脇路プロローグ
できれば感想を頂きたいです
物語とは起伏を促すために『フラグ』というものが存在する。
『フラグ』とは、日本語で目印等の意味であるが、この場ではコンピュータ用語の条件の意味をもじった造語的な条件の意味である。
誰もが納得するであろう例え話をすると、『学校に遅刻しそうになり、急いで登校している途中で見知らぬ美少女と衝突してしまう』という条件が揃ったとき、高確率で『その美少女は転校生で、自分のクラスに転入してきた』という結果が帰ってくる。
きっとその後はラブコメ的な話になることは置いておいて、なぜ今更こんな話をするかを語っておこう。
それはズバリ、僕はそんなラブコメでファンタジーでアクティブなことが好きな属に言う中二病であるからだ。
しかしながら、自分は主人公になれるほど素直な性格は持ち合わせていないし、与えられた環境も特別なものなんて無いに等しい。
更に言うと、平和を望んでいるわけでも過失があるわけでもない。
つまるところ、主人公になるためのフラグが立っていないのだ。
物語にはハッピーエンドの他にもバッドエンドなるものが存在するため、世間に臆病で狡猾なオレは無理にでもフラグをたてようとも思わない。ましてや警察に捕まって刑務所行きなんてバッドエンドだけには遭遇したくはない。
そんな無意味な葛藤を抱き続けた僕は高校2年生に進級つつも、とても単純なことに気がついた。
中二病を患っている僕は、創作された物語が好きだ。
要するに、他人が恋に戦いに友情に思い悩んでいる姿を見ることは好きなことに部類される。
ならば、僕は他人のフラグを立てるお手伝いをしよう。
その結果を間近で見学して楽しんでみよう。
強がりではなくハーレムが欲しいとは思わないし、物語の脇役は色々と美味しいポジションでもある。
今日から僕は脇役になり、フラグのソムリエでも目指してみよう。
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この時、僕は自分が視点的主人公になっているとは思いもしなかった。
閲覧ありがとうございました