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第18話 光で染めるモノ(後編)

 火の海とは、まさにこういう状態を指すのだろう――――エラルドは、そんな他人事のような感想を抱きながら、操縦桿を倒してダブル・ダブルを前進させる。

 ダブル・ダブルのメインモニターを通して見える外の世界は、もはやそこが如何なる国の如何なる場所であるのか判別が困難なまでに、激しくうねる炎で覆い尽くされていた。

 他ならぬ、自身の放った多段階テルミット反応式焼夷弾によるものである。

 この焼夷弾から、メテオメイルの装甲を短時間の内に焼き尽くすだけの熱量が発生することはない。

 しかし、至近弾ならば発生した火炎によってレイ・ヴェールのエネルギーを無駄に消費させることはできし、そうでなくとも機体の各種センサー類に対する妨害として役立つ。

 そのため、エラルドは二十四基の武装コンテナの内、背面の二基にこの武装を搭載していた。

 もっとも、現在は市民の掃討という、当初の目的にして最も悪辣な用法として多大な効果を上げている最中だが――――


『素晴らしい騙しっぷりだなエラルド君。まさか我々の誰にも気付かれることなく機体を運び出し、そのうえ予定よりも数日早い出撃とは』


 それからすぐに、白髭の声が、コックピット内の通信機器を介してエラルドに届けられる。

 咎めるような語調ではなく、仮にその気はあったとしても、呆れの方が上回っているようであった。

 相手の声色から感情の機微を読み取ることに長けたエラルドだが、白髭の鷹揚自若さだけは未だに難敵であった。


「井原崎さんには、急なスケジュール変更ということで輸送を手伝って貰いました。彼は共犯ではなく、私の独断であることは明言しておきます」


 アフリカ大陸の南部にまで自分を輸送してきたオーゼスが保有する潜水艇、フラクトウス。

 その操艦担当である井原崎を騙し、ダブル・ダブルを自分と共にソマリア近辺まで運ばせたというのが手品の種だが、余りにも容易に信じ込んでくれたために、騙しを生き甲斐とするエラルドにとっては物足りなさもあった。


『それぞれ離れた区画に整備ドックが存在するのも考えものだな……いや、連絡体制が杜撰なのもあるか。それはともかくとして、やはり予定を早めたのは気分の問題かね』

「そうなりますね。こればかりは、嘘をついても仕方がない」

『君がそういう性格であるということは、理解はしている。しかし、“あの御方”が今回の一件に大層憤慨されているのもまた、君に理解しておいて欲しくてね』


 通信機器に向けられるエラルドの眼差しは、少しばかり真剣なものとなる。

 そう呼ばれるのは、オーゼスの中でたった一人しかいないからだ。


「……やはりですか」

『他の全てはさておくとして、開始時間だけは厳守しなければならないというのは、君とて重々承知していたはずだがね。まあ、君の場合はそれでも尚といったところだろうが』

「そうなんですよ。私は、戦いも酒も、一番気分の良いときしかやる気にならない困った性分でしてね。むしろ過去の五戦でこうならなかった事が不思議でならないくらいだ」


 エラルドがおどけた声を出すと、通信機の向こうで白髭もまた釣られて苦笑する。

 そう断言できるくらいに、今回に限ったことではなく、エラルドの気分は移り変わりやすいのだ。


『まあ、他人との折合いを付けられなかったからこそ皆オーゼスに流れ着いたわけだから、余り色々と言っても仕方のないところはあるが……』

「そういう事です。我々はいわば、ハンドルとブレーキの欠けた車に乗っているようなもの。道の如何に関わらず、ただアクセルを踏む事しかできないんですよ。だから……」

『どうかしたのかい、エラルド君』

「いえ、だからこそ楽しむしかないのかなと。ルールを破った事を気にしてこのゲームを心から楽しめなかったら、その時こそ“あの御方”は本当に激怒する。そういう人でしょう、彼は」

