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トンネルを抜けたら異世界だった  作者: 白村
第二部 旅路編
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第七十八話 カニス邸

更新遅くて申し訳ありません。


気を失ったマティだけを置いて、

俺達はギルドを出た。


「マミちゃん、せめてお忍びで来るとかなかったの?」


マミは目立ちすぎる。


「直ぐ退散する。仕立て屋は手配しておいたから、今夜宿に行くじゃろう。明日またここに13時にくるのじゃ、明日は忍んでくるかの」


「分かった、じゃ明日」


「さよならおばぁちゃん」

「失礼します」

「本日はありがとうございました」


「「「「またね!」」」」


相変わらずのシンクロ4人組だな。


ふぅなんだか疲れた。


「屋台行くか!腹減ったろ」


「やっとにゃ、待ちくたびれたにゃ」


「ふふ、そういうな」


「シイさんも遠慮なく屋台を満喫して下さいね」


「むすっ」


ん?今むすって言ったか?

ちょっと可愛い。

けど、何故むす?


「大ちゃん、お嫁さん候補だよ」

「ちょっと冷たいよね」


「「ねぇー」」


何故かラスティとベルが意気投合してる。

解せぬ。


「そりゃぁ今朝会ったばかりだしさ、何とも思われてないのも分かってるけどさ、むしろ嫌われてるのかなって思うけどさ…」


シイの声は段々と小さくなる


「えと…どしたの?」


「じゃぁダイサク、第一夫人として言うけど、シイも私達と同じように接してあげて。いちお未来の夫なんだから」


「へ?ラスティがそれ言う?何とも思わないの?」


「なんともって?」


「んー、そのぉヤキモチとかさ」


言ってから思い出した。

ここは異世界だと言う事を。


「あー待った。みんなきいてくれシイさんもね。」


「「うん」」


「俺がいた国、日本は一夫多妻ではないんだよ。男も女も一度結婚したら、生涯一人だけを愛するものなんだ。だから、相方があちこち手を出すのを、普通は心良く思わないんだよ。こっちではその辺どうなのかな?なんだか凄く寛大な気はするけど」


「そういう事ね、じゃぁダイサクはあたし達に気を使ってたんだ。んー、一言で言うなら、好きにしてて良いよって感じなのかな」


「ベルも気にしないよ。だってラスティおねぇちゃんも好きだし、大ちゃんも好き、みんな好きなの」


常識の違いで大きく感覚が違うものなんだな。


「そっかぁ、なんとなく罪悪感があるんだけど、気にしなくて良いのか。あ、シイさんが悪いって言ってるんじゃなくて、俺の問題なんだ、ごめんね」


「あたしはダイサクさんが異世界人と言うのに驚いたよ。どうりで変わり者だと思った」


「でしょう?ダイサク変わってて面白いんだよ」


「なぁシイさんや、とりあえずさん付けで呼ぶのやめようか」


「あ、はい」


最初は呼び捨てだったと思うんだけどな。


「まぁだんだんと慣れるから、焦らず行こう」


「行くにょだ!」


「「「おー」」」


俺達は心ゆくまで屋台観光を堪能した。

シイはラスティとルースの食いっぷりに圧倒されっぱなしだったが、

楽しんでいたようで良かった。


「今日はどうする?」


俺はシイに聞いてみた


「マミちゃんに、第3夫人候補のお墨付き頂いたけど、いきなり今日から俺達と寝泊まりはダメじゃないかな。その前にちゃんとご両親に説明しないとって思うんだけど、みんなはどう思う?」


「んー確かにねぇ。じゃぁ今から行ったら?」


「へ??今から??」


これも文化の違いだろうか。

俺達はそのままカニス邸に赴く事となった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「で?君がうちのシイを第3夫人候補にしたいと?」


「はい」


今俺が話してる相手、それは正にシイの父親だ。

厳つい雰囲気で髭を生やし、

眉間にしわを寄せて俺を睨んできている。


なんだか最初っから敵認定されてるような気がする。


「君はうちがどういう家柄か知っているのかね?」


「さぁ?」


「……君は馬鹿にしてるかね?」


父親を前に、当のシイは俯いている。

萎縮してしまっている様子だ。

どういう教育方針か知らないけれど、

小さい頃から逆らえないように育てられたのだろう。

俺に対しても、こんなちょうしで最初から高圧的な態度で接してきている。

シイには悪いが、どうしてもこの手の人間は好ましくは思えない。

だから俺もつい、おかしな態度をとってしまう。


「ダイサク、説明しないと」


「えっと、シイさん、お父さんにはなんて言ったの?」


「シイからは何も聞いておらん!君が説明したまえ!」


なんかムカついた。

なんでこのおっさんはこんな高圧的な態度なんだ?


