能力主義世界
この世界は能力主義だ。人々は生まれながら能力者と無能力者に分けられる。能力者は普通の生活を送り、無能力者は淘汰される。そんな世界だ。
俺は柳雪。能力者だ。春風学園に通うこととなった高校一年生だ。春風学園、この世界に存在する能力者育成をしている学園の中でトップ3に入るほどの名門校だ。卒業した能力者は今後の人生の成功を手にするとまで言われるほどだ。今日は春風学園の入学式が行われる。それと同時にクラス分けも行われるのだ。このクラス分けがかなり重要になってくる。春風学園は3年生まであり、クラスもA~DそしてSが存在している。そのクラス分けはその人物の能力で決められる。Dはある程度強い能力、Cは重火器レベルの能力、Bは一軍隊と同レベルの能力、Aは国を相手にしても互角で戦えるレベルの能力、Sに関しては一国では手に負えない、または世界規模に影響を及ぼす能力となっている。だがこれにも例外は存在する。戦闘面では弱いが別の面では強い能力などはこの分け方ではない。そういう能力は学園側が判断してクラスを決めているらしい。各いう俺も戦闘系の能力ではない。
そんなこんなで俺は学園の中に入り体育館で入学式を受けていた。普通の入学式、内容なんてそこら辺の学校と変わらないだろう。そして入学式が終わるとクラス分けが発表された。全員緊張しながら見ている。俺はそんな人混みをかき分けて自分の名前を探す。Dにはない。C、Bにもない。そしてAにもなかった。俺は恐る恐るSのクラス表をみる。そこには柳雪の名前が書かれていた。俺は絶望した…
俺は重い足取りでSクラスの教室に来ていた。周りは全員オーラを発している。それはそうだ。全員が世界に影響を及ぼすレベルの能力を持っているのだ。そんな奴らが普通なはずがない。そして俺は空いてる席に座った。すると隣の女の子に声をかけられた。
???「ねぇ、あなたは本当にSクラスなの?」
雪「は?」
何とも失礼な奴だ。ここにいるから当たり前だろ。そう言いたくなる。
???「あなたからは周りの人たちみたいなオーラを感じない。」
雪「まあ、そりゃ、俺は戦闘系の能力じゃないしな。」
???「え?戦闘系じゃないのにS?更に怪しい。」
当たり前の感想だろう。この学園は先ほど言った通り戦闘面が評価されやすい。そんな中、戦闘系以外がSクラスに入るのは中々難しい。そんな俺のことを疑っている目の前の女子はなんらおかしくはない。すると教室の扉を開き一人の女性が入って来た。
???「全員席に着け。」
そう言われると全員がそれぞれの席に座った。当たり前だ。だって今目の前にいる人物は・・・
???「知っているとは思うが、私はこの学園の学園長にして、この国の最高戦力、そしてこのクラスの担任、春風美並だ。」
春風美並、この国の最高戦力。いや、世界規模で見てもかなり上位…トップ5には入るだろう。そんな人が何故学園を?と誰もが思うかもしれないが、それは彼女が同等の戦力を生みだすためだったりする。
美並「今日は顔合わせがメインだ。全員適当に話していればいい。帰ってもいいぞ。あと…」
美並は俺の方をみて
美並「柳雪、お前は学園長室に来るように」
・・・
俺は再び重い足取りで学園長室に向かっていた。ノックを二回して名前を言う。すると中から「入っていいぞ」と返事が返って来た。俺はすぐに扉を開き中に入った。中はシンプルな作りだった。真ん中にある机には山のように書類が置いてあった。
美並「まさか君がこの学園に来るとはね。こういう学びの場は君には不要だろ?」
雪「そんなことはありません。」
美並「あー、能力で外からは聞かれないようになってるし、いつも通りでいいぞ?」
そう言われたので俺は肩の力を抜く。
雪「はぁ、そんなことより、なんで俺がSなんだ?」
美並「お前はS以外が良かっただろうがさすがにお前の正体を知っている私としては他のクラスに行かせるわけにもいかなくてな。」
雪「で、俺がいるからお前が担任なのか?」
美並「そういうことだな。お前が居なければSクラスの担任なんてしてない。私にはSクラスの担任なんてしてる暇はないからな。だが、お前はSクラスですら低いと思うレベルだし、さすがにこれは私がやらないとな」
雪「そうかい…で、話しはもうないのか?」
美並「おい、最初の答えを聞いてないぞ?なんでこの学園に来たんだ?」
雪「うーーーん…暇だったから」
美並「はぁ…過去、軍内では神って呼ばれてた人物とは思えないな」
雪「過去の話だろ。もう軍人じゃないからな。俺もお前もな」
美並「そうだな。話は以上だ。帰っていいぞ」




