11 俺の初めてを奪った脳破壊系テロメシが有罪な件について
「ーーーーーーーーーーー」
「ーー!?ー、ーーーーーーーー!」
どうも皆さんこんにちは、ライズです。
現在、イェダンに入るための手続きをイケメン君がやってくれています。
ありがたいですねぇ。
…誰と話してるんだ…
ついに壊れてきたかな、脳。
森でひとりきりだったもんなぁ。
なんか疲れがどっと来た気がする。つくづく人と会えてよかったなぁ。
そんなことを考えているとイケメン君がこちらに向かって手招きをしてくる。
そちらの方に向かうと、鎧を着たいかにもな兵士Aが透明な玉を差し出してきた。
なんだコレ?オーブ?
気になったので全知を使用すると
<審業機>_____________________________________________________
触れると触れた者が善人か悪人かを判別する事ができる。
善人であればあるほど青色になり、悪人であればあるほど赤色になる。中間の位置にいるものは黄色に変化する。
______________________________________________________________
という情報が出た。
赤青黄って…名前通りしんごうきじゃん。
絶対地球人だろ、考えたの。
もちろん俺はなんにも罪なんてないかわいいおんなのこ(重要)なので、青色だった。
「ーー!ーーーーーー!」
どうやら手続きが終わったようだ。
イケメン君が俺の手を握り、都市の中に入った。
街中は活気にあふれ、そこら中に露店や屋台が並んでいる。
うおぉぉぉぉ!ザ、異世界って感じじゃん。
なんかよく分からんガラクタを並べていたり、デカいブロック肉や明らかに地球にはいない魚を売っていたり、実にファンタジーである。
そんなふうに辺りをキョロキョロしていると、1つの屋台が目に留まる。
その屋台では鉄板で肉を焼いていて、その音と匂いは脳を揺らす。
俺は思わず喉を鳴らした。
すると俺の上の方からふふっと笑い声聞こえた。
…いくらイケメンだからってやって良いことと悪いことがあるだろ?
1回殴ってやろうかな。
俺が握り拳を持ち上げるとイケメン君は焦りながら屋台の方を指差し、もう片方の手で人差し指を上げる。
いーや、ダメだね!俺は人差し指、中指、薬指の3本を上げて
要求する。
俺の怒りは簡単には晴れないのだ!
俺の指を見てイケメン君は苦笑いしながら屋台の方に向かう。
俺は噴水の縁に座りながらイケメン君を待っているうちに、今から食べるであろう肉を想像しているとお腹が鳴った。
そういえば異世界に来てからずっと飲まず食わずだったな…
考えているとどんどんお腹が空いてくる。本当に腹が減ってる
ときって腹が痛くなるよね。
しばらくすると、串に刺さった肉5本とコップ2つを持ってイケメン君が戻って来る。
もはや輝いてすら見える肉串3本と飲み物を受け取り、さっそく肉を頬張る。その肉は牛肉に近い味で噛むたびに肉のうま味とジューシーな脂があいまって…
…ハッ!
俺は気絶していたのか!?
あまりの肉の旨さに脳も機能を停止する。
イケメン君と肉串様に感謝しつつ、しかし口は止めずに食べ続ける。
俺が転移してから初めての異世界メシは牛肉みたいな味の謎肉になったのであった。
イケメン君は貢ぎたい!
小説化、イケると思います。