『……そうだな。確かにそうだ』

「では、そろそろ本格的な戦闘が始まりそうなので、通信を切らせて頂きます。私も、本気ですからね」


 エラルドはそう言って通信回線を遮断すると、静寂を取り戻したコックピットの中で、深く一呼吸する。

 ある男を騙すための技術を身に付ける道程で、今日は最大の試練となるかもしれないからだ。

 果たして自分に、そこまでの御業が成し得るのか――――

 暫し考えてみて、エラルドはその考え自体が無意味なものであることに気付く。

 もはや自分にはそうする道しか残されていないし、そうする道を選んだのも自分だからだ。

 程なくして、ダブル・ダブルの集音センサーが、数キロ南方で凄まじい大音量を拾う。

 数百トン級の物体が無減速で落下でもしなければ発生し得ない大きさだ。

 それから数十秒もしない内に、同じ座標で、通常の軍用兵器ではけして有り得ない超高エネルギー反応を補足する。

 そこで何が起こっているのか――――考えられる事態は、そう多くない。


「そちらにはしばらく手出しをしないとは言ったが……まさかこちらで搭乗するとは。何ともまた大胆なことをする……!」


 エラルドは失笑せざるを得なかった。

 わるい予感ほど、よく当たるものだ。

 エラルドは攻撃の手を止め、ダブル・ダブルで来た道を引き返していく。

 そこに――――つい先程まで食事を楽しんでいたホテルの近辺に立つのは、紺紫の鎧を纏った重武装の巨人。

 全長はもはやオーゼス製メテオメイルの平均値である四十メートル級とほぼ同等。

 セイファートでもバウショックでもない、謎に包まれた連合製三番目のメテオメイルだ。

 エラルドは、数百メートル手前で立ち止まると、もはやそれがオーゼスの流儀とでも言わんばかりに、紛れもない敵機であるそれに向けて通信を試みた。


「……それがオルトクラウドかい、連奈君。なかなか君に似合ったドレスじゃないか」

『それは褒めてるのかしら、それとも貶しているつもり?』

「無論、前者さ。これは本当だよ」


 間を置かず巨人から返ってきたのは、予想通りの声。

 凛としたうら若い少女の声。

 やはり、今日こそが自分に待ち受ける最大の試練で間違いないようだった。

 エラルドは、あちらからは見えていないにも関わらず、コックピットの中で優雅に一礼し、そして彼女に語りかけた。


「では一曲踊るとしましょう、素敵なレディ。私が優しくエスコートして差し上げますが」


 だが――――明確な敵意を伴って、少女は不敵に返礼する。

『残念ね。私、踊りなんてちっとも知らないの』


 直後、巨人の背面モジュールから勢い良く吐き出されたのは、数十発ものマイクロミサイル。

 それらは激しい白煙の尾を引き、弧を描くような機動で、豪雨のようにダブル・ダブルへと降りかかった。

 だが、エラルドもまた、ダブル・ダブルの背面武装コンテナの中から拡散レーザーを展開し、それらを見事に全て撃ち落としていく。

 しかし、その動作の最中、既に巨人は両膝から伸びた砲身と、脚部側面の連装砲の発射準備を終えていた。

 更に胴体側面のカバーが開き、左右それぞれからガトリング砲が露出する。

 火力面では明らかにダブル・ダブルを圧倒する、過剰といってもいいくらいの充実ぶりだ。

 ダブル・ダブルの多種多様な武装を以てすれば迎撃の途中で攻めに転じることも可能ではあったの だが、少女の余りにも迷いのない動作に、見事に封殺されてしまった。

 無数にして未知の武装を内蔵し変幻自在に立ち回れるダブル・ダブルの特性を知りつつも、一切臆することのないその胆力に、エラルドは素直に感嘆する。

 そして直後、身動きを封じられたままのエラルドに、まずは言葉の追撃が襲いかかった。


『――――それに、誘うのが二十分遅いのよ。自分の都合の良いときにしか相手をしてくれない男は三流以下だわ』

「……返す言葉もない」


 エラルドは呻くように笑いながら、そう答えるしかなかった。



「いける……!」


 オルトクラウドのコックピットの中、連奈は確かな手応えを感じていた。

 初の実戦ではあるが、思いのほか緊張はない。

 精神波の放出も安定し、S3による思考と操縦系統とのリンクにも正常に機能している。

 畏怖や不安とはまた異なる別の感情が胸中に渦巻いている影響もあるが、何よりここまでの訓練で、オルトクラウドという機体を十分に理解していることが大きい。

 如何なる奇手を打たれようとも、まず意識すべきは火力による正面からの制圧。

 動き回ることで隙を晒してはならないし、長引かせることで負荷を掛けてもならない。

 ただ、撃ち続けるだけ――――オルトクラウドは、その単純極まる立ち回りのみで勝利する事を目的に作られているのだ。

 それでも手を止めたのは、指示確認の為だ。

 その場でオルトクラウドに搭乗したために、戦況に関する情報が連奈には不足していた。


「セリア、他の場所への誘導は必要かしら」

『……可能ならば、とのお達しだ。市街地南部エリアの避難はほぼ完了しているし、北部エリアはもう手遅れに近い。それでも、南部エリアの建造物を巻き込むわけにはいかないからね』

