第八十六話 遺跡
次の日、
身支度していたら扉がノックされる。
「サクラの親分、朝からすいやせん、村の連中集合したんで、なんか一言お願いできやすか?」
ギース、だと思うが、
俺に一言?
「なんだ?朝礼か?直ぐ行くよ」
出て行くとすぐにギース?に案内された。
石山に囲まれた集落の真ん中辺りに、
広場があり、そこに全員集まっている。
壇上まで用意されてて、
上にはバースが待っていた。
俺は言われるがまま壇上に上がった。
「はい、みなさん注目してください。この方がここの領主様のサクラ伯爵様です」
バースが俺を紹介してくれた。
人数にすると40人くらいだろうか。
大人も子供も混じっている。
バースに促され、俺が話す
「あーみなさん初めまして、ダイサク・サクラです。領主というよりは、成り行きでここを借りてた訳ですが、とある王族の方に相談したところ、自由にして良いと許可して頂きました。なのでみなさん、安心して下さい。あと僕はまた今日にでもここを発つので、このバースの言う事をよく聞いて、みなさん仲良く過ごしてください」
話し終わったんだが、
何故かすこしどよめいてるか?
なんか変な事言ったか?
「あの、サクラ様」
「ん?」
「ここは伯爵様らしく、威厳を持たれた方が良いかと」
「あ、そうなの?ん〜、あそうか」
「あと、すいません、僕は伯爵と言っても、こんな感じです。威張ったりはしませんしそういうの嫌いなんです。何故なら僕は仲良しの世界から来た異世界人だからです。ただし、間違った事は嫌いなので、悪者には容赦なく罰をくだします。最初からここに居る人達は良く解ってると思いますが、これからも悪さをせずに、仲良く過ごしてください。以上です!」
パチパチとまばらな拍手が聞こえる。
まぁ戸惑ってるんだろうな。
「これで良いだろ?」
「ま、まぁ仕方ないですね」
バースは苦笑い、ギースとガースは普通に笑っていた。
「では、この村に新しく出来た物を案内します。そのあと見て欲しい所があるので、すいませんがご同行をお願いします」
見て欲しい所?
なんだろ。
村の中を案内される。
新しい建物、
畑などなど。
建物は木造だが、
細い丸太を組み合わせて建てられていた。
まぁ大工の俺から見たらまだまだだが、
それでもきちんと丁寧に仕事をしたのが見受けられる。
畑も耕して完成したのが二週間ほど前らしい。
森に自生してた芋を育ててるそうだ。
改めて見るとここの敷地は広い。
東京ドームにしたら二つ分くらいあるだろうか。
それによくよく観察すると、
外周の石山はほぼ円の形で並んでいる。
そして、出入り口の反対側には、
切り立った山が隣接している。
昔のクレーター跡なのだろうか。
一通り案内されたあと、
「これからお見せしたい物がありますので、
案内します」
バースはそう言って切り立つ山へと向かって歩いた。
山まで来ると、遠目ではわからなかったが、
敷地の囲いになってる石山と、切り立つ山の間に人が通れる隙間があった。
バースは隙間に入っていく。
俺達もバースの後についていく。
隙間は最初は人一人通れるくらいだったが、
入ってみると広くなっていて、
4人並んでも余裕があるくらいの通路になってた。
「この山に鉱石でもないかと調べに来たんです、そしたらこの通路を見つけて、奥に入ってみたのです」
バースは言いながら通路を進む。
通路はやがて洞窟の入り口にたどり着いた。
「これは…」
明らかに人為的な物だった。
洞窟というより、
トンネルと言う表現が正しいだろう。
「中にはなにがあるの?」
「いえ、わたしはこれ以上は、一人では恐ろしくて入れませんでした、なのでサクラ様が来られるのを待っていたんです。」
「ギースとバースは?一緒に入れば良かったじゃないか」
「いや、彼らは、こう、なんて言うか、こういう事に向いてない気がしまして」
「ふむ、なんとなく言いたい事は分かった。そういう事か」
「どういう事?」
「ふん、繊細な判断に欠けるという事にゃ」
さすがルース。
的確だ。
「そんじゃ入りますかね」
「暗いですよ」
「じゃぁあたしが」
ラスティはそういうと魔剣を出して前に構える
「ラーテールナ!闇を照らせ」
魔剣が光だし辺りを照らした。
明かりの魔法だ。
魔剣は短杖の代わりだった。
俺達はラスティの明かりを頼りにトンネルへと入っていった。
トンネルの壁は、綺麗に仕上がってるわけではなく、削りっぱなしな感じだった。
そのお陰で魔法の明かりに反射して、
所々キラキラと光る
「これは…、鉱石っぽいですね」
更に奥へと進むと、
通路は唐突に終わり、
広い空間に出た。
ラスティの照明魔法の明かりの範囲では、
この空間を全て照らし出せないくらい広い空間だ。
ルースは横の壁を指した
「ダイサク、魔石があるぞ、あれに魔力を入れるにょだ」
「ん?あ、」
壁に魔石が嵌められている。
けっこう大き目の魔石だ。
ソフトボールくらいの大きさだろうか。
俺は言われるままに、
その魔石に魔力を流し込む。
魔石は魔力を取り込み、
青く、淡く、ぼうっと光り出した。
俺は満タンまで流すと、
魔石の横に付いてる物が目に入った。
何だ?電気のスイッチ??
