かくかくしかじか・・・・
吸血鬼の弱点って調べたら結構多いんだよね。弱点耐性があるってことは、これがかなりなくなるようなものだから…チートに近い?制限とかはあるみたいだけど。
ギルドで冒険者登録をした後、俺の種族が吸血鬼だと出た。
いや、確か吸血鬼ってこの世界だと架空の生物だよな。
亜人種族とか出ていたからモンスターじゃないけど・・・・
しかも、よくイメージとかにあるような首筋がぶりとかして吸血したら相手も同種族にしちゃうってあるし・・・・これは吸血したくないですわ。
とにもかくにも、ライガル村に戻ることした。
冒険者の証明書の情報はギルドで保管されるらしいけど、これって発見されたときのがまずそうだよな・・・。
そんな考えを持ちつつも、俺はライガル村まで行きと同じように走った。
が、行きと違うのはミストがいることである。
彼女を背中に背負っていこうか思ったが、荷物を入れたリュックがあるので邪魔だ。
なので・・・
「この方法をとったけど、別に大丈夫だよな?」
「・・・大丈夫です。私はあなたの奴隷ですから命令には従います」
走る前にミストに少し頼んで、ちょっとだけ指を切って血を出してもらった。
その血をコップに少し入れて俺は飲んだのである。
「限界血液解放」のスキルを発動させるためである。
このスキルは短時間だけ身体能力がものすごくなる代わりに、発動には血液採取する必要がある。
このスキルを発動させれば楽にミストを運べると思ったのである。
ただ、首筋にがぶりとかはアウトだから、こうして血を流してもらってその血を飲む手段をとった。
ただね・・・サラマンダーの時と違ってかなりおいしい血だと思うけど、やっぱ吸血ってかなり抵抗感があってしたくないよな・・・。じかに吸血してしまった場合は吸血鬼にしてしまうようだし、間接的でも血を飲むってのは・・・・。
というか、あのサラマンダーの時に力があふれたのってこれが原因か。しばらく続いていたけど、あれは多分吸血鬼として覚醒したとかそういう物で本来の状態に体がなっただけだろうな。
まあ、別に血液を飲まなくても素の身体能力でそこそこ強い体みたいだけど、抱えながら走るってのはきついからな。
とにもかくにも、全力を出して俺はミストをお姫様抱っこの形で運んで行きよりも速く走ってライガル村に着いたのであった。
うん、もう切れた。やっぱ短期決戦用のスキルだこれ。疲労感あるし、乱用できない物みたいだな・・・。
アリーシャが待っている家に到着し、ゴライアスさんに軽めにカクカクシカジカと簡単な説明をした後、俺はこの家の俺の部屋にてすぐに寝たのであった。
あかん、このスキル絶対疲労感がきつい・・・・・。
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「~~~というわけで、これがご主人さまの冒険者の証明書」
ミストはゼノに言われて、家にまだいた5賢人の人にゼノに言われたとおりに証明書を見せた。
「・・・・なるほど、吸血鬼か」
「架空の種族じゃったよな・・・・架空ではなかったという事か?」
「いや、オリジナル・・・・つまり真祖みたいなものじゃろう。つまり、あやつはこの種族の始まりとなるのじゃな」
亜人などの種族は何もいきなり誕生したわけではない。
オリジナル、もしくは真祖とかいう最初の者が現れて、そこから増えて今の状態になっているだけなのだ。
「吸血鬼族の始まりの者という事か・・・というかこの称号物騒だろ」
「スキルもえげつないものが多いし・・・本当に化け物並だな」
「だが、これでこやつが本当に物凄い奴だとわかったな」
5賢人がなにやら話し合いをし始めた。
その間、ゴライアスはちょっと空気を読んでこの場から出ていった。
理由としては、女の闘いの気配がしたからである。
「で、行く途中にミストさんはゼノさんの奴隷になったというわけでいいんですよね?」
「・・・はい」
アリーシャとミスト、二人が互いに視線で火花を散らしていたからである。
互いに、ゼノの事を想ってしまっているのが女の勘でわかったのだ。
けん制し合うようににらみ合う二人。
アリーシャとしては、好きな人に女の奴隷ができたことに関して気が気でない。
一方ミストとしても、金狐族の性質上、どうしてもゼノが欲しくなってしまっている。
というか、これはゼノの種族固有スキル「魅了」による影響も少し影響してはいるのだが・・・
とにもかくにも、ゼノが目覚めたときには修羅場が待っていそうな状態であった。
一応二人だけでも修羅場に近い状況。「ハーレム?」のタグが付いているということは・・・・
とにもかくにも、そろそろ何かが動き出しそうな予感