「そもそも君はうちの家柄も知らずに、娘を第3夫人に迎えるだと?君は何様かね、うちの家柄を鑑みれば第一夫人が打倒、貴族ならばともかく、冒険者如きがカニス家の娘をなんだと思ってるのかね」


シイはそんな父親をみてアワアワし出した。


「お父様それは…」


「シイは黙ってなさい!」


「だいたいなんでこんな男を連れてきた、お前がちゃんとしてれば許嫁との結婚だって出来てカニス家も安泰だったというのに、ふらふらしてるからこんな男に引っかかるんだ!そもそも…」


おっさん、説教長いよ。


『おい、この人間黙らせて良いか?』


『ちょっと待ちなさいよルース』


「君は人の話を聞いてるのかね!!」


「えっ?!俺?!」


いつ俺に向かって話し出した?

訳がわからん。


このおっさんはシイを道具にしか思ってないのだろうか?

安泰とか家柄とかどうでも良い。


マミちゃんならきっと、だまらっしゃい!って怒鳴ってるんだろうな。


俺はガミガミ言ってるおっさんを放ってシイに声をかけた。


「なぁシイ」


「えっ?」


「荷物纏めてきなよ」


「なっ?!貴様誰に断って!」


「あぁ貴方が何処のお偉い様か存じ上げません。しかしここにいてもシイは幸せにならないと確信しましたので、シイの大切な荷物とシイを頂いていきます、結納金がいるようでしたら仰って下さい」


シイは黙ってお辞儀だけして、

応接間を出ていった。


「あ、あたしも行く」


と、ラスティがシイの後を追いかける


「おい待て!こらシイ!!ぐっ貴様何を吹き込んだ」


「吹き込んだ?人聞きの悪い事言いますね、僕は何もしてませんよ」


シイとラスティが戻ってきた。

早くないか?


「ダイサク、準備できたよ」


「早かったね」


「うん、いつでも出て行けるようにしてたから、鞄を取りに行っただけ」


「なっ?!なんだと?どういう事だ?家出を計画してたのか?」


「いちお、あんたはシイの父親だから言うけど、あんた父親失格だな。こんな可愛い娘がいながら家柄の事しか考えてないなんてな。シイはあんたの道具じゃない。こんな健気で素直で良い娘はあんたには勿体無い。だから俺が引き取る」


「貴様、言わせておけはつけ上がりおって…!」


俺はソファーから立ち上がり、

応接間を出ようとしたが、

言い忘れた事があった。


「あ、言い忘れたが、俺の名はダイサク・サクラだ、覚えておけ。あともう喋らないでくれ、臭くてかなわん」


「ぷっふふふ」


ルースが笑っていた。


「だ、ダイサク・サクラ…だと?ちょっと待て、おい!誰かそいつらを止めろ!」


召使い達が通りを塞いでいたが、


「どいて」


シイが召使い達を睨む


この屋敷内ならシイの強さを知らない者はいないのだろう。

シイを止められる者はいないようだ。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


宿屋の部屋に戻って来た。

あー疲れた。


「凄い部屋…」


シイが感激している


「なぁシイ、悪かったなぁ」


「え?何が?」


「親父さんへの対応だよ」


「あー、嬉しかったよ、ありがとう」


「へ?何が?」


「大ちゃん分かってないの。いつもだけど」


「ほんとだよね」


「あははは」

「うふふ」

「くすくすくす」


三者三様、

改めて見ると、シイも2人に負けない美少女だ。

ベルとシイは同じ13歳。

あと3年で成人という事になる。

マミに言われた事を思い出して、

二人をちゃんと妻として迎え入れるように気持ちを整えて行こう。


そんな事を考えていると扉がノックされた。

 

コンコン


「はーい」


ラスティが対応してくれた。


「ダイサク、仕立て屋さんだよ」


「あそっか、衣装作るんだった」


ルース以外の採寸を1人ずつ済ませた。


仕立て屋は4人が5人に増えて、

叙爵式に間に合うか不安気だったが、

結局は4人になったので胸を撫で下ろしていた。

それでも急いで仕立ててギリギリだそうだ。


急がせて済まないが、

恨むならマミちゃんを恨んでね。


さて、ではシイにはいろいろ話さなきゃならない事がたくさんある。


長い夜になりそうだ。



【読者の皆さま】


いつも読んでいただきありがとうございます。



小心者の私に、


↓ の★★★★★を押して勇気を下さい。


よろしくお願いします!




白村しらむら


↓ 作品一覧はこちら ↓

https://mypage.syosetu.com/1555046/


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