「わかったわ……あくまで推奨って事ね」


 連奈は残る火器のエネルギーチャージを進めながら、ぞんざいに呟く。

 市民の安全確保は軍に任せておいて問題ないレベルだといえたし、街の復興などは、完全に優先度の順位外である。

 そして、ここで積み重ねた記憶は――――危険な香りを漂わせる大人の男を前に多かれ少なかれ浮かれていた自分は、これからの連奈にとっては不必要なものだった。

 あわよくばという思いも、ないわけではないのだ。

 連奈の言葉に、フェイスウィンドウの向こうのセリアは何かを言いたげな沈黙を保つが、しかし実際に口に出すことはなかった。

 それは、オペレーターという己の職務の領分を正確に把握している証拠であり、だからこそ連奈は彼女を評価する。


「それにね、心の余裕と戦術的な余裕はイコールじゃないのよ。連合としてもヴァルクスとしても、敵機の優先は最優先事項。撃てるときに撃つしかないの……!」


 言って、連奈は操縦桿の火器選択スイッチとトリガーを同時に押し込む。

 レーザーと実弾、二種の混合弾を交互に発射するA/ B弾複合ガトリング砲と、内部爆発の衝撃によって弾頭状に形成された金属塊を打ち込む4連自己鍛造弾発射機構――――共に敵機の装甲表面を抉り取ることに特化した、小手調べというには余りにも凶悪なサブウェポン。

 その一斉射撃が、ダブル・ダブルに向けて放たれる。

 巨大な壁として襲いかかる特濃の弾幕、その圧倒的物量による破壊を受けきることは不可能に近い。

 故にエラルドは、回避を選択するしかない。

 その予想は、見事に的中する。

 しかし、驚くべき事にダブル・ダブルは、直立し正面を向いた状態のまま、真横に数十メートルとスライドしていった。


「恐ろしい火力だ。直撃していればどうなっていたことか……」

「やっぱり仕込んでいたわね……」


 その機能は、過去の戦闘記録で見覚えがあるものだった。

 武装コンテナの内部に別途で仕込まれたバーニアスラスターだ。

 今回の搭載箇所は背面に搭載されたコンテナの内、左右に伸びる二基。

 その片側噴射によって、通常の有人型兵器では有り得ない真横への加速を実現しているというわけだ。

 更に別の場所、別の方向にも同様の機能を仕込むことで、ダブル・ダブルは変則的な方向への加速を可能とする。

 上手く扱えば、敏捷性で上回るセイファートすらも手玉に取ることができるだろう。

 故に、連奈は接近を許すまじと、更にマイクロミサイルで追撃をかける。

 これも、追加のバーニアスラスターを用いた鋭角的な方向転換によって誘導を切られてしまうが、それでも連奈は愚直に連射を止めない。

 偶然にしろ一発でも命中すれば御の字であったし、万が一接近された場合に備え、少しでも機体を軽くしておきたかったからだ。

 それに、実弾兵器であれば機体への反動ダメージも少ない。

 オーバーヒートによる動作不良での敗北という間抜けな事態だけは避けねばならなかった。


「自分から誘った割には、随分と消極的ね」


 エラルドが、この弾幕の前では回避と迎撃に徹さざるを得ないということを理解した上で連奈は挑発する。

 無論、まんまと乗ってくるなどとは夢にも思っていない。

 何の策にも組み込んでいない、感情的に出た挑発だ。

 だが、だからこそ連奈は虚を突かれる。

 弾切れまでは攻守の逆転はないという、その思い込みこそ、エラルドにとっての間隙であったのだ。


「成程、やはり君はリードされる方が好みだったか」

「何を……!?」


 暴風雨のような砲撃の中を逃げ惑うダブル・ダブルは、その最中、右腕部だけをオルトクラウドへと向ける。

 直後、右腕部に装備された武装コンテナの一基から長く鋭い円錐状の弾頭が超高速で射出。

 それは何かしらの表面加工が施されているのか、半自動迎撃レーザーの一射にも耐え、そして芸術的に弾幕の間を潜り、ガトリング砲の間近、オルトクラウドの脇腹に突き刺さった。

 次いで、爆裂。

 コックピット内を、ショックアブソーバーでも殺しきれないほどの衝撃が襲う。


「女の、子に……!」


 連奈は脇のコンソールに体を打ち付け、苦悶する。

 本来はサイズ的にアンダーウェア相当の薄着にしか対応していないパイロットスーツを、ワンピースの上から強引に着込んだ半端な状態のため、耐衝撃機能も十全には機能していないのだ。

 皮肉にもオルトクラウドの損傷箇所と全く同じ場所に走る激痛に耐え、連奈は意識を再集中させる。


「装弾システムに異常発生、右のガトリングは使用不能……そして本体フレームが露出、もう一度同じ場所に受けたら……」

『体の方は、大丈夫なのかい』

「ええ、平気よセリア……骨折はしていないみたい。そして、今のは私の甘さのせいね……」

「全くだ。一応は、こちらの方が経験で勝っているいうことを忘れてはいけない。そして、私が敵だということもね。私が君に手心を加えて何だかんだ命だけは取らないようにしている……などと思われていたのなら心外だ。気に入っているからこそ殺すという選択肢も、大人の世界にはあるのさ」


