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第182話 風岩刃太(その5)

「……俺が話したいことは、これで全部だ。俺は、お前の誤解を解くことで、お前にもらいたかったんだ。それこそが、俺が受けるべき罰の、本来の形なんだからな」


 刃太は視線を真下に落としたまま、暗鬱たる表情で呟く。

 その瞳には確固たる意志の輝きが宿っていたが、目にした瞬は忌々しい表情になる。

 輝きといえど、その性質には二種類がある。

 刃太の場合は、後者――――失意と諦観に満ちた、仄暗さを伴う光。

 それを瞬なりの言葉で表現するのであれば、負の覚悟。

 瞬がこれまで倒してきたオーゼスの男達と同じ、弱さを煮詰めたことで完成する魂の強度だ。


「やっと納得がいったぜ。あんなに明るかったあんたが、こんなに真面目くさった野郎になっちまったわけが。要するに……間違いたく、なかったんだな」

「……そうだ。俺は、剣の道を極めたいなどという真っ当な理由で、鍛錬に没頭していたわけじゃない。本家の長男であることを意識して、品行方正にしていたわけでもない。俺が五年間続けてきた研鑽と矯正は、あの日と同じ過ちを、もう二度と繰り返さないためのものだ」


 本人に自覚はないのだろうが、刃太の背中を押したそれは、強迫観念に類するものだ。

 因果関係の把握に至り、瞬は言葉を失う。

 改めて思い返してみると――――当時、刃太が周囲から神童と持て囃されていた記憶は、ない。

 将来有望な若者の一人とされていた気はするが、良くも悪くも、その程度の扱いだったはずだ。

 若くして筆頭剣士の称号を得てしまうほどの超人では、なかったはずなのだ。

 だが、あの日の出来事が、刃太を変えてしまった。

 失敗することへの並々ならぬ恐怖により、ひたすらに完璧を追い求める修羅と化してしまったのだ。


「俺は未だに、かつての俺のことを許せていない。そして今後も、許すつもりはない」


 その一言は、刃太の生き様を端的に表現していた。

 成功への執着よりも己の練磨に意識を向ける者はいるだろうが、刃太の場合は、その優先度が極端すぎるといえた。

 時折振り返って自らの歩みを確認するどころか、常に後ろ向きのまま歩いているにも等しい。

 しかし、刃太はそんな危険な姿勢のまま、ひとまずの頂上に辿り着いてしまったというわけだ。

 その意味において、風岩刃太という男は、やはり天才であったと言わざる得ない。

 ただし、尋常ならざる執念によって目覚めた、本来持っていたそれとは別種の才能だが。

 今ならば、理解できた。

 刃太がどれだけの勝利を積み重ねても、その表情から、達成感や充実感と呼べるものを微塵も感じ取れなかった理由を。

 勝利のみならず―――――地位も名誉も、勝利に付随する一切合切が。

 刃太にとっては、いつの間にか手にしていたものにすぎないのだ。

 刃太の最後の白状を以て、ようやく瞬の中で、脳内に散在する全ての情報が一本の線で繋がったような気がした。


「殴られる覚悟は、できている。お前がわざわざ貴重な時間を割いて、最後まで話に付き合ってくれたのは、多少の見返りを期待していたからだろう。しかし俺は、お前の辛抱に見合うものを用意できなかった」

「兄貴……」

「そしてそれは、今回に限ったことじゃない。俺は昔からずっと、お前の期待を裏切り続けている。身の丈をわきまえずに応えようとして不要な期待を抱かせ、その度に失敗するという、一番タチの悪い形でだ」


 兄らしくありたいという思いだけが先行して、ひたすらに空転を続けている――――

 それが、風岩刃太という男の現状だ。

 言葉にすればひどく滑稽だが、刃太の側からすれば、それは途方もないほどの重罪。

 自分の軽率な行動が瞬から何を奪ったのかを、瞬以上に大きく見積もって、その重さに押し潰されている。

 どころか――――自ら押し潰されることを望んでいる。

 それこそが己の務めだと、思いたがっている。

 弟の前で、そんな惰弱な姿を晒す刃太に対し、瞬は呆れることも憐れむこともしなかった。

 それ以上に、気に入らないという感想が先に立ったからだ。

 勝手に話を進めて勝手に話を終わらせようとする、その身勝手さが瞬の癇に障ったのだ。

 無論、このまま刃太の逃亡を許すつもりはない。

 幸いにして瞬は、こういう手合いに対する有効手段というものを熟知していた。


「……そうだな。あんたのやってることはただの独りよがりだ。こっちのことをなんも考えてねえで、結論出して、しかも無駄に行動力はあるもんだから手に負えねえ。今日聞かされたことだって、今更知ったところでどうしようもねえ、余計な情報のオンパレードだったぜ」


