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トンネルを抜けたら異世界だった  作者: 白村
第二部 旅路編
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第七十三話 王都ヴァスレイアー


ロマーシアを出て2日経った。

旅の道中で新年を迎えた訳だが、

まぁ良しとしよう。


俺達は王都に向かっている。

王都まで通常の馬車なら3日ほどの道のり。


俺達は俺の愛車での旅路なので、

何事も無ければ今日の夕方には着く見込みだ。


「そう言えばマティ」


「はい?」


「お前王都に何の用事だ?」


王都までの護衛を引き受けていたが、

どうしてマティが王都に用事があるのかは知らなかった。

忘れがちではあるが、

マティはいちおう俺たちの雇い主だ。


「あれ?言ってませんでしたっけ?王都には自宅があるんですよ」


「へぇ」


「マティのお家はお金持ちなの?」


とはラスティだ。


「いえ、王都に住んでるとは言え、お金持ちとは言えないかもですね。」


王都に住んでるのは金持ちが多いらしい。


「そもそも何で冒険者になろうと思ったのさ」


「それはそのぉ、憧れと言いますか、男なら一度は冒険者になりたいですから」


「へぇ冒険者ってそういうもんなんだ」


「ダイサクさんせっかく冒険者になったんですから、冒険してみて下さいよ、凄く強いのに勿体ないですよ」


「いやぁ俺はどうかなぁ、領地の事もあるし、戻ったらまた大工だろうなぁ」


「ギガバースの人達どうするの?」


とはベルだ。


「そうなんだよ、それも何とかしないとねぇ、バン…バースのやつ上手くやってるかな」


バンジスと言いかけて、俺が名前を改名したのを思い出した。今はバースという名前だったな。


何にしても王都からの帰りもいろいろある。

俺は大工なんだけどなぁ。


「あ、見えてきたよ」


助手席のラスティが遠くを見て言った。


領壁が見えて来ている。


「あれが王都の領壁か、でかいな」


「懐かしいなぁ」


「あ、そうか、ラスティも王都にいたんだっけ」


「そうなんですか?」


「うん、12歳の時に魔法学校行ってたの」


「へぇ、そうなんですね」


「そこでいろいろ覚えたんだけど、ルースちゃんの教えの方がずっと良いと思う」


「ふん、当然にゃ。それより腹が減ったにゃ。早く王都とやらに行って飯を食うにょだ」


「へいへい、てか魔力食うんじゃなかったか?」


「別腹にゃ」


そんな他愛のない話をしてる間に、

愛車は領門を潜ろうとする馬車の列に到着した。


「こりゃ結構かかるかな?これみんな貴族だよな?」


大きな領地の領門には貴族専用の門と一般の門の二つがある。

サクラの街は一般と貴族は分けられていないので門は一つしかなく、

ロマーシアに来た時に貴族専用の門があったので、そこで初めて知った。


俺達は当然貴族門に並ぶ。


他の街では貴族門は空いているが、

ここ王都の貴族門は混んでいた。


時刻はそろそろ16時。

車に乗ってる間は、

ベルに頼らずとも車のデジタル時計で時間がわかるのだ。


長い列とは言え、

貴族の入門の手続きは簡単なもので、

直ぐに順番が来た。


「長旅ご苦労様でした。お名前をお聞きします」


門の衛兵が礼儀正しく聞いてくる。


「ダイサク・サクラと申します」


「サクラ…あ!サクラ様でございますね!遠路遥々ご苦労様でした。また、この度の叙爵、おめでとうございます」


叙爵(じょしゃく)=爵位を授けられる事


「あ、ありがとうございます」


「これはありがたいお言葉ありがとうございます。どうぞお通り下さい」


「はい、ありがとうございます」


「ダイサク、もっと偉そうにしてて良いと思う」


隣でラスティが笑いながら言った。


「そうかなぁ」


「僕もそう思いますよ。ダイサクさんみたいな貴族は見たことないです」


「なんかさぁ威張ってる奴って滑稽に見えてさぁ、あーわなりたくないんだよね」


「まぁお主は変わった奴だからにゃ」


「こういう貴族がいても良いじゃん。さて、じゃぁどの客引きにしようかね」


俺は門を潜った先の広場に出て、

いつもの客引き達をみて言った。


テルさんみたいな女将が良いなぁ。


と思ってたら数人近付いてきた。


女将と従業員みたいな感じ。


俺は適当に車を停めて、

運転席から降りた。


「こんにちは、サクラ様でいらっしゃいますね、王族の方より承っております」


そう言って女将らしき人物は、

胸に手を当てお辞儀してきた。

後ろの従業員もそれに従う。


「この度は、叙爵おめでとうございます。また遠路遥々ご苦労様でございます。私は女将のカティと申します。マミ・アストライア様にくれぐれもと承っておりますので、どうぞ心置きなくお過ごしくださいませ」