 他ならぬエラルドに言及され、連奈はコンソールに拳を叩きつけたい気分になる。

 腹立たしいことに、そして恥ずかしいことに、もしかしたらエラルドは本気の殺し合いをするつもりはないのではないかと頭の片隅で考える自分が直前まで存在していたのだ。

 これでは、エラルドに胸をときめかせていた数十分前の自分と何も変わらない。

 その結論に至ると、叩きつけたいのは拳ではなく頭の方に変更された。


「私は、いつまで騙されてるのよ……あの男に」


 戦いたくないと願えば勝手に戦いを始め、どうにか最小のダメージで行動不能にしようと思えば容赦なくこちらの命を奪いに来たりと、エラルドには裏切られてばかりいる。

 単発のサスペンスドラマに出てくるような、利用され尽くしてもまだ男を信じ続ける馬鹿な女そのものではないかと、連奈は久しぶりに自分への嫌悪感を向けた。


「いつまでも、というのが私の理想だが」


 弾幕が止んだ合間に、ダブル・ダブルが一気に距離を詰めてくる。

 左腕の武装コンテナからは、プラズマを収束させて刀身の形状を取らせるプラズマソードが発生していた。

 あちらの狙い――――そして自身が最優先で防御すべき箇所は、既に円錐ミサイルを受けた右脇腹。

 左半身を前に出し、庇うように体勢を変えながら、連奈はとうとう機体に多大な負荷の掛かる非実体弾の使用に踏み切る。


「百メートル以内……この距離のバリオンバスターなら!」


 連奈が叫ぶと同時に、オルトクラウドの両腕に装着された大型火器の内、左腕のそれから目を焼くような紫光が直線上に奔る。

 内部で生成した重粒子の一種であるΛ(ラムダ)粒子を加速させて発射する新機軸の粒子砲である。

 複数の粒子を衝突による結合で重粒子に形成する過程、そして粒子加速の両方において多大なエネルギーを必要とするため、本来は単一兵器への登載どころか施設規模の装置類があって初めて発射が実現する代物だが、オルトクラウドはその必要量をメテオエンジンと連奈の精神力で賄うことができた。

 その貫通力は絶大で、高出力のレイ・ヴェールを展開されていても標的を完全に撃ち抜けるとされている。

 更に、発射速度は亜光速にも届く。

 さしものダブル・ダブルも避けきれず、右腕の武装コンテナの両方を一撃で失うこととなった。

 しかし、本体に直撃させるよう目測で照準を合わせておきながらの結果である。

 エラルドは砲口の向きから発射方向を確認し、動ける範囲で最大限の回避行動を行っていたのだ。

 そして、軽傷であるということはダブル・ダブルの接近は止まらないということだ。

 続けて右のバリオンバスターを発射しようとした連奈だが、ダブル・ダブルの左脇腹のコンテナから飛び出した三本指のアームユニットに砲身を持ち上げられ、ビームはあらぬ方向へと飛んでいく。


「また妙な物を!」


 連奈は咄嗟の判断で、残った左のガトリングを発射し、アームユニットを破壊する。

 だが、その間に振り下ろされたプラズマソードが、オルトクラウドの右肘から先を切り落とす。

 切断面からは激しいスパークが漏れ、数瞬の内に軽度の爆発が起こった。

 それでも脚部の自己鍛造弾で反撃を試みようとするが、操縦桿のトリガーに手を掛けたと同時に、ダブル・ダブルは両脚部の武装コンテナから粘着弾を発射、自己鍛造弾の砲口を覆い隠す。

 そのまま発射すれば内部爆発の可能性も十分にあり、トリガーを引くのは躊躇われた。


「こんな器用貧乏みたいな機体に、オルトクラウドが押されるなんて……!?」


 手を変え品を変え、僅か数十秒の内に鮮やかな手際でオルトクラウドを追い込むダブル・ダブル。

 それはまさに、ダンスの不慣れな少女を磨き上げられた技術で強引にカバーする、場慣れした紳士の如く。

 一瞬のミスで蜂の巣にされかねないリスクを背負いながらも、本体には全くダメージを受けることなくここまでの攻めを実現する――――その胆力は、真に危険を乗りこなしている証拠だ。

