ゴブリン当主
「離してよ!」
私たち4人はゴブリンに捕まっていた。女性のみで構成された冒険者パーティーだったのもあってか殺されずに済んでいるが、ゴブリンは性処理道具として人間の女を使う。このままでは私たちはこいつらの性奴隷だ。でも逃げることはできない。武器は取り上げられ、周囲のゴブリンの量も15体程度、どれだけ頑張って倒しても3体が石の山だろう。どうにかできないかと思考を巡らせていると、周囲のゴブリンが一気に静まり返り、全員が同じ方向に首を垂れている。私たちもその方向を向く。そこに現れたのは2匹のゴブリン、しかも片方はかなり珍しいメスのゴブリンだ。そしてもう1匹、雰囲気でわかる。こいつここのボスだ。
『どうする…このままじゃ性のはけ口にされた挙句殺される…』
そんなことを考えているとそのボスらしきゴブリンが他のゴブリンに何か命令をしている。抗議をしているらしいが…結果はボスゴブリンの勝ちらしい。他のゴブリンはこの部屋から出て行った。するとボスゴブリンが口を開く。
「あーあー、この言語なら、君たちと会話ができるかな?」
私たち4人は驚愕の表情をしていた。なぜならゴブリンが人間の言葉を使って話しかけてきたからだ。通常、魔物は人間の言葉を使えない。理由は理解するほどの知性がないからだ。進化すれば知性も上がり、限りなく人間に近しいレベルで言葉を使うものも多い。だがゴブリンでそんなことができる存在がいるなんて聞いたことがない。
「ふむ、この言語は間違えだったか?」
「いえ、その者たちの表情から察するに、言語自体は合っていると思われます。しかし、その者たちは、我々がこの言語を使える理由がわからず、混乱しているものだと思われます」
もう1匹のメスのゴブリンも人間の言葉…ガルム語を使い始めた。ガルム語はかなり使い勝手がよく、いろんな国で使われている言語だ。だからと言ってゴブリンが使えるほど簡単と言うわけでもないはず…完璧なイレギュラーだ。
「少々理解に手間取っているらしいが、話を始めさせてもらおう」
急にそいつは言ってきた。
「このまま自害するか。ゴブリンの性奴隷になるか。私たちのもとで働くか。選ぶがいい」
「急に…何を」
私は意味がわからず、そんな問いをしてしまう。
「おお、スミレの予想通りだ。言葉は通じていたらしい」
「それはよかったです。」
「まあ、伝わっていることがわかったところで変わらないがな」
「最後のお前たちのもとで働くと言うのは?性奴隷になるのとは違うのか?」
「おお、話す気になってくれたのだな。そうだな。私たちのもとで働くと言うのなら最低限の安全の保障をしよう。それに君たち以外にも何人か人間が働いている。」
「他の人間…」
「あー、今すぐ合わせることはできない。君たちの選択によって決まる。」
今ここにはこの2匹しかいない。私たち4人が協力すれば勝てるかも…
「余計な考えは持たないことをお勧めします」
メスゴブリンがそう言ってくる。まるで思考でも読めているかのように
「私は観察眼が優れています。なのであなたたちのある程度の思考なら読むことができます。そうですね…今この場には私とスノ様しかいない…4対2なら勝てるかも…そんな感じでしょうか?」
全て読まれている…
「無理ですよ。あなたたちがある程度の力を持っていることは他のゴブリンたちから聞いています。ですがその程度ではスノ様は愚か私にすら傷を負わせることは叶いません。」




