10 ぬけだせ いけめんで森
所用が片付いたのでまた書き始めるのである!
これからそこそこ頻度が多くなるかも。
※なるかも!なるかもなんだからね!絶対じゃないんだからね!
俺は今、イケメン君に背負われて森を進んでいる。
女が見れば間違いなく嫉妬され、2度目の死を味わってしまうだろう。
俺自身も少し気まずい。
神様、町の近くに転移させて欲しかったナ…。
話は変えて、彼はどうやら俺が怪我でもしたと思っているらしい、全然元気だけどな。
時々話しかけてくれたりしているが、残念ながら言ってることなんにも分からないんだよなぁ…。
もちろんこちら側からも伝わっている感じはしない。
全知ペディアによると言語もスキルとして存在しているらしい。
しょうがないじゃん。言葉が伝わらないなんて分からないじゃん。
そんなことを考えている間にイケメン君は森を駆ける。
ていうかコイツ何処に行こうとしてるんだ?
明らかに真っ直ぐ迷うことなく直線に進んでいる。
しばらくすると、一直線に切り開かれた場所に出てきた。
こ、この草が生えていない場所は…
道だァーーーーーーー!
道があるってことは、アレがあるんだよな!?
この道の先に、人が住んでるってことだよな!?
こりゃ嫌でもテンションがあがっちまうねぇ!
はやる気持ちを抑えつつ、抑えきれない俺は足をばたばたさせる。
イケメン君。悪いな、止まらねぇんだ!
ついに!ファンタジータウンが!見れるんだからな!
そうしているうちに周りに木が無くなり、陽の光を直接受ける。
鬱蒼とした草花も彼のくるぶしあたりまで低くなる。
そして、遠くにはいかにもな城壁!
う、うおぉぉぉぉ!
【城塞都市イェダン】________________________________________
四方を城壁で囲み鉄壁の守りを見せる文字通りの城塞都市。モンスターの襲撃にも強く、安全なので人口が多く活気にあふれている。特産品は武器や防具。
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う、うわぁぁぁぁ…
全部分かってしまうぅぅぅ…
ひ、ひどい…異世界は初見で楽しみたい派の俺に事前情報を渡してくるだなんて…
『『なんでじゃあその能力にしたんだい?』』
俺の中のイマジナリー神たまにツッコまれつつ、俺を乗せたイケメン線イェダン行き直通特急は進んでいく。
というかコイツ、金属製の鎧に俺まで乗ってるのにどんなスピードだよ。明らかにバイクぐらいの速度はあるだろ。
乗ったこと無いけどな!
そんなこんなでふざけたことを考えているうちに城壁はもう目前である。
「ーーーーーーー、ーーーーー!」
いやゴメン。何言われても分かんない!
そうして俺は異世界に来て初めて、都市に入ろうとしているのだった。




