起きたら・・・
短め
「ふぁわぁぁぁぁっつ」
よく寝て、俺は目が覚めた。
朝日が入り込んでいるところを見ると結構寝ていたようである。
冒険者登録をして、自分が吸血鬼だとわかって、奴隷のミストを連れて帰ってきて昨日は忙しかったと思い出す。
と、ここでもう一つ忘れていたことがあった。
「魔石売るの忘れていたな・・・」
ギルドでなら、モンスターの魔石の換金ができるのだが、さっさと帰ってきてしまっていたことに気が付いたのである。
まあ、また今度でいいかと思いつつ、俺は朝食をとるために家のキッチンへ行くと・・・
「おはようございます、ゼノさん」
「・・・おはようございます、ご主人」
アリーシャとミストの二人が朝食を作っている最中の様だったけど・・・あれ?
なんか二人とも目線がバチバチしていない?
周りを見ると、ゴライアスさんはいなくて、5賢人の3人ほどがいた。
「・・・ゴライアスさんは?」
「彼なら避難したのぅ」
避難って・・・・。まあ、空気的にどう考えてもやばそうなのはわかるけど。
というか、ミストとアリーシャまさに一触即発のような・・・・この2人、相性が悪かったのか?
「ぶっちゃけお主のせいじゃな」
「こちとら5賢人の元凄腕冒険者と言われていても」
「あの争いには恐ろしくて入れんよ」
理解できなかったが、とにかく知らない方が幸せそうなので、俺は聞かないことにしたのであった。
朝食ができたのだが、いつも通りおいしかった。
ミストももう一品作っていたようだけど、そっちもおいしかった。
おいしいと言ったら二人とも喜んだ顔して、すぐににらみ合ったけど・・・。
とにもかくにも、改めて冒険者登録の際にわかったことを俺は話した。
「オリジナルの種族か・・・・・真祖とも言うな」
「そういった新しい種族は人種族と登録されるが」
「今頃本部では騒動になっているぞ」
5賢人の今この場にいた3人の見解によると、一応亜人種族なら特に問題はない。
だけど、オリジナルとしての性質で、血液を経口摂取した場合、摂取した相手を自分よりも下位の吸血鬼にしてしまうのはまずいそうな。
「種族固有スキルにある『不老不死』というのはまずい」
「こういった類のはどこの国の王族とかも求めそうなもんだからな」
不老不死ってのは、欲深い人が求めるようなものらしい。
「同じ吸血鬼にしてしまうのならば、自分がずっとそばにいてほしいと思う物にしておけ」
「不老不死ってのは、常人にとっては一種の拷問となるからな」
長い時を生きると、どうしてもさみしくなる時がある。そして、不老不死ならなおさらだと言われた。
あの・・・俺転生者なので、中身は普通の高校生なんですけど。これも常人だよね?
・・・耐えられるのかな?
「冒険者登録をすることによって、種族が判別できたのは良かったが・・・まずい事態を引き起こすかもしれん」
「できれば、各地を転々と移動したほうが良いぞ」
つまり、不老不死を狙ってくる人が出てくるかもしれないということだそうだ。
「ようは、この村に迷惑をかける可能性があるってことか・・・」
それは避けたい。
とにもかくにも、早めにこの村を去ることを俺は選択するのであった・・・・
都合上、やはりまとまりがなくなってきており、おかしくなる部分も見らえてくるため、非常に勝手かもしれませんが、次回を最終回とします。