「あー顔を上げて下さい。えっと、すいません、堅苦しいの無しでお願いします。苦手なんですよ」


俺は苦笑いしながら答えた。


その間に

ラスティ、ベル、ルース、マティが続いて降りてきた。


女将は顔を上げると、

なんとも素っ頓狂な表情をしていた。

後ろの従業員も戸惑っている。


「紹介します。こちらが妻のラスティオ、側近のベル、使い魔のルース、そしてこいつがいちお俺達の雇い主のマティスですが、依頼はここまでなので、宿には行きません。どうぞ短い期間ですがお世話になります」


ちょっとベルが膨れっ面?


「あ、そうそう、このベルは側近ですが、その、将来の妻候補でもあるので、そう言う対応でお願いしますね」


おっとベルさん、途端に嬉しそう。

可愛いっす


というか、妻候補とは言ったものの、

やはり娘なんだよなぁ。


「あ、あの、サクラ様は伯爵様になられるのですよね?依頼?」


「そのようですね、あ、僕は冒険者でもあります。なので、ここに来るついでに依頼を請けたんですよ」


しばらく間が開き、


「ぷ、うふふふふ、あ、ごめんなさい、伯爵様になられる方が、ずいぶんと親しみやすい方なので、安心しました」


明るい表情になった女将は、

けっこう美人だ。


なんだろ、この世界は美人が多い気がする。

まぁラスティとベルが宇宙一だけどね。


「マミ婆…マミ様から何も聞いてなかったんですか?」


「いえ、特には。手厚くもてなすように言われましたので、正直言って怖いお方なのかと思っておりました」


「そうなんですか、まぁ僕はこんな感じですので、よろしくお願いします。」


そう言って、

俺達は宿に案内してもらい、

とりあえずチェックインした。


それから、

マティの依頼を完了するべく、

冒険者ギルドに行き、

依頼完了の手続きと報酬を受け取った。


しかし、さすがに王都だ。

それなりに人が多い。

ギルドも大きくて混んでた。


まぁ人が多いのは、

年明け直ぐだからというのもあるのだろう。

サクラの街と同じように、

屋台が多く出店しており、

お祝い騒ぎだ。


俺達は屋台をめぐり、

みんなで心ゆくまで楽しんだ。

当然だがラスティは数店の食材を食べ尽くしたのだった。


さて、そろそろかな。


「じゃぁマティ、お別れだな、元気でな」


「マティさよなら」

「またなの」

「ふん」


「みなさん、ありがとうございました。楽しい旅でした、みなさんもお元気で」


心なしか涙声のマティ


「まぁしばらくは王都にいるし、また会う事もあるかもな。またな」


「はい、ありがとうございました」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


マティと別れ、宿屋に戻る。


宿屋はかなり大きな建物だった。

マミちゃんが予約してくれてた部屋は大部屋で、しかもその中にも部屋がいくつもあり、

最大で20人くらいは泊まれそうな部屋だった。

スイートルーム的な感じなのだろうか。


それにしてもいくらなんでも広すぎだろう。

と思ったが、

伯爵クラスの貴族ともなると、

一世帯が大人数だったり、

メイドとか連れてたりするから、

このくらいが当たり前のようだ。


確かに召使い用と思われる部屋もあった。


貴族ってすげーな。


でも俺達は4人だぞ。


リビングルームの窓から外を見ると、

遠くに城が見えた。

多分あれが王城なのだろう。


この世界の建物は飾り気の無い建物ばかりだけど、

王城ともなるとそれなりに城っぽい造りのようだ。


15日にはあそこで叙爵式が行われるのか。

マミちゃん達に会えるかなぁ。


そんな事を思いながら、

身を清めてベッドに転がる。

俺達が寝ようと決めたベッドは、

ダブルベッド2つ分くらいの大きさがある、

デカいベッドだった。


真ん中あたりに大の字なって、

伸び伸びしてたら、

眠くなってきた。


なんだかんだ疲れたな。


俺はそこで寝落ちした……






【読者の皆さま】


いつも読んでいただきありがとうございます。



小心者の私に、


↓ の★★★★★を押して勇気を下さい。


よろしくお願いします!




白村しらむら


↓ 作品一覧はこちら ↓

https://mypage.syosetu.com/1555046/


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