 連奈とて、戦闘が開始されて暫くの間は同様の剛毅さを持っていた自負はあるが、今現在は零し落としたという自覚もある。

 常に維持できないという意味では、やはりエラルドに遅れを取っているし、技量においては比べるべくもない。

 まざまざと見せつけられた格の違いに、連奈は歯噛みした。


「そのビーム砲を出し惜しみしなければ、君の勝利は揺るぎなかっただろうに……何故最初から撃たなかったのかな」

「……あなたが考えているほど、この機体は完成されていないという事よ」

「それは嘘だな。確実に命中させる機会は何度もあった。致命傷を与えられるのなら、例え一発限りでも躊躇わずに撃てばいい。そうしなかったのは君の心の弱さだ。殺されたくない上に殺したくもないとは、パイロットとしては失格も良いところではないのかな」

「あなたは私の何を知っているっていうのよ。さっき知り合ったばかりの癖に、得意気にならないでもらえるかしら」

「実際の危険と空想の中の危険を混同している危うい少女であることは、理解しているつもりだよ」

「っ……!」


 褒められた手ではないが、連奈は反射的に、左のバリオンバスターを振り回すようにしてダブル・ダブルを追い払う。

 だが、現状近接戦用の武器を持たないオルトクラウドではこうするくらいしか肉薄したダブル・ダブルに対応できないというのも事実である。

 次いで、マイクロミサイルの残弾も全て放ち、どうにかオルトクラウドが得意とする中・遠距離戦のレンジを確保した。

 しかし、自己鍛造弾は左脚部が発射口を塞がれ、右脚部は残弾ゼロ。

 収束プラズマ砲は先程のダメージによりエネルギーパイプラインが破損し使用不可。

 ガトリングは右側が破損による使用不能で、左側が残弾ゼロ。

 バリオンバスターは右腕を切り落とされたことで一挺が失われた。

 その上、虎の子であるゾディアックキャノンは、ロック機構が誤作動を起こしていることが戦場に送り込まれてから判明している。

 試射実験においてエネルギーコンデンサーへの過熱を検知したOSが、未だにゾディアックキャノンだけは発射不可の診断を下したままなのだ。

 現在、マシンデザイナーのミディールが、ラニアケアからオンラインでプログラムの書き換えを行っているが、修正完了までにはまだ時間を要する。

 無駄撃ちとダブル・ダブルの接近を許すミスがなければ、他の武装で倍の時間は攻め続けることができたが、今はもう的確に部位破壊を狙うしかない。

 連奈はコンソールを操作して、バリオンバスターの精密射撃用のスコープ表示をオンにする。

 だが、ここに来てダブル・ダブルは、姿を消す。

 加速によって視界の外に逃れたのではなく、文字通りその場で一瞬にして消失したのだ。


「そんな、一体何処へ……」


 レーダーのエネルギー反応も消え、振動感知センサーにすらかからない、まるでダブル・ダブルというメテオメイルの存在自体が嘘であったかのような、完全なる隠滅だった。

 ホテルの前で姿を表わすまで誰にも気付かれることの無かった、おそらくは光学迷彩機能と駆動系の消音機能の複合システムによるものだろうと連奈は察する。

 多くの建物が延焼、崩落する中では建造物の倒壊を目印に足跡を探ることも難しい。

 例え不可視の状態になったとしても、超射程広範囲への砲撃を実現する万全なオルトクラウドの前では無意味だったが、今はそうもいかなかった。

 オルトクラウドを低速歩行させながら、連奈は周囲を警戒する。

 エラルドは、そんな連奈を諭すかのように、見えない場所から語りかけた。


「私と君は、よく似ている。だが、逆に言えば、ただ似ているだけの関係でしかない。表面にのみ着目すれば同じように見えるかもしれないが、しかしその総体は、全く異なる性質といってもいい」

「何がよ……! 私だって、退屈が何よりも嫌いなの。私だって、誰にでもできるような、ありきたりな人生の枠に収まっていたくないの……! 身を焦がすような危険の中で、自分という存在を確かめたいのよ!」


 明確に否定され、連奈は狼狽する自分を露呈させる。

 エラルドが倒すべき敵であるとして、エラルドが自分の思いを裏切る身勝手な人物であるとして、それでも共有していたかった一点すら間違いであると断じられてしまっては、そうならざるを得なかった。


「その願いこそが何よりの証明じゃないか。私は、“もはやそうする事しかできない”。君は、“そうしなければならないと思っている”。聡明な君なら、本当はもう、わかっているんじゃないのかい」

「まだ全然まともだっていうの、私が……!」

「そうさ。君はただ、破綻者になりたがっているだけの夢見る少女だ。残念ながら、君にはこちら側に来る資格は無い。引き返せるぎりぎりの場所にいるからこそ、君という存在は輝いている」

「違うわ、私は……私は!」

「このまま我々と同じ道に辿り着く可能性だって君は十分に秘めている。だが同じくらいに別の可能性も開けている。人道を説くわけではないが、しかしまだ道を選ぶには早すぎると思ってね」