 瞬から直々に指摘を受けたことで、刃太の表情はますます険しいものとなる。

 放っておけば、刃太は自責の念に満ちた己の世界に、より深く没入することになるだろう。

 だから瞬は、刃太の意識を引き戻すために、わざと踏石をサンダルの踵で叩いてみせた。


「でも、聞かなきゃよかったとは思わねえ。来なきゃよかったとも、思わねえ」


 それは、場を繋ぐためだけの世辞ではない。

 言い切ってしまえるだけの根拠を伴った、偽らざる本心だった。

 揺るぎない自信を瞬の口調から感じ取ったのか、だからこそ刃太は返答に迷う素振りを見せる。

 その瞬間を好機として、一歩踏み込むようにして、瞬は言葉を続けた。


「本当のことが、二つある。一つは、あんたがようやく口を割る気になってくれたことだ。あんたがどんな腹づもりだったとしても、実際に動こうとしただけ、今までの百倍いい」

「完全に停滞していたんだ。倍という表現では、不適格だ」

「重箱の隅をつついてんじゃねえよ。それで、もう一つは……ああ、えっと」


 瞬はそこで、らしくもなく言い淀んでしまう。

 どれほど格上の存在であろうと、どれほど畏怖すべき存在であろうと。

 怯えることなく、よく考えもせず、自分の都合を一方的に喚き立ててきた風岩瞬が。

 口にすべき台詞の用意ができていながら、それを発することをためらう。

 その事実に、瞬自身激しく動揺するが、しばしして原因の究明に至る。

 今度は、瞬が試されているのだ。

 己の弱さを超克し、一歩を踏み出す勇気を。

 難敵揃いの過酷な戦いの中で、幾度も自分を見つめ直してきた、この八ヶ月の成果を。


(そうだよな……どんなに強くなろうが、ここで証明できなきゃ、なんの意味もねえんだ)


 その結論に至ったとき――――瞬は、全身に澄み渡っていくような感覚を覚えた。

 五感が研ぎ澄まされるのとはまた異なる、どちらかといえば精神面の浄化。

 思考の正常な循環を遮っていた不純物が、押し流されていったかのような気分。

 つまりは、これが――――これこそが、瞬がずっと追い求めてきた答えだということだ。

 屈託を乗り越えるための準備が、今ようやく完全に整ったことを確信し、瞬は拳を握り込む。


(オレが培ってきたのは、全部、このときのための……)


 天啓が降ってきたわけではない。

 誰かに諭されて覚えた一般論でもない。

 瞬が、自身の経験をもとに、自力で到達した真理。

 もう、自分の思いを言葉にすることについて、迷いは微塵もなかった。

 意志の力で塗り潰すどころか、迷うという選択肢そのものが消え去っていた。

 もはや、そういう段階でもないということが、いま改めて


「もう一つは……昔がどうあれ、今のあんたの剣の腕は、間違いなく凄えってことだ。あの頃と同じミスなんて絶対やりそうにないくらい、上達してるじゃねえか。オレが羨ましがるくらいに、ちゃんと強くなってんじゃねえか……!」


