表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/15

 「…もう朝か」


 目が覚めると顔に光が直撃する。


 あまりの眩しさに目を見開くことが難しい。


 なんとか体を起こしあげ、服を着替える。


 身支度を終え、すぐに部屋を出る。


「雪宮さんに連絡…はしなくていいか。」


 ふと昨日のことを思い出して、なんとなく連絡がとりずらい。


 でも、六道ってのは聞きたい…


 どうしたらいいかわからなかった。


 少なくとも、時雨さんのは会えないな、ブチギレてるだろうし


「とりあえず、どうするか。」


 しょーがない、またあそこの爺さんのとこ行くか。



 楓がカフェに少しというところまで歩いた時、急に後ろを振り返る。


 やば!


 楓は俺に近づいてきて片手でひょいと持ち上げた。



「またお前か…」


 拾い上げたそれは下を出して上目遣い。


 この前餌をやった犬がこっそり跡をつけてきた


 呆れていると、クゥーンと甘える様な声…


「なんで俺なんだよ…」


 そう言いながら楓は犬を地面に下ろして踵を返す。


 犬の食べれるのって何があったっけ。



「たっく、なんでこうなるか」


 楓が寄ったのは犬も良しと書かれた喫茶店だった。そこで自分はコーヒーのみの注文。犬には下から2番目くらいの値段を頼んだ。(それでも俺の倍以上はする)


 その犬の目は少し疑う様な目だったが、一口食べるとがっつく様に食べる。


「こいつどうすっかな。」


 正直、かなり扱いには困ってる。


 毛並み自体は綺麗だし、飼い犬かと思うくらい人に慣れてる。


「とりあえず、保健所か?」


 周辺を探索して何もなかったら迷子犬的なところに連れて行こう。


 そう考えていると、もうコーヒーがなくなってた。


 犬の方を見るとこいつも食べ終わっている。


 しゃーねぇ。行くか。


 席を立ち、出口に向かおうとするとこの犬もトコトコついてきた。


 ま、すぐに見つかるだろ。


 会計を済ませ、ドアに手をかけようとすると突然ドアが開いた。


 そのせいで捕まり損ねた手すりにそのままの勢いで倒れてしまう。


 幸い、人がいたから転ばずに済んだ。


 が、胸に倒れかかったので慌てて立ち上がる。


「すみません!まさか開くと思ってなくて」


 すぐに謝るって男の顔を見るとその目は冷たくまるで何人も殺していたみたいだった。


 最近こんなことばっかり。


 そんなことを考えるていたら、男が


「あ、いた。」


 聞こえた瞬間思わず蹴り上げる。


 まさか、


「いいねぇ。綾斗が言ってた通り。」


 男は俺の蹴りに物おじせずにっこり不気味な笑顔で笑っている。


「それでこそ漢だよねぇ。いやぁ、うちの女性陣は闘争について全然そそらないって感じでね。あ、もちろん綾斗とかはノッてくれるんだけどさ」


 ぺちゃくちゃ喋る。


「喧嘩ですか?それならすぐ出てってください!」

 

 一部始終を見ていた店員がそう伝える。


 男はそれにため息をついて、


「これだから女は。」


 手をかかげ、何かしようとする。


 まずい!


 後ろにはかなりの人と犬、


 思わず外に蹴り飛ばす。


 まさかこんなとこでも会うかよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