えてられない。

 そのお陰か、そのせいか。

 僕は痛みには強かった。

 体の痛みなんて屁ではなかった。

 だから僕はしばしば自分自身を傷つけていた。

 痛い、痛くない。

 痛くない、痛い。

 僕はまだ、死んでいない。

 そのことにほんの少し安心し、絶望する。


 そんな毎日だった。



 けれど僕は心の痛みに慣れていなかったようで。

 理解者であった祖母の死に直面し、僕はとうとう自殺を試みた。



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