 屈辱という名の抵抗を受けながら、それでも強引に押し出すようにして――――瞬はとうとう、自らの口で認めた。

 刃太の力量を、刃太の前で、刃太のために。

 そうすることで、瞬のわだかまりは解消されたが、かといって気分が晴れたわけではない。

 瞬の顔面には、数ヶ月前、祖父に対して頭を下げたときと同じ、悔しさを由来とする灼熱が広がっていた。

 自分の本心に向き合えるだけの器になったとして、それを心穏やかに受け止められるかどうかは、また別の話だということだ。

 ただ、その熱が自らの土台の一部になっていく手応えを感じたのも、また同様であった。

 割には合っているのだろうが、精神的な苦痛もまた大きい厄介な取引だと、瞬はつくづく思う。


「……だからもう、そんなウジウジしてんじゃねえよ。オレが保証するってことは、もうは終わりだってことだ。違うか?」


 照れながら、呆れながら、憤慨しながら。

 入り混じる複雑な感情をそのまま反映したような表情で、瞬は刃太を視界の端に捉える。

 瞬直々の称賛によって、身にまとう暗鬱とした雰囲気は、幾分か薄らいだようには見えた。

 だが刃太は、口元を固く結びなおす。

 その仕草からは、霧散しかけた闇を、再び自分の元へ寄せ集めようとする意図が感じられた。


「お前に剣の腕を認めてもらったことは、素直に嬉しい。だが、俺自身が、まだ納得できていない。どうしても、自分の技術に対する疑念が晴れないんだ。それに……」

「なんだよ」

「俺の失態が、お前の可能性を奪ってしまった事実は、どのみち変わらない。終わったことにはできないし、ならないんだ。だから俺は、これからも……」

「……くっだらねえ。どっちも、くだらねえな」

「瞬……?」


 刃太は、瞬の発言の意図をはかりかねているようだったが、無理はなかった。

 本来は侮蔑の意味合いが強い言葉であるにも関わらず、瞬の声色は軽快そのもので、口元には不敵な笑みさえ携えていたのだから。

 どこまでも意固地な刃太の、その態度に対する揶揄も含んだ笑いではある。

 ただ、主たる部分は違う。

 もっと単純に――――自分達の、壊滅的なまでのすれ違いぶりが馬鹿馬鹿しくて、笑っているのだ。


「だんまりを決め込んでたのは、お互い様だったな。オレがあっちでなにをやってきたのか………そういえば、あんたに話したことは一度もねえ」


 よくよく考えれば、l連合とオーゼスが繰り広げる戦いにおいて、刃太は完全な部外者だ。

 “パイロットとしての風岩瞬”については、なにも知らないに等しい。

 だから刃太は、自らが傷つけたかつての瞬や、剣への興味を失ってしまった最近までの瞬を参照して話を展開せざるを得なかったのだ。

 それこそが、瞬が感じていた不服の正体。

 今の自分を、刃太の視界にねじ込むことこそが、瞬が最優先でやるべきことだったのだ。


「まず……オレから可能性を奪ったってのは、それは、あんたの思い上がりだぜ」


 刃太とは対象的に、床に両手をつき、天を仰ぐような姿勢で瞬は言った。


「あの日を境に、確かにオレの道は、あらぬ方向に逸れちまったのかもしれねえ。だけど結果から言えば、大損どころか大儲けだ。ずっとこんな狭っ苦しいところで修行してた、“いたかもしれねえもう一人のオレ”よりも、オレの方が百倍強いって言い切れる」

「お前は、そんなにも過酷な戦いを……」


 心情をおもんぱかるような刃太の視線を感じて、瞬はまたしても吹き出す。

 生死をかけた戦いに臨んでいる者が豪語する“強さ”となれば、心身を極限まですり減らして得たものと想像するのが普通だろう。

 実際、幾多の死線を潜り抜けてきた結果として、瞬はここにいる。

 だが――――瞬はその過程において、自身のなに一つ、差し出してなどいない。

 もとより差し出すつもりもなかったが、そんなやり方が通用する戦場でもなかった。


「笑っちまうくらい酔狂で、ぶん殴りたくなるくらい鬱陶しくて、でも、ついつい格好いいと思っちまうくらい一本筋が通ってて……敵も味方も、そういう奴らばっかりのところで、オレは戦ってたんだぜ。張り合うためには、オレもそういう風になるしかなかった」


 自分が自分であることを譲らぬ者が勝者――――それが、あの荒唐無稽な戦いの根幹を成す絶対のルール。

 そのルールにおいては、身体能力や戦闘技能を高めること以上に、自分自身の願望に対してどこまでも忠実である必要があった。

 他人から教わることでは得られない、自分で勝手に得るしかない、精神の強さ。

 その価値は、くすぶり続けた五年間の損失を補って余りあるものだった。


「……そうか、は」


 もう、そこから先の説明は必要ないようだった。

 刃太が、先程までとは異なる性質の微笑を漏らす。

 より具体的に言うのならば、相変わらず自嘲めいてはいたものの、そこに陰鬱とした空気は感じられない。

 瞬と同様、自分自身の間抜けさがおかしくて仕方がないという風に見えた。


「……俺は、つくづく馬鹿な男だ。そんなことさえ考えられないほど、もうずっと、に意識を向けることをやめてしまっていたんだからな。だとすると、もう一つの懸念も俺の思い上がりか……」

「そうだぜ。二度とオレを傷つけねえような、完璧な剣捌きができるようになりてえなんて、どこまでオレを舐めてんだって話だろ。圧勝することが前提なのかよ? 謙虚なふりして自信満々じゃねえかよ」