そう、それは日本では見慣れている、
住宅に必ずある電気のスイッチによく似ていた。
てゆうか、スイッチそのものだよなこれ。
俺は恐る恐る指を伸ばし、
スイッチを入れた。
「カチッ」と音を立ててスイッチが切り替わる。
すると、魔石を中心に魔法陣があわられ、
壁を伝って魔力が流れて行くのが見てとれた。
魔力は空間の天井の中心と思われる場所まで流れて行き、
そこでまた魔法陣が展開される。
そして魔法陣の真ん中が、
眩しく光り出した。
「おわっ、すげーまじで電気のスイッチだ!」
「明る〜い」
天井の真ん中に設置されたそれは物凄い光量でホール全体を照らし出した。
体育館ほどの広さがある、丸いドーム状のホールだ。
壁はにはいろいろな物があるが、
どれも埃を被っている。
「ここは、何の施設なのでしょう?」
「凄い埃だな。何年くらい放置されてたんだ?」
俺達は壁沿いに歩き、
壁に設置された机などを見て回った。
「あ、大ちゃんこれ」
数歩先の前にいたベルが何かを発見したようだ。
ベルが見上げる壁には何やら絵が描かれている。
壁画かな?
「これ、表の村じゃない?」
「あ、ほんとだ」
確かに、
山が上に描かれていて、
その下にグルリと輪が描いてある。
正にギガバース村を上から眺めたような絵だ。
しかし、問題は輪の中に描かれてる物。
これは、竜?なのか?
「ルースは何か解る?」
「ふむ、これはにゃ…」
「「「うん」」」
「わからんにゃ」
「「「がくっ」」」
「わかんねぇーのかよ!てか、ルースでも分からない事あるんだな」
「竜の巣とかだったのかな?」
龍の巣だぁあ!!
と、頭の中に老婆の声が聞こえてきたが、
ここは無視しよう。
「いや、龍はこんな開けた場所に巣は作らにゃい」
謎かぁ。
まぁ分からないのなら仕方ない。
先に進むか。
みんなが壁画を見てる内に、
俺は少し先に進んで行った。
ん?床が一段高い。
15センチほどの高さで、
壁から円状に一段高くなっている。
壇上かな?
あ、また魔石がはまってる。
俺は壇上に上がって、
奥の魔石を確かめた。
これもなかなか大きい。
どれどれ
俺は魔石に触れ、魔力を流し込む。
魔石はみるみる色を変化させ、
青い色で落ち着いた。
しかし、何も起きない。
入り口の時みたいにスイッチでもあるかと思っても、
特に何も見当たらなかった。
「なんも無いのか」
「大ちゃん何してるの?」
ベルが壇上の外から話しかけてきた。
振り向いてベルの方へと歩く。
「いや、魔石があったから、魔力流してみたんだけど、何も…うわっ」
唐突だった。
振り向いて歩いた足元に魔法陣のような物が光っている。
どうやら俺はその魔法陣を踏んで、発動させてしまったらしい。
なんだ?!罠か?!
眩い光に包まれ、
身体を浮遊感が襲った。
これは!落とし穴?!
いや、違う、
身体が浮いてる?
訳が分からない。
と、また突然に地面の感触。
浮遊感が消え、
光が収まった。
辺りの景色は一変していた。
小さな部屋?!
何が起きたんだ?!
どうやら身体に異常は感じないが、
おかしなことになってるのは間違いない。
すると正面に動く物があった。
それはこちらに向かって歩いてきた。
動揺する俺の目の前に、
一人の老人が立っていた。
【読者の皆さま】
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白村
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