魔王さんは働く
「来い!勇者よ!貴様を倒し人間どもを絶望のどん底へと落としてやろう」
「舐めるな魔王!俺はみんなの思いを胸にここまでやって来たんだ!負ける訳にはいかない!」
「脆弱な人間ごときが……気持ちが力の差を埋めると思っているのなら、真っ向から否定してやろう」
魔生期189年、魔族のトップと人類のトップが正面衝突した。その戦いは永く続き半年間の戦いの末……
「我の勝ちだ……人間にしては頑張った方だが……所詮人間だったな……」
「ク……ソが……俺には……使命が……」
「ふぅ……使命か。その程度の感覚で我と戦い勝てると思い上がっていたと思うとなかなか……舐められたものだな」
「はぁ……はぁ……」
「既に呼吸も苦しかろう……死ぬがいい」
そして魔王は勇者の心臓を魔法で貫いた……
・・・
「これが現在の魔族に伝わっている話になっています。」
「そうか……相当盛られているな。」
「はい。そう思います」
現在魔生期1203年、あの戦いから1014年もの時間が過ぎた。
「勇者と我が半年間も戦ったか……嘘では無いのだが……」
・・・
「待ってくれ!魔王!」
「なんだと?なぜ待たねばならん。我の命を奪おうとする害虫を殺すことをなぜ待たねばならんのだ?」
「近くまで王国の軍が来ている。俺を倒したところで兵士たちが待っている。なら同時に相手した方がいいと思わないか?」
「思わない!……だがいいだろう。軍と勇者を同時に倒したとなれば人類も絶望し我らの行動に不満も何も出なかろう」