「そういうわけじゃあ……」

「まあ、こればっかりは、直に思い知らせてやるしか方法はねえよな……」


 言うなり、瞬は二の腕で体を押し出すようにして、庭先に出る。

 そして、現在時刻のことなど意にも介さず、堂々とした歩みで砂利を踏みしめながら、刃太の正面へと回り込んだ。

 絶対に敵わない存在と決めつけ、ずっと逃げ続けてきた男の――――

 理解に及ばない存在であると決めつけ、干渉を諦め続けてきた男の――――

 その、正面に陣取る。

 この位置に立つことが、風岩瞬の本当の願い。

 セイファートと共に駆け抜けた八ヶ月は、言ってみれば、願いの正体を見極めるための旅のようなものだ。

 否、旅と呼べるほどの風情は微塵もない。

 スケールの大きな家出と表現する方が、はるかに相応しかった。


「オレは別に、凄腕のパイロットを目指しているわけじゃねえ。戦果を挙げて、英雄になりたいわけでもねえ。なれたらなれたでいいけども、どっちも、優先順位はそこまでだ」


 パイロットになったばかりの頃、誰しもに吹聴していた自らの主張を、瞬はこともなげに取り下げる。

 大体、その言葉を真に受けていたのは一時期のメアラくらいのものだ。

 それが瞬の本意でないことは、言動や行動の薄っぺらさから周知の事実だったように思うし、瞬自身も信じきれていなかった。

 そんな嘘未満の言葉でも、心に区切りをつけるため、自分の言葉で明確に否定の意を示す必要性を瞬は感じていた。

 同時に、それらに代わる、真の最優先事項を心に刻む必要性も。


「認めさせたいのは剣の腕で、認められたい相手は、あんただ。それだけだったんだ」

「瞬……!」

「だからオレは、この戦いが終わったら、いずれあんたに挑むつもりでいる。……いや、いずれじゃねえ。すぐにでもだ。あっちでの仕事、全部ぶん投げてでも帰ってやる」


 向けられた、生気の宿った視線に、瞬は自分の言葉が刃太の深奥に届いたことを確信する。

 実力による、風岩刃太の打倒。

 それこそが、刃太が自らにかけてしまった二重の呪いを解く、唯一の方法だ。

 瞬の可能性を奪ってしまったことも、瞬を傷つけることを恐れて完璧な技量に固執することも。

 どちらも、負ける側が気にすることではないのだから。

 この所信表明にして宣戦布告を以て、瞬の世界を股にかけた家出は、ようやく終わりを迎えることができた。


「いいだろう、受けて立つ。……だが、仕事はちゃんと片付けてからにしろ。本当の動機がどうあれ、お前は引き受けてしまったんだからな。全人類を守る、メテオメイルのパイロットという役目を」


 やがて、重りが外れるかのように、刃太の上体がゆっくりと持ち上がる。

 そこにあったのは、引きつったようにも見える、不器用な綻び方をした表情。

 どうやら刃太は、この五年の間に、表情筋の緩め方をすっかり忘れてしまったらしい。

 せっかくの空気が台無しになるほど見るに堪えないものであったが、それは、刃太がかつての熱を取り戻しつつある確かな証拠だ。

 らしくもなく感極まりそうになっていた瞬にとっては、逆に、そうしてくれる方がありがたかった。


「嬉しそうな顔してんじゃねえよ。オレはあんたに褒められたいわけじゃねえ。この場合の“認めさせる”ってのは、“ぶっ倒す”ってことだぜ」


 瞬がそう釘を差しても、刃太の表情から歓喜の色が失われることはなかった。

 むしろ、食ってかかる度に、血色が良くなっていくようにさえ見えてしまう。


「わかってるさ。だけど、それでいいんだ。……それが、いいんだ。大きくなったお前と真剣勝負をすることが、俺の望みだったんだからな」

「負けるつもりは毛頭ねえって顔だな」

「ああ。筆頭剣士であり続けることに執着はなかったが、お前にその座を奪われる光景を想像してみたら、無性に惜しくなってきた。だから、全力で死守させてもらう」

「言うじゃねえかよ……!」


 つまらない言い合いを、またできるようになったことが、驚くらいに楽しくて。

 瞬と刃太は、いつかのように、無邪気に笑い合う。

 そんな中で、瞬は、気付く。

 この五年間、徹底的に直視を避けていたはずの刃太の顔を、今は自然と目を向けていられることに。

 先程からずっと、視えるものをどこか新鮮に感じていたのは、そういうわけだったのだ。


(そんな面構えだったっけな……)


 瞬は、うすらぼんやりと記憶に残っているかつての刃太と今の刃太を、頭の中で重ね合わせてみる。

 十五歳の少年が、二十歳の青年になったのだから、もはや輪郭さえもが以前とは異なっていた。

 そして、昔はあちらこちらに飛び跳ねていた癖の強い髪も、今は短く整えられて年齢相応の落ち着いたものとなっている。

 だが――――喜楽の感情を露わにすると、生意気そうな印象が顕著になるところだけは、全く変わっていない。

 眉の形や口角の上がり方が、悪巧みをしている子供のそれにしか見えないのだ。

 そしてその感想は、瞬自身も、友人からたびたび告げられることである。

 やはり兄弟だからだろうか、特徴的な部分は随分と似てしまっているようだ。


「まあ、オレの方がかっこいいけどな」

「……?」


 瞬は自信満々に言い放つと、改めて夜空を見上げ、目が痛くなるほどに煌めく満天の星をしばし眺めた。

 背の高い木々に囲まれたこの家からでは、どうせまともに見えはしない思いこんでいたが――――どうやら、そんなことはなかったらしい。

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