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トンネルを抜けたら異世界だった  作者: 白村
第二部 旅路編
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第八十三話 愛刀

更新大変遅くなりました。



王都を出発する時、

初めて車に乗ったシイの反応が凄く可愛いかった。

そしてアニソンが流れた時も大騒ぎ。


マティもそうだったが、

血は争えないな。


王都を出て2日程で隣の都市ロマーシアに着く。

伯爵である真新しい身分証プレートを領門の門番に見せ、ほとんどスルーして街に入る。


宿屋はもちろんテルさんが女将の宿屋だ。


テルさんはシイを見て


「あら、また可愛いお仲間が増えましたのね。サクラ様は面食いなのですね」


と言った。


これといって面食いな訳ではないが、

まぁ可愛いは大好きである。


チェックインを済ませ時刻は夕方、

はやる気持ちを抑えて、

スミス爺さん(刀)は明日にする事にした。


俺達はその晩はのんびりと過ごした。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


朝、朝食とコーヒーを飲む。

テルさんがやってきた。


「なんだか見違えましたね」


「え?そうですか?何か変わったかなぁ」


「いえ、何というか、立ち居振る舞いが変わったというか、以前は無かった気品みたいな物がありますわ」


「あーそうなんですね、ありがとうございます」


「ふふふ、それでも伯爵様は相変わらずなのですね」


そう言ってテルは行ってしまった。


気品か、それは多分、マミちゃん達にマナーの教育を受けたからだろう。

ちゃんと身に付いているんだな。

ほんとにマミちゃんには感謝である。


さて、のんびりと過ごしてたが、

そろそろ良い時間だろう。

スミス爺さんの所に行こう。


街に出ると、

やはりここは冒険者が多い。

鍛冶屋街もけっこう早い時間から賑わっている。

ていうかまた騒ぎが聞こえるんだけど。


やっぱりというか何というか、

スミス爺さんの店は今日も大騒ぎだ。


「できない物は出来ないんだって!何度言えば解るんだ!!」


「それが客に対する態度かよ!」


「無茶言ってくる奴は客じゃねーー!!帰れ!」


「くっこのやろーーー!!」


「ちょいと失礼、やぁフォルンに爺さん、来たよ〜」


「な?!なんだてめーは!」


「あ、俺ここの馴染み」


俺はいちゃもんを付けている客に振り返る。


客は俺の顔を見て怒りの顔から恐れの顔に変わり、最後に青ざめて愛想笑いになった。


やべーおもしれー


「あ、ははは、失礼しました」


そう言って男は逃げていった。

闘技会で優勝してから、俺はロマーシアでは結構有名なようだ。


「ふぅやれやれ」


「サクラさん!」

「ダイサクさん!」


「ここは相変わらずですね」


「みんなも一緒なんだね!ん?誰?」


「あぁ、紹介しますよ、新しい仲間のシイです」


「よ、よろしくお願いします」


「あたしはフォルン、そっちはスミス爺、よろしくね」


「ところでシイさんは剣士なの?」


「か、格闘剣士です」


なんか緊張してるのか?

俺との初対面とはえらい違いだ。


「格闘剣士さんかぁ、剣見せてくれる?」


「あ、はい、これです」


「短剣?しかも2本持ちなんだ!どれどれ、ふむふむ」


フォルンとスミス爺さんは、

シイの短剣に興味津々だ。


「あのぉ…お取り込み中すいません」


「ん?あ!そうだった!サクラさんの刀!」


「はい!出来てますか?」


「もちろん!待ってて!」


フォルンはいそいそと仕事場の方へ刀を取りに行った。


「シイといったかな、お嬢さん、この短剣はなかなか良い物じゃが、お嬢さんには少々重くないかな?」


スミス爺さんがシイに話しかけてきた。


「あ、はい、もう慣れてしまったので、今は特に気になりませんけど、最初は苦労しました」


「ふむ、ちょうど良い物がある、試してみないか?」


「え?はい、興味あります!」


「どれ、少し待ってなさい」


そう言ってスミス爺さんまで奥に引っ込んだ。

入れ替わりでフォルンが刀を持ってきた。


「はい、これがサクラさんの刀です、確認してみて下さい」


フォルンから刀を手渡され、

確認する。


第一印象は、


「軽い」


刀って重いイメージがあるが、

その通りで、鉄の塊なのでけっこう重い。

まぁその重さが、

ぶった斬るのには良かったりするが、

これは今持っている物より軽い。


でも軽過ぎず重過ぎず、

丁度いい感じだ。


うん、鞘の出来も良い。


柄の材質は木なんだけど、

この真っ黒い木はどこかで、

あ、手に吸い付いて来た。


「魔木か」


「お、さすがサクラさん、解るんだね、そうだよ、柄には魔木を使ってみた。闘技会の時のサクラさんの戦い方を聞いてね、だったら柄に魔木を設えれば良いんじゃないかって思ったの」


