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ホーネスト  作者: 水星
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1、【スマイルキラー】

此処は今の人間が住んでいる少し前、と言ってもそんなに前ではなくちょっとしたことにより人々から忘れられ、鍵を握った三人の若き男の物語。


1,【スマイルキラー】


此処は沢山の人が暮らす『バディア』という賑やかな街。大きな事件はなく、人々は平和に楽しく暮らしていた。一部を除いては・・・

というのも五年前にある奇怪な事件が起きたからだ。それは嵐のせいで多くの人が家にこもっていた日の晩のことだった。ある30後半ほどの男が、その日のうちに15人もの人間を殺したのだ。その殺人現場を偶然目にした男の話によると、男は殺した人間に最初寂しそうな笑顔で『何かお困りのことはありませんか?』と声をかけ、隙を見て首にナイフを突き立てたのだという。その時男はまだ笑顔を崩していなかったらしい。そして世間は恐怖と憎しみを込めてこう呼んだ。『スマイルキラー』と。その際家族を亡くし、行くあてもなくなった人間は、如何にかして仕事を見つけたり、泊まれる場所を探して生き延びていた。そしてこの青年もそうだった。青年の名は《ロニエス・ハンソン》。20という若さでありながら、たった一人生きていた家族であった兄を殺され、スマイルキラーに復讐をしようとしている人間であった。

「あー、全く手がかりが見つからねえ。ガセネタ振りまいてる奴は、何処のどいつだ。」

ロニエスは机の上にある情報を見つめ、愚痴をこぼしながら有力な手がかりを探していた。

「そんなん言ったって、いい情報は入ってこねえぞ、ロニ。お前深く考えすぎなんだよ。」

この青年もまた、スマイルキラーに家族を殺され一人になった青年であった。名前は《デイル・バスナム》。調子者でよく悪さをし、しかし気にくわないことがあれば、真っ直ぐ意見を言うロニネスの親友であった。

「んな事言ったってなあ。俺たちが今生きてんのは、復讐するためだ。つーかギラーは何処言ったんだ?」

「ああ、彼奴は母ちゃんの墓参りだとよ。まあ俺は墓が何処にあんのか知らねーけどよ。」

ギラーというのは、《ギラー・ウェイズ》という青年の名前で、三人組の中で唯一物事が慎重に考えられる人間であった。

「何だ!あいつサボってんのか?」

ロニエスが不満そうに言うと、その直後に扉を開く音がし、ある青年が話に入った。

「ロニエス。俺はサボってない。少し時間を自分にまわしただけだ。」

「言ってる事同じじゃね。」

デイルは他人の言うことは結構気にするタイプだ。だからいつも三人で話すと、こんな感じになる。

「そんな事よりもっと重大なことがある。あと2日後にこのバディアで、盛大な宴会が開かれるそうだ。」

なぜこの物語が始まったかといえば、この三人の青年がある鍵を握ってしまったからかもしれない。そして惨劇は始まって行くのであった。


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