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没作品集  作者: ゆっきー
8/18

超越し者

 人という生物は己のことを強いと思っている節がある。他の生物より少し賢く、他の生物より少し理性が働き、他の生物より探究心が強い。それだけで人は生物の頂点かのように過ごしている。だが、それは間違いである。超越した存在からみれば人など塵と変わらない。だから今、世界は滅亡へと向かっている。


 私は花咲澄玲(はなさきすみれ)、ごく一般的な高校生である。今日も普段通りに学校に向かう。見慣れた風景、代り映えのない世界、どこか刺激の足りない毎日を過ごしていた。あの瞬間までは…


 学校にたどり着き、数分が経つとHRのチャイムが鳴る。私は友達との会話を終えてすぐに席に着く。その瞬間だった。けたたましい音と共に私の視界は暗転した。


GAME OVER


 私の視界が戻るとそこは通学路の途中だった。何が起きたのか分からなかった。私が混乱していると急に私の目の前に青色のウィンドウが現れる


_________________________

Mission1


■■■■■■■■■の降臨を阻止せよ

詳細:■■■■■■■■■が○○○○○○○○○○にて降臨。降臨後5分で世界は崩壊し、生命体は消え去る。


クリア条件:■■■■■■■■■の降臨を阻止する。


勝利報酬:次の災害へのヒント

敗北ペナルティ:今周期の死亡・今周期の世界の崩壊

___________


ほとんど読めない。何が書いているのか分からない。ゲームのやりすぎで頭がバグったのだろうか?そんなことを考えていると無意識に時計が目に入った。時計はすでに7:58を指している。HRは8:00から。確実に間に合わない。私は諦めて歩きながら向かうことにした。そして学校のすぐ近くまで来た瞬間だった。再びけたたましい音が鳴り、視界が暗転した。


GAME OVER


 私は再び通学路に立っていた。私はその場で嗚咽する。周りの通行人の1人が私に声をかけてきているらしい。だがその声もよく聞き取れない。今、確かに死んだ。最初の時より死んだ感覚がある。何故死んだのかは分からない。だが確かに死んだのだ。混乱と恐怖、私の脳は限界を迎えていた。そして先ほどと同じように青色のウィンドウが現れる。1つ違うのは読めなかった部分が少し読めているという点だ。

_________________________

Mission1


■■■■■■■■レの降臨を阻止せよ

詳細:■■■■■■■■レが○○○○○○○○公園にて降臨。降臨後5分で世界は崩壊し、生命体は消え去る。


クリア条件:■■■■■■■■レの降臨を阻止する。


勝利報酬:次の災害へのヒント

敗北ペナルティ:今周期の死亡・今周期の世界の崩壊

___________


 『なんなのよ…これ』


いままでのことでなんとなくわかった。私は8:00になるまでに何者かの降臨を阻止しなければならない。今は7:50、あと10分しかない。私はその場から逃げるように立ち去った。走りながらスマホを操作する。マップを開き《公園》を調べていく。移された公園は4か所、10分で4か所は不可能だ。死を覚悟していかなければならない。走ったせいか、はたまた恐怖からか。私の足は震えていた。私はそれを紛らわせるかのようにイヤホンを耳につけて音楽をかけて走り出す。一つ目の神橋公園…何もいない。そこについて私は1つ思った。降臨する場所かどうかはどこで判断ができるのだろうかと。もし降臨するまで変化がないのなら私にはどうこうすることは不可能だ。じゃあ降臨するまで待つべきなのか?それでは最低でも1回から4回は死ななくてはならなくなる。


 『どうすれば…』


私が諦めムードに入っていると、1人の男子が走ってこの公園に来ていた。


 「ここでもないのか?」


息を切らしている。服装を見る限り、私と同じ学校の生徒らしい。その瞬間だった。再びけたたましい音が鳴り響く。そして私の視界は暗転した。だが、その直前、彼の声が聞こえた。


 「またかよ…」


GAME OVER


 私はすぐに走り出した。次の公園へ。その途中でウィンドウも現れる。


_________________________

Mission1


■■■シン■■レの降臨を阻止せよ

詳細:■■■シン■■レが○○○○○○○○公園にて降臨。降臨後5分で世界は崩壊し、生命体は消え去る。


クリア条件:■■■シン■■レの降臨を阻止する。


勝利報酬:次の災害へのヒント

敗北ペナルティ:今周期の死亡・今周期の世界の崩壊

___________


 私は次の公園にたどり着いていた。葉墨公園、この近くでは一番有名で、一番大きい。私は辺りを見渡す。すると前回と同じ男子がいた。私は彼に声をかける。


 「君?もしかして…降臨と関係ある?」


はたから見れば変人だ。いきなり声をかけてきたと思えば意味不明なことを言ってくる。かなり怖いと自分でも思う。でも今はこれが一番重要だ。本音を言うと彼が関係していて欲しいと思っている。


 「君もループしているのか?」


やっぱりだ。前回のセリフからなんとなくわかっていた。やはり彼も私と同じループに閉じ込められている人物の1人だ。


 「やっぱり!私は花咲澄玲!」


 「俺は山本蓮司(やまもとれんじ)。こんな時だがよろしくな!」


そんな自己紹介を終えた瞬間けたたましい音がなる。蓮司は咄嗟に声を出す。


 「次の周期では春山公園に来てくれ!!!」


その声を聞いた瞬間、視界は暗転した。


GAME OVER


 私はすぐに走り出す。開始時間は45分、つまり猶予は15分、春山公園は今の私から一番遠い場所にある。その公園は桜がキレイで春になると花見に来ている人で地面が覆いつくされるレベルだ。私は走ってそこに向かう。


肩で呼吸をしながらそこについた。今は秋、さすがに人は少ない。私が息を整えていると蓮司の声が聞こえた。


 「おーい!こっちだ!」


 「よかった…聞き間違えじゃなくて…」


 「そうだな…でもここでもないのか…そうなると…」


 「嵐逆公園・・・」


嵐逆公園はそこまで大きな公園じゃないが、小学校や中学校が近いため、よく子供たちの遊び場として使われている場所だ。今の時間はすでに56分、急いでも嵐逆公園に着く前に死んでしまうだろう…


 「今周期はここまでか…」


 「そうっぽいね…」


そして四分後…視界は暗転した。


GAME OVER


 私は急いで嵐逆公園に向かう。途中で蓮司と合流、2人で嵐逆公園に着くと変な集団が何かを唱えている。


 「「「降臨したまえ…ローシン・ティレ様…我々をお導きください…」」」


 「あいつらを止めるぞ!」


 「うん!」


すぐにわかった。あれが今回の元凶だ。あれを止めれば私たちのループも止まるはず!

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