18 チート持ち転移者でも負けイベには勝てない
リアルが忙しくて投稿する気が起きませんですた
すみませぬ
《???視点》
私が見ているものは、おおよそ圧政を敷いた王の処刑だと思えるほどに異様な光景だった。
ミュラーさんが冒険者を志望する少女を連れて訓練場に行ったとその場にいたという受付嬢から聞いたとき、少し嫌な予感はしていた。
しかし、これほどまでとは思わなかった。
ミュラーさんによって泣かされたであろう少女。
それをまるで正しいことのように歓声をあげる冒険者達。
「あっ、エゲリアさんも来たんでs………ひえぇ…」
そうこうしているとアレンさんが近づいてきた。
「あらアレンさん、ちょうどいい所に」
どんどん顔が真っ青になっていくアレンさん。体調でも悪いのかしら?
「いっ…今から依頼受けに行くn「せつめい。お願いできますか?」……………ハイ…。」
この後、ライズを除き訓練場にいた全ての人間に等しく雷は降り注いだという。
《ライズ視点》
……やばい、目が痛い。泣きすぎたか...。
俺は倦怠感を感じながら体を起こした。
気づけば訓練場の観客席に移動されていた。いつの間にか寝てしまっていたのか、とまだあまり働いていない脳で考える。
あ〜、それにしても久しぶりに寝た気がする。
この世界に来てから初めての睡眠か?
ん?俺この世界に来てから一日足らずで動きすぎじゃね?
これが異世界ハイってやつか…。
自分の疲れに気づけないやつが戦っても勝てるもんも勝てねぇよなぁ。
気分は賢者タイムである。
そんなこんなでぼーっと考えていると、背後から
「あら、やっと起きた?」
と女性の声が聞こえた。
「……っ!」
反射的に警戒態勢に入った俺に彼女はその笑顔を崩さずに話しかけてくる。
「ライズちゃん…よね、驚かせちゃったかしら。あぁ、そのまま聞いてもらったらいいわ」
そう彼女は言ってもはや存在を忘れていた冒険者証を渡してくる。普通に記憶の中から消失していた。
「本当はそれをライズちゃんに渡しに来るっていう予定だったんだけど…。本当にうちの副ギルド長が迷惑を掛けたわ、ごめんなさいね。」
そう言って謝る彼女に俺は口を開く
「べつにだいじょうぶ」
無口キャラを徹底しながら俺は喋る。
彼女は何も悪いことはしていないしな。悪いのはミュラーだからな!
え、俺?俺は悪いことは何もしてないぞ。ぜんぶ悪いのはあいつだからな!
いたいけな年端も行っていない少女をボコボコにして何が楽しいんだ?信じられないぞ、まったく…。
「それでなんだけど…ライズちゃん住む場所が無いらしいじゃない?お詫びとして職員用の宿舎を1週間貸してあげる。それで迷惑料ってことでどう?」
oh…まじかよ…。
怪我の功名とでも言うのか、俺は異世界一日目にして異世界生活の土台が完成したのであった。