闘技会の時に、俺は短杖と刀を一緒に握り、刀を振るのと同時に魔法をぶっ放してた。

お陰で刀が魔剣だと勘違いされてしまったんだが。


「なるほど、良いアイディアかも。もう魔力が吸われてるよ」


「えっ?!そうなの?魔木って魔力吸うの?」


シイが驚いている。


「ふふふ、そう、魔木は気に入った人に会うと自分から魔力を吸うって言われてるの」


ラスティだった。

いつのまにか横にいて、

刀を見ている。


俺はいよいよ刀を、ゆっくり確かめるように抜いてみる。


スラァーっと、

実にスムーズに抜けた。


これがオリハルコンか。


見た目普通に金属なんだけど、

全体に緑架かっている。

深みのあるダークグリーンという感じか。

刃の部分は綺麗に磨かれているので、

ダークではないが、やはり少し緑架かっている。


「わぁ、凄い…綺麗」

「凄い」

「凄いの」


「ふん、なかなかにゃ」


「ルースが褒めるの珍しいな、でも、うん!確かに見事だ!」


「ほんと??」


「あぁ本当だとも、ルースも褒めるほどの物なんだから、凄いよ!」


「ふんっ褒めてなどおらん」


「いやいや、褒めてたよ。これなら魔力流しても平気だな」


「もちろん平気じゃ、しかも柄の魔木が触媒になるから、魔力は流しやすくなっとるじゃろ。わしの孫ながら、見事な一振りができたわい」


戻ってきたスミス爺さんは短剣をシイに渡しながら話してきた


「うん、文句のないできだよ、ありがとうフォルン」


「へへへ」


「あ、これもしかして」


シイだ。

短剣を抜いて確かめていた。


「そうじゃ、余ったオリハルコンを入れて打ってみたんじゃが、どうじゃ?ほんとはそっちの嬢ちゃん達にと思ったんじゃが、あんたが2本持ってても良いじゃろ、なぁサクラさん」


「どれどれ?」


俺はもう片方の短剣を手に持ってみた。


「やっぱり軽いね、どう?シイ」


「うん、凄くしっくりする感じ」


「じゃこっちのと両方もって構えてみて」


シイは両手に持ち、

二刀使いの構えを取ってみる。


「あ、凄く扱いやすいかも」


「ラスティとベルは短剣持ってるから、シイに持たせて良いだろ?」


「うん、私のは魔剣だし、手放したくないから良いよ」


「ベルもマミお婆ちゃんに貰ったの気に入ってるからいいの」


「「魔剣んん?!?!」」


おっとフォルンと爺さんが反応したぞ。


「あんた魔剣を持っておるのか?!」


「えっ?あ、はい、待ってます」


「是非見せて!お願い!」


「魔剣と言ってもちょっと珍しいんですけど」


「これは…」


一見、どこにでもある普通の短剣。

以前、これを買った後、試してみたら、

ラスティが言うように短杖のような使い方ができた。

そして逆に魔法を剣で受けてみたら、

確かにこの短剣は魔法を吸収し、

短剣の持ち主の意志で吸収した魔法を放つ事が出来たのだ。


「出所は?」


「わかりません」


「屋台みたいな所で、1000マネだったっけ?店主は価値解ってなかったよね」


「1000マネ?!わしなら3万いや5万出すぞ!売ってくれ!」


「いやいやいやいや、ダメだろ、なぁラスティ」


「うん、ちょっと、売りたくないかな」


「ふむ、残念じゃ」


「ねぇ爺ちゃん、アレ見てもらおうよ」


「うむ、そうじゃな」


そう言ってスミス爺さんは奥に引っ込んだ。


「アレって?」


「なんか分からないんだよ。爺ちゃんが昔手に入れたらしいんだけど、何をしても加工出来ない材質なんだ」


スミス爺さんが戻ってきた。

取りに行った物をカウンターに乗せた。


それは、瓦一枚程の大きさで厚みが2寸(約6センチ)程だろうか、魚のヒラメを連想させる形をしている。


「これがなんだか解るか?」


「む!」


ルースが反応した。

何か知ってるのかな?