「それこそ、あなたに決められる筋合いは…………っ!?」


 交差点に足を踏み入れた瞬間、突然の、後方からの衝撃。

 連奈は慌てて背面のサブカメラ映像をメインモニターに出すと、そこにはオルトクラウドを羽交い締めにするダブル・ダブルの姿があった。

 会話で動揺を誘い、その間に回り込んでいたのかと、相変わらずの卑劣な騙しに連奈は憤慨するが、その直後、信じられない光景が飛び込んでくる。

 もう一機のダブル・ダブルが光学迷彩を解除し、オルトクラウドの前方に姿を現したのだ。

 バックパックが消失しているものの、それ以外は全く同一の機体である。


「やはり君は騙しやすくていい。先の話を真に受けたのならすまない。あくまで、この状況に持ち込むための時間稼ぎだよ」

「立体映像……? これもまた、あなたお得意のやり口って事かしら」


 連奈はエンジン出力を上げ、まずは、オルトクラウドに対し物理的に干渉できている以上、確実に実像として存在する背後のダブル・ダブルを振り払う。

 平静を失いかけているとはいえ、まだ十分にパイロットとしての判断力は残っていると、連奈は少しだけ自信を取り戻す。

 だが、正面のダブル・ダブルは、そんな連奈の思考を嘲笑うかのように、左脇腹の武装コンテナから、先程と同じ、質量弾と爆裂弾、双方の機能を備えた円錐ミサイルを射出する。

 その直撃を受けた左手は吹き飛び、保持していたバリオンバスターも地面へと落下した。


「そんな……どうして!」

「分離したバックパックの武装コンテナの中に、立体映像投写装置が搭載されているのではないかという読みは悪くない。だが、外れだ。ダブル・ダブルのバックパックは変形することで、もう一体のダブル・ダブルになれるのさ。本体と同じ数だけ装備したコンテナ、それをマウントするには不必要な太さのフレーム、簡易的なものとはいえ遠隔操縦機能、後は機体の名前がヒントというところかな。奥の手と言うには少々パンチが弱いが、中々面白い機能だろう」


 二機のダブル・ダブルはそれぞれ武装コンテナから取り出した短銃身のサブマシンガンを取り出し、オルトクラウドの前後から銃撃を浴びせる。

 防御手段のないオルトクラウドはただそれを無様に受け続けるしかなく、連奈にとっては屈辱の時間だった。

 一発一発は大した威力ではないが、機体表面のレイ・ヴェールに干渉する数百発の弾丸はエネルギーの消費を早めていく。

 そして、一カートリッジ分の弾丸を撃ち尽くした二機のダブル・ダブルは、組み伏せるようにしてオルトクラウドを地面へと沈めた。


「これで終わりだよ、連奈君。あとはコックピットを潰せば私の勝利は決定する」

「しまった……!」


 連奈は操縦桿を何度も前後させるが、事態は好転しない。

 機体出力だけならオルトクラウドに分があるが、両手が使えない現状、身を起こすという動作はほぼ不可能だからだ。

 それでも脚力だけでオルトクラウドを立ち上がらせようと抵抗する連奈に、エラルドは話を続ける。


「最後に一つ、大事なお知らせだが……だいたい、君の事を気に入っているというのがそもそもの大いなる嘘なんだ。三風連奈という個人が嫌いなわけじゃない。私はもう誰も好きになることができないのさ。だから、私に対する君の執着もまた、全てが嘘――――」

「……原因は恋人? それとも奥さん?」


 そんな言葉が、自然と連奈の口を突いて出る。

 連奈がその結論に至るまでの時間は、恐ろしく短かった。

 エラルドの本質を探ろうとする無意識が、出会ったその時から自動的にロジックを積み上げ、いま最後のピースを得て完成したという理屈が、最もしっくりくる自身への説明だった。


