作品解説 その2
『シーリーコート伝承』はアルファポリスさんのファンタジー小説大賞に落選してしまいましたし、久しぶりにちょっとした作品解説をしたいと思います。
※ ネタバレあり、注意
「序章」と「シーリーコート」と「終章」
要するには、今生のシーリーコートである相原ケイヤがいかにしてシーリーコートになったかというお話です。
それなりに長編としてまとめておきたいと思っていたので、こういう形にしました。
ケイヤは「チェンジリング」以外でのすべてのシーリーコートとなります。
「チェンジリング」の彼はそのあとしばらくしてある事件に巻き込まれて消滅してしまいます。
そのため、わずかに性格が違い、ケイヤよりもやや硬いです。
ちなみに、ケイヤの設定はわりと後付けで、第二期執筆時に考えたものが中心となっていますので少し辻褄があっていないところもあります。
書籍化したら直そう、などという傲慢なことを考えていました。
反省。
あと、ギルデンスターンとローゼンクロイツを出した以上、ハムレットも出したかったのですが、それは別の作品に回したいと思います。
「川澄アキナの撞球決戦」
これは、人間が妖精―――というか怪物に翻弄されずに打ち倒すことも往々にしてあるという人間讃歌をテーマにしています。
そのため、川澄アキナという厄介極まる人類の決戦存在を用意しました。
本来ならば、もう少し人の範疇で努力の果てに勝つのが理想なのですが、きゅぴーんと浮かんできた彼女の雄々しさについ惹かれてしまい、あんな形になりました。
ただ、問題なのは短編で表記するには彼女の個性が強すぎてとても閉口したといところですね。
シリーズ向けの人材ですから。
もっとも、アキナの話はもう書かないと思います。
少なくともシーリーコートには出ないでしょう。
ビリヤードは実は私の趣味の一つなので、いつか書いてみたいと思っていたのですが、なかなかうまくいかないものです。
これはサッカーを小説にすることが難しいのと同じですね。
やはり図が必要なものは描写するための実力が必要だということです。
おかげでとても苦労しました。
「聖贄女のユニコーン」を10万字書いている方がよっぽど楽です。
シーリーコートの短編はみんなそんな感じなので、とても大変ですが、これも実力アップのためだと思えばなんてことありませんが。
「幸福商人」
妖精によって不幸になる人の話という、シーリーコートでよくあるパターンです。
本来はシーリーコートを出す予定はなく、「幸せ売ります」という謎の青年がでてくる掌編のはずだったのですが、ちょうどいいので「伝承」に組み込みました。
「ある発火能力者の悩み」や「血袋くん」などのほのぼの系ばかり書いていると思われているかもしれませんが、実は私はバッドエンドも書ける人なのです。
若い頃はそんなのばかり書いていました。
エレコーゼサーガとか大好きです。
どや?
という感じで、解説その2は終わりです。
「シーリーコート伝承」については感想をもらえない傾向があるので、もう好き勝手やることにして色々と趣向を凝らすようにしています。
なろうでは受けない要素ばかりですし、開き直りの極致です。
ただ、スコッパー速報さんにまた紹介していただいたおかげでブックマークしていただける人が増えたのでとても感謝しています。
商業になってしまった「聖贄女のユニコーン」と違い、こちらは高校の時から長く続けているライフワークみたいな作品なので、少しでも誰かに読んでいただけるならそれでいいです。
じゃあ、なんでファンタジー大賞に応募したんだというツッコミもあるでしょうが、それはそう「目立つため」なので勘弁してください。
それでは、また、別のシーリーコートの短編でお会いしましょう。
今のところ予定しているのは「ジャック症候群」と「コティングリー妖精事件を追え」のどちらかですが、たぶん来年になると思います。