第七十七話 緊急会議2
マミはずかずかと俺達のテーブルに歩いてきた。
そして、
「この、たわけめ!!王都に着いてるなら何故連絡をよこさんのだ!」
「へ?だって連絡先知らねぇよ、どういう連絡方法か先に言ってけよ」
周りが騒つく。
「おい、あれマミ様だよな?」
「王族がこんな所に何の用だ?」
「あいつ何者だよ、タメ口きいてんぞ」
などなど聞こえてくるが、
知ったこっちゃない。
俺はお構いなくマミに文句を言う。
「そもそもこんな遠くに呼び出しておいて、久々に会ったらそれかよ」
しかし1番近くで驚愕してた者がいた。
マティとシイだ。
「あ、あ、あの…」
「マミ様…だよね」
驚く二人を尻目に、
マミちゃんは俺に向かって怒鳴る。
「だまらっしゃい!!」
俺は、やれやれというふうに、わざとらしく耳を塞いだ。
しかしマミの後ろの4人と、
ベル、ラスティは目線で微笑み合っている。
マミは呆れ顔になった。
「やれやれ、お主という奴は相変わらずじゃな、息災じゃったか?」
「うん、元気だ。マミちゃんも元気すぎじゃないのか?」
「うるさいわい」
「よう!4人も元気そうだね」
マミちゃんの後ろのシンクロ4人組に声をかける。
「ダイサク様、お久しぶりです、みなさんもお元気そうで、お仲間が増えましたか?」
「あーこの2人は違うんだ」
未だ驚愕しているが、
マティが何とか声を出した。
気を失わないマティは珍しいかも。
「あ、あの、お二人はどんな関係なのですか?」
「「ん?」」
「「腐れ縁だ」じゃ」
俺とマミちゃんは同時に答え、笑いあった。
「まぁ座ってよ」
「あまり時間は取れんが、まぁ良いじゃろ」
周りからは喧騒が無くなって、
信じられないくらい静かだった。
みな息を飲んでいる。
「それで?この2人は何者じゃ?」
マミはマティとシイを指して質問してきた。
「ぼ、僕はマティス・カニス、こっちは妹のシイです」
マティが緊張しながらも答えた。
「ほお、カニス家の」
「あ、あの、マミ様!あたしダイサクと結婚したいんです!」
シイがマミに向かって言った。
「ん?」
「あ、こらシイ」
「あたし、ダイサクと手合わせして、負けたんです。でもそれで好きになったんです!結婚したいんです!」
「ふむ、良かろう、認める」
何故かマミは即答でシイに許可を出してしまった。
「はーーーいーーー?!待て待て待て待て、なんで即答なんだよ!おかしいだろ」
「たわけ!」
ごちっ
「いってっ」
何故かゲンコツを食らった。
解せぬ。
「ばかたれ!女にここまで言わしといて何を言っておるか!」
マミちゃんはシイに向き直り言った
「シイ・カニスよ、そなたをダイサク・サクラの第3夫人候補として認める。まぁダイサクが嫌になったらいつでもフルと良い」
「あ、ありがとうございますマミ様!」
「えーなんで勝手に決めんだよ!」
ごちっ
またゲンコツを食らった。
「いてーーな!」
マミはラスティとベルに向き合い言った。
「すまんがそういう訳じゃ」
「はい、分かりました」
「うん、分かったの」
二人共あっさり承諾してしまった。
えっ良いのか?!どういう事だ?!
「良いのかよ?!まぁ俺結婚するとか言ってないけどさ」
「アホタレ、伯爵になる者が妻の10人や20人いないでどうする?それにまだ幼いとは言えこんな美人に言い寄られて男みょうりに尽きるってもんじゃ」
「は、伯爵?!」
シイが驚いて声を上げる
「なんじゃ?お主言うておらんのか」
「今日初めて会ったばかりなんだ、そんな話ししてないよ」
「ふむ、シイよ、こやつはある功績が認められてな。その功績とこやつ自身の強さでダイサクは伯爵となる。功績については後で聞くが良い。ああ、それと、こやつは既に領地を持っておるぞ」
「凄い…」
「ダイサクよ」
「なんだよ」
「これからお主の地位に惚れる女はたくさん出てくるじゃろ。しかしお主自身に惚れてくれる女はなかなか居ない。大切にせよ」
「むむぅ」
「それと」
マミはラスティを見て言う。
「ふむ、おぬしら仲直りしたんじゃな」
「はい、えっと、それで」
ラスティが返事をしたが、
俺から言う事だろうな。
「あぁ、報告しなきゃだな。あーおほん。マミちゃんがこっちに戻ったあと、えーと、いろいろありましたが、俺達結婚しました。」
「「「「おお、おめでとうございます」」」」
シンクロ4人組がシンクロして言ってくれた。
やはりちょっと照れる。
「そうかい、それはおめでとさん。次はベルちゃんじゃな」
マミは優しい表情を浮かべて言ってくれた。
「うん!」
ベルが嬉しそうに応える。
俺はちょっと苦笑気味になっていた。
そんな俺にマミちゃんが言う。
「ダイサクよ、お主ベルちゃんは娘だから結婚とかは考えられないという顔じゃぞ」
「えっ?」
全く、この婆さんはいつもながら鋭い。