「……そういうところだけは舌を巻くほど察しが早いな。女の勘というやつかな」

「とてもではないけど、普通の女に好かれるタイプには見えないもの」


 連奈の無愛想な答えに、エラルドは通信装置の向こう側で噎ぶようにして笑い出す。

 腹の奥底からとめどなくせり上がってくるような、品位の欠片もない本物の笑いだ。

 その中に混じるのは、仄かな哀愁と諦観。

 今度こそ、ようやく、連奈はエラルド・ウォルフという男の素顔を垣間見ることができたような気がした。


「二つ合わせて百点としよう。……僕には、心から愛する女性がいたんだ」


 まるで別人のように、気弱で情けない男の声が、連奈の耳を打つ。

 ダブル・ダブルが二体に分かれたように、エラルドもまた真のエラルドと嘘のエラルドに分かれてしまったかのような錯覚を覚える。


「もっとも、僕が一方的に愛していただけだ。その事実に気付かされたのは、彼女の幸せの為に己の人生の全てを捧げることを誓ってから実に二十年後のことだったがね」

「判らなかったの? その人と、本音で向き合わなかったの?」


 連奈は最も忌み嫌う一般論を、怒気を込めて言い放つ。

 そして、それがエラルドにとって何より辛い一言であることを、遅れて察する。


「何と罵ってくれても構わないさ。若かりし頃の僕は本当に他人の心がわからない男だった。彼女が優しく微笑んで私の事を愛していると囁いてくれたなら、それを額面通りに受け取ってしまう愚か者だった。表情の裏に隠された真意も、自分がその返事を強要していることも、何も考えずにね。僕の三十歳の誕生日に、彼女が数人の警察官を伴って自宅を訪れるまで、それは続いた。非があるのはどちらだったか、それはもはやどうでもいい事だ。ただその時、僕の全てが裏切られた。僕の思いの全てが、嘘にされてしまったんだ」

「……詐欺師になったのは、その腹いせってわけ?」

「いや、その件に関しては円満に解決したさ。目玉が飛び出るような額の慰謝料も支払ってね。だがもう、僕には何一つ信じられるものがなくなってしまった。大きな過ちを犯しつつも、それに気付くことのなかった自分自身は、特にね」

「だから、あなたは……」


 連奈がそう呟くと同時に、近場より放たれた紫光が、馬乗りになった方のダブル・ダブルの頭部を的確に撃ち貫く。

 左腕のマニュピレーターを破壊された際、地面に落としたバリオンバスターである。

 本体からのエネルギー供給によって発射されるバリオンバスターであるが、エネルギーチャージが完了したままの状態で本体を離れたため、一射だけは可能な状態にあった。

 都合よく瓦礫の山に乗っていたこれを、連奈は遠隔操作によって発射させたのだ。

 射角の関係上、頭部しか狙うことはできなかったが、与えたダメージとしては大きい。

 押さえつける力が緩んだ今、連奈は一気にオルトクラウドを立ち上がらせた。

 そのまま、大きく距離を取る。


「……やっとわかったわ、あなたがどうしても騙したい相手が。そして、あなたのどうしようもない弱さも」

「いい声に戻った。そうでなくてはいけない。敵に向ける感情は敵愾心だけでいいんだ」


 連奈の冷たさを伴った声に、頭部が残っている方のダブル・ダブルに搭乗するエラルドは、満足げに答えた。


「そうさ……私がどうしても騙したかったのは、エラルド・ウォルフという、誰よりも不器用で、誰よりも弱い心を持った男だ。こいつは自分の存在そのものを全否定された気になって、もはや嘘を吐くことでしか、自我を保つことができなくなってしまったんだ」

「そうして、嘘に嘘を塗り固めて完成したのがあなたってわけね」

「この六年は本当に楽しかったよ。信じられないくらいの才能が自分の中に眠っていた。真実を幾ら積み重ねても手に入らなかったものが、たった一つの嘘で飽くほど舞い込んでくるようになったんだ。だから、危険を好むというのも間違いではないのさ。嘘というのは、それが嘘だと発覚してしまう危険と引き替えに対価を得る行為なのだからね」

「……それも“嘘”でしょ」


 その時、メインモニターに表示させていたオルトクラウドの武装リストの一項目が、使用不能の赤から使用可能の緑へと背景色を切り替える。

 ゾディアックキャノンの制御プログラムが更新を完了し、ようやく正常なものへと戻ったのだ。

 まるで、運命が連奈を誘うかのようなタイミングだった。

 連奈は震える右腕で、ゾディアックキャノンを発射する為の専用のグリップに手を掛ける。

 コンソール端に設けられた固すぎるスイッチをもう片方の手で押し込むと、オルトクラウドの全身が唸りを上げ、その中核たるメテオエンジンは最大の力を以て、連奈の精神を奪いに掛る。

 目の眩むような虚脱感と共に、各種計器類が異常な数値を示す。

 これでもう、後には退くことは出来ない。


「あなたは最低最悪の嘘つきよ。危険なんて望んでいない普通の人だから、そんな自分に嘘をついて危ないことをやるんでしょ。誰も殺したくない優しい人だから、そんな自分に嘘をついて大勢殺したんでしょ。私達……同じどころか似てすらもいなかったじゃない」