「前に行商人が売っていた物なんじゃが、軽くて丈夫なんでな、何か防具に出来ないかと買ったんじゃが、焼いても叩いてもびくともせん。だが、一度剣で切り付けてみたんじゃが、その時は少しだけ傷が着いたんじゃよ。こりゃ削ってみようかと思ったら、なんと傷が修復したんじゃ!」


「傷が?まさか?!」


「本当じゃよ。誰に言っても信じちゃくれんのだ」


「ルースは何か知ってるんだろ?」


「ふん、それは龍の鱗にゃ」


「なんじゃとっ?!龍神様の鱗?!?!」


「龍神ではにゃい、龍にゃ。ベルよお前の眼で『見て』みろ」


「あ、橙なの!」


「えっ?魔力を帯びてるのか?!」


「なんと!」


「ふん、龍の鱗はそのままにゃら、多少叩いたり焼いたりしたくらいじゃ傷一つつかにゃいにゃ。それより、スミスよ、お主はコレに触ったにょか?」


「もちろんじゃ、触らんと何もできん、フォルンも触っとるが、何か不味いのか?龍神様のバチとか当たるのか?!」


「ふんっ龍神ではにゃいと言ってる、バチにゃど当たるもにょか、触れた時に何か感じにゃかったか?」


「そう言えば、下っ腹が疼いたかのぉ」


「あたしもお腹の下辺りが、温かくなったよ」


「ふん…、ならばシイよ、こにょ鱗に触れてみよ」


「えっ?あたし?!」


「そうにゃ」


シイは言われるままに龍の鱗を手に持った


「あ、お腹が暖かい」


「ベルよ、シイを『見て』みるにょだ」


「あ!シイちゃん赤くなったよ!」


「えっ?!私に魔力が?!うそっ」


「もういいにゃ、次はラスティにゃ」


シイはラスティに鱗を手渡した。


「どう言う事だ?」


「まぁまてにゃ、次はベルにゃ」


「うん」


「鱗を『見て』みるにょだ」


「あ、さっきは橙だったのに、今は赤いよ」


「最後にゃ、ダイサクこにょ鱗の魔力を全てすいとるにゃ」


「あ、ああ、分かった」


俺は言われるままに龍の鱗の魔力を全て吸い取った。

すると鱗は鮮やかな青だったのが、

黒い色に変わった。


「なんと、色が変わった」

「凄い、どうなってるの?」


「これって、魔石じゃないか」


「魔石ではにゃい、これは龍石の材料になるにゃ」


「あ!これか!」


俺は収納魔法で龍石を出した。


「こにょ鱗はそれよりも上位の物だがにゃ」


戸惑っているのはスミス爺さんだ。


「それで、この黒くなった鱗はどうなるんじゃ?」


「ふん、それで武器を作るも防具を作るも自由にゃ。細かく砕いて鉄に混ぜるにゃ」


「え?砕けるんで?」


「魔力を失った鱗は脆いにゃ、出来上がった物にまた魔力を流すと良い物ににゃる」


「そう言う事か」


「こりゃぁとんでもねぇもんだったんじゃな、フォルン早速やるぞ!」


「そうこなくちゃ!あたしベルちゃんに短剣打つよ!」


「と言う訳じゃ!また明日また来てくれ!」


そう言って二人は黒くなった鱗を持って仕事場に引っ込んでしまった。


「あ、おい!」


呼び止めたが、既に聞こえてない。


それにしても、

龍の鱗か、

魔力のなかったシイに魔力を与えてくれたとは、物凄い代物なのではなかろうか。


喜ぶシイとラスティにベルは3人ではしゃいでいる。


「あれ?でもあの二人には魔力無いんだろ?なんでシイにだけ魔力が宿ったんだ?」


『私の血だ』


ルースからの念話だ。


『あ、ルースの血の影響もあったのか』


『そうだ…』


それにしても、

この世界は不思議は事がいっぱいだな。


フォルンとスミス爺さんが奥に引っ込んでしまって、

店に居ても仕方ないので、

俺たちは言われたように、また翌日来る事にして、

スミス爺さんの店を後にしたのだった。


 


 



【読者の皆さま】


いつも読んでいただきありがとうございます。



小心者の私に、


↓ の★★★★★を押して勇気を下さい。


よろしくお願いします!




白村しらむら


↓ 作品一覧はこちら ↓

https://mypage.syosetu.com/1555046/


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