「良いかダイサク、ベルちゃんとシイは確かにまだ幼いかもしれんが、お主を慕ってここにいるのじゃ。その者達に応えるのも、男の器量じゃぞ。娘が欲しくば妻達と子作りに励めば良かろう。妻の一人として認識してやらねば、この者達が報われんぞ」
マミちゃんの発言が、ちょっと俺の胸に刺さった。
たしかに、ベルはずっと俺の嫁になりたがっている。
なのに先にラスティと結婚して、
今だにベルを恋愛対象としては見れない自分がいる。
側から見たら、ベルは不孝に見えるのかもしれないし、
俺がベルの立場なら、きっと寂しいに違いない。
「まぁあとはお主の問題じゃ。マサユキもそうじゃが、女に対して異世界人は誠実が過ぎるわい。ま、それが良いところでもあるのじゃがな」
「あ、あの…」
そこでシイがまた発言した。
「異世界人?」
「ああ、そうそう、俺は異世界から来た異世界人なんだ。俺がいた国は一夫多妻じゃなかったから、戸惑う事多くてね」
「でもダイちゃん面白いんだよ」
「うん、ダイサクは変わってて面白い」
「「「「凄く良い人ですよ」」」」
「こそばゆいからやめてくれ」
「凄い…」
シイは驚いてばかりだな。
と思っていたら、そんなシイの様子を見てラスティが言った。
「やっぱりそういう反応になるよねぇ」
「うんうん」
ベルも同意していた。
「ふむ、ではそろそろ本題じゃ、お主を探しておったのは他でもない、叙爵についてじゃ」
「ああそうか、叙爵かぁ。」
ごちっ
またゲンコツを貰った。
「いてーーよ!なにすんだよ!」
「他人事じゃないのじゃ!自覚せんか!。とりあえず、叙爵の準備をしなきゃならん」
「準備?そっちで進めてないのか?」
「たわけ、お前さんの準備じゃ。仮にも王に謁見するのに、礼儀作法も何も知らなかろう」
「あ、俺か」
「あと服装に、ん?お主、それは刀か?」
「あ、そうそう刀を作って貰ったんだ」
「マサユキも刀を作って貰っておったが、日本人は皆刀を下げとるのか?」
「いやぁそういう訳じゃないんだ、せっかく剣と魔法の世界に来たんだったら、刀を持ちたいって思っただけ」
「ふむ、まぁ剣はそれでも良いが、ベルちゃんや、短剣は持ってきとるかな?」
「うん、ちゃんとあるよ、ベルの宝物なの」
「うん、ならあとは服装じゃな。服は出来上がるまでに時間がかかるでな」
なるほどそういう訳か、
要するに、余裕を持って王都に来たのは、
王に謁見するのに足りない物をいろいろ揃えたり、最低限マナーなどの教育が必要なのだな。
だったらそれも先に言えよな。
「それとシイじゃな。正装はあるか?」
「はい、えっとでも暫く着てないのでサイズが合うか分かりません、というか、あたしも謁見して良いんですか?」
「何を言うとる、お主もダイサクの身内になったんじゃろ、其方ら全員で王に会うのじゃよ」
「わたしは会わにゃいぞ」
とはルースだ。
「人間如きにょ王に、何故わたしがわざわざ会いに行かねばにゃらんにょだ」
「それもそうじゃのう、仕立て屋には4人と伝えておったのじゃが、シイを入れて5人になるところじゃった。このまま4人の仕立てで良さそうじゃな」
「そういやマミちゃん、報告があるんだが」
「まて、その前にルースや、そなたに謝らなければならない事があるのじゃ」
「ふんっもう知ってるにゃ、バンジスの事だにゃ」
「そうそう、俺もその事の報告なんだよ」
「なんと」
俺はギガバース村の事を詳しく、
周りに聞こえないように話した。
「なんと、バンジスがのぉ…」
「そういう訳にゃ、マミよ謝ることはにゃいにゃ」
「ふむ、しかし約束を違えた事に変わりはない、わしの不手際じゃった、ルースよすまぬ」
「ふん、良いにゃ」
「お、王族がネコちゃんに、謝ってる…うぅ」
「あ、ちょっとお兄ちゃん!」
マティがとうとう気を失った。
マティよ、今までよく耐えてたな。
そんなマティを尻目に、
俺はマミに聞いてみた。
ギガバース村と名付けたが、
街でもない土地に勝手に住んでも良いのかという事。
マミの答えはこうだった。
「特に問題はないじゃろ。魔物を自分たちでどうにかできるなら、むしろ国としてはありがたい」
「そうなのか?」
「村とはいえ、人々が住む所が出来たという事は、国力も増えるという事じゃからな。そのままお主が領主で良いじゃろ」
「そんな簡単なのか」
「この世界は魔物が蔓延っとるからの、そうそう町や村を増やす事は出来んのじゃ。悪ささえしなければ、自主的に集落ができるのは歓迎じゃ」
「なるほど」
「話は終わったか?そろそろ行かねばならん」
マミはそういうと立ち上がった。
では俺たちも行くとしよう。
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白村
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