「共通点を並べ立て理解者のように振る舞う……それも詐欺師の常套手段さ。ただ、ああいう自分も悪くはないと思ってはいる。これは、嘘なんかじゃない」


 自動的に、ゾディアックキャノンの発射シークエンスが進んでいく。

 オルトクラウドの両肩から左右に伸びていた長大なキャノンユニットが九十度回転し、正面を向く。

 そして、先端部の保護装甲が上下に展開し、内部から円筒形の砲口か露出。

 エネルギーチャージが急速に進行し、ユニット後端から機体を溶かしかねない超高温の排熱が開始された。

 圧縮光子放射重砲、ゾディアックキャノン――――メテオエンジンが精神波を増幅変換することで生まれる膨大な光エネルギーに、機関部のレーザー発振機で更にもう一段階の増幅を加え、膨れあがった超常の光子を極限まで収束させた後に放つ、単純構造にして究極の射撃兵装。

 連奈はまだ、この武装をシミュレーターマシン以外で一度も使った試しがない。

 そのシミュレーターマシンにおいても、再現できるのは連奈のSWS値の半分以下の出力までだ。

 全力で打ち放てばどうなるか誰も知らない、そもそも全力に耐えうるかどうかすらも判らない。

 だが連奈は、そんな未曾有の破壊力を秘めたゾディアックキャノンに、限界まで集中させた精神波を注ぎ込むのを止めなかった。

 ダブル・ダブルを完全に消し去るために。

 そして、エラルドに貼り付いた厚き嘘の仮面を引き剥がすために。


「撃ちたまえ、連奈君。それを撃ってしまえば、もうオルトクラウドは全ての攻撃手段を失う。そうなれば撃墜は容易だ」

「無理よ……だってこの一撃は、絶対に命中するから」

「それは過信というものだ。いつ発射されようとも回避できるという自信があるからこうして待っていてあげているわけだし、防御手段だって幾らでも残されている。やはりこの勝負は私の勝ちだな」

「だから、無理なんじゃない……! あなたって人は、本当に、最後まで……!」

「君こそ、そんな嘘は辞めたまえ。まるで撃つのを躊躇っているようだ。引き返せないほどの刺激を求める君に、そんな顔は似合わない」


 ターゲットのロックが完了した時、茶化すように、諭すように、エラルドはそう告げる。

 それは、同情さえも許さない、人としてのラインを振り切ってしまった男の、最後の懇願だったのかもしれない。

 エラルドが何を考え何の為に行動していたのか、今は、その全てが手に取るようにわかる。

 おそらくは、世界の誰よりも――――


「……そうよね、今日は楽しいことばかりだったもの。だったら、笑って終わりにしないと」」

「私にとっては最悪の一日だったよ。何せ君に出会ってしまったのだから。人種性格年齢、何もかもが違うというのに、その長い黒髪だけは彼女によく似ているんだ。……まあ、これも嘘なんだけどね」


 だから連奈は、ゾディアックキャノンの発射グリップ先端に設けられたトリガーを一気に押し込んだ。



「――――さよなら、エラルドさん」



 連奈の独言に乗せて、オルトクラウドの両肩、左右二門のゾディアックキャノンは禍々しき光の奔流を世界へと解き放った。

 空も、海も、大地も、街も、一夜の思い出も、そして二体のダブル・ダブルも、正面方向に存在する一切合切を無限の白に呑み込み、オルトクラウドの全長を遙かに超えた大径の光が直進する。

 計測不能の光熱は万物を一瞬にして原子の塵へと昇華。

 余波はオルトクラウドの背後の空間にまで及び、何棟ものビルがいとも簡単に消え去っていく。

 光は数十キロ東方、紅海を横断した先のサウジアラビア沿岸までもを射程に収め、無人の荒野を僅かばかり焼き払ったところで徐々に力を弱めていった。

 抉り取られた数千万トン分の海水、その空洞に周囲の海水が押し寄せることで生まれた大津波は

 アイン・スクナを襲い、既に廃墟と成り果てた街から完全に復興の可能性を奪い去る。

 そこに唯一不動のまま立つことを許されたのは、オルトクラウドただ一機のみ。

 ダブル・ダブルの機影は、もう何処にも見当たらなかった。

 両肩の砲身はどちらも中央部から溶解して折れ曲がり、蒸発した金属煙が止めどなく漏出していた。


「目が醒めるような、いい刺激になったわ。これが戦い、これが勝利……」


 コックピットの中で、連奈は頬を伝う生ぬるい液体を拭いながら、何もかもが消え去った世界を眺め続ける。

 手に入れたものは、メテオメイル同士の戦闘における初の白星。

 残ったものは、途方もない喪失感。

 この結果に、これからの連合やオーゼスがどう動いていくのは、今はどうでもいいことだった。


「私以外が相手なら誰にも負けなかったのに……本当に、ついてない人」


 楽しい一時が終わってしまったことを改めて実感すると、連奈は自分の心に嘘をついて、意識が途切れるまで笑い続けた。

 それが、最期の最後まで嘘をつくしか出来なかった男への、連奈なりの手向けだった。


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