第七十九話 叙爵準備
朝が来た。
昨夜は遅くまでシイにこれまでの事を聞かせた。
俺が異世界人の大工である事、
ベルの生い立ちや能力、
ラスティの事、
マミちゃんとの関係、
そしてルースの事。
シイはいろんな事に驚いていた。
特にルースが実は幻獣リュンクス様であると聞いた時が一番驚いていたようだ。
俺達の寿命の事も話した。
その時にルースにお願いして、
シイもルースの血を舐めた。
シイも心を許したのか、
だいぶ和んできたようだ。
初対面の時の尖った雰囲気はどこにも無かった。
ふぅ、しかし豪華な天井だな。
ベルはいつものように俺の右側で抱きついて寝ている。
ラスティは俺の左肩に頭を乗せて、
腕枕と言うよりは肩枕に近いかたちで寝ている。
シイはと言うと、肩枕しているラスティと俺の間に入って、
これまた俺に抱きついて寝ていた。
「なんか凄いハーレム」
「ぷっふふふ」
「くふふふ」
「くすくす、ハーレムだって」
「あ、3人とも起きてたなぁ?」
「あははは、ダイサクはやっぱり変わってる」
「「あははは」」
3人の美少女が笑っている。
可愛いは正義だ。
それにしても、俺はこの後凄いバチが当たりそうで怖い。
「さて、今日は午前中観光で午後はマミちゃんと待ち合わせだ。準備しよう」
「うん」
「「はい」」
あれ?ルースが居ない?
「ルースは?」
「ここにゃ」
あ、居た。
俺の後ろ側で寝てたらしい。
いつもルースもくっついて寝てたのに、
シイが来たから遠慮したのかな?
まぁ良いか。
俺達は冒険者モードで服装を整えて、
街に繰り出した。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
屋台を数件荒らしたあと、
俺達は冒険者ギルドに来ている。
一時間ほど早目の到着だ。
シイは強いのに、
冒険者登録してないとの事なので、
シイには冒険者登録してもらい、
俺達のパーティー「さくら組」に加入手続きするつもりだ。
ちょうど昼なので、
ホールの食堂は賑わっている。
受け付けに行き、
シイの手続きを申し込む。
間もなくしてランクテストに呼ばれ、
俺達は練習場へと赴く。
シイが呼ばれ、
シイは試験官と対峙した。
「始め!」
シイは短剣2本を逆手に握り、
試験官に突進して行った。
あの低さか。
試験官はタジタジだ。
あれは厄介だったな。
しかも更に低く移動して、
一瞬見失うんだよ。
ほら来た!
「ぐえっ」
試験官はのされてしまった。
「や、やめっ!」
審判、判断おせーよ。
戻って来たシイはつまらなそうだ。
「むすっ」
その言葉に出すのクセなのかな?
可愛いから許す。
「あいつ弱すぎ」
「シイが強いんだよ、俺も最初はタジタジだったしね」
「むぅぅ…」
俺達はロビーに戻って待ってると、係員がやってきた
「えっと、シイさんの冒険者登録が終わりました。あとパーティーさくら組にも登録しました。これが冒険者プレートです。ランクはサファイア級です。おめでとうございます、その若さでサファイア級なんて初めてお目に掛かりましたよ」
「あ、ありがとうございます、うふっ」
嬉しそうだな。
そうか嬉しい時は「うふっ」って言うんだな。
うん、可愛いは正義だ。
「ダイサク!」
呼ぶ声が聞こえて振り返る。
マミちゃんだった。
今日は冒険者モードだな。
あとの4人も同じようにしている。
どこからどう見ても冒険者パーティーだ。
「「「「こんにちは!」」」」
そしてシンクロ。
相変わらずだ。
「早いじゃないか」
「うん、シイの冒険者登録しとこうと思ってね」
「なるほど、して?サファイア級くらいかの?」
この婆さん、たまに鋭い。
しかし今は若返ってるので婆さんではないが。
「正解」
「ふむ、一通り済んだようじゃな。今日は他でもない、お主達の教育じゃ、講師はこの4人じゃ、マナーを良く叩き込んでおきな」
俺達はギルド内の貸し会議室に案内されて、
そこでマンツーマンの指導を受けた。
「ほれシャンとせい!」
「へいへい」
ばきっ
「いってーー」
「アホタレ!殴られた時のマナーはな、黙って微笑んで相手を見るんじゃ」
「ほんとかよそれ」
「う、そ、じゃ、ひゃひゃひゃひゃ」
「なんだよそれぇ」
この笑い方も懐かしい。
良い雰囲気の中、
俺達はマナーについて教えられていった。
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白村
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