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トンネルを抜けたら異世界だった  作者: 白村
第二部 旅路編
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第六十六話 幻術使いの男


ルースに敵意と言われ、

入り口を振り返る。


そこには鎧姿の男が俺を睨んで仁王立ちしていた。

その背後には、フォルンがのした男を数名で介抱する姿が見えた。


あぁ、お仲間か。


「てめぇ、よくも俺の弟をやってくたな」


「えっ?!俺?!」


「とぼけるな!目撃者に聞いたんだぞ、やった奴はこの店に入ってったってなぁ。てめぇ以外にいねぇだろが!」


まぁ確かに、俺以外ここにいるのは、

美少女4人と爺さん1人。

俺が倒したと思われるのは自然だな。


しかし誤解も甚だしい。


「あの、それはですね、」


「あたしだよ!」


「あ?」


「悪口を言われたからあたしがやったのさ、お客様は関係ないよ」


「馬鹿言うんじゃねぇ、お前みたいな小娘にやられるわけねぇだろ!」


「あ?!今何つった??あ?!?!」


あれ?フォルンがまたキレた。

小娘、そうか小娘と言われるとキレるようだな。

やれやれ。


「これフォルン、プレートをよく見ろ」


怒鳴り込んできた男の胸に、

これ見よがしにルビー級のプレートがくっ付いていた。


「じぃは黙ってて!ルビー級だか何だか知らないけど、悪口言った奴は許さないよ!」


「この小娘が、身の程を教えてやる」


こりゃぁまずいかな。


「なぁ爺さん、この刀まだ使えるかな?」


「ん?あぁ、魔力を流しすぎなきゃ何とかなるじゃろうが、どうする気じゃ?」


「このまま黙ってたんじゃ男が廃る」


「相手は格上じゃぞ、お主らも止めんか!」


スミス爺さんはラスティやベル達に訴えたが、

聞く耳はもちろんない。

何せ俺が敵わなくても、

ルースが居るからなんとでもなるんだよね。


それに俺がついこないだ倒したゴースも、

自分でルビー級だって豪語してたが、

大したことなかった。


俺は刀を取り、

男に振り返る。


見るとフォルンがハンマーを男に振り上げているところだった。


男も剣を抜いてハンマーを受けようとするが、

フォルンの狙いはまさにそれだった。


ハンマーの軌道を変えて剣の横っ腹にハンマーを叩き込んでいった。

最初の男の自慢の剣を叩き折ったのもこれだったようだ。


しかし、ハンマーは剣に当たらずに空振りしてしまった。


あれ?

今剣に当たったように見えたが。


「えっ?!」


バランスを崩したフォルンの脇腹に男の蹴りが入る。


ドスっ


「ゔぇっ」


がしゃーん!


フォルンが吹き飛ばされ店内がめちゃくちゃになった。


「フォ、フォルン!!」


スミス爺さんがフォルンに駆け寄る。


男は嫌らしい笑みを浮かべながら言った。


「思い知ったか小娘」


男は尚もフォルンに追い打ちをかけようと、

店内にずかずか入ってきた。

俺たちが目に入らないようだ。


「ぐ、このクソやろ…」


駆け寄ったスミス爺さんがフォルンを庇う。


「も、もうやめてくれ」


「いいや、弟の仇だ。許さねぇ」


「おい兄ちゃん」


「あ?」


バキっ


俺は男の顔を殴って、

男を店の外に吹っ飛ばした。


最初にフォルンが倒した男を解放してた連中にルビー級の男はぶち当たって止まる。


「ぐっ、て、てめぇ」


「お前の相手は俺だろ。男のクセにか弱い女子に乱暴するなハゲ」


「おおおぉぉ」っと店内から小さな歓声が上がる。

ラスティとベルだ。


『ルース、フォルンさんの治療頼む』


『もうやった』


『さすがルース』


『あ、あれ?なんか声が聞こえる』


『やぁラスティ、これは念話だよ、俺達だけで話せるんだ』


そう言えばラスティもルースと契約したんだった。

みんなで念話出来るぞ。


あれ?誰か忘れてないか?


あ、マティスだ。

あいつどこ行った??


「てめー!何を呆けてやがる!おらー!」


ルビー級の男が剣を振り下ろしてきた。


俺は紙一重で避けようと相手の動きをマジカルアイで追う。

ん?なんか不自然だぞ?


『飛び退け馬鹿者!』


ルースの念話が飛び込んできた。

その瞬間、俺の脳天を狙ってたはずの剣筋は、

完全に俺の胴への一撃を狙った剣筋に変わっていた。

紙一重で避けられるどころか、

このままでは思いっきり食らってしまう。

 

「くっ」


俺は咄嗟にルビー級の男の間合いから飛び退いた。


「ちっ、勘の良いやつめ」


ルースのひと声が無ければ気付かずにやられていたところだったようだ。


『幻術の一種だ。お主のマジカルなんとかなら見えるはずだ、油断するな馬鹿者』


俺の疑問をルースが答えてくれた。


『なるほど、そういう事か、ありがとうルース』


たしかに油断してたな。

まかりなりにもルビー級、

油断大敵だ。


「次は避けさせねぇぞこの野郎」


男は前屈みになって剣を横に構えた。

なんとなく居合いみたいな構えだ。

どうする?


と、そこへ、


「衛兵さーん!こっちです!早く早く!」


ん?マティスか?


「おい!何をやっている!闘技場以外での乱闘は禁止だぞ!」


数人の衛兵がこっちに向かって来る。

俺が悪い訳ではないのに、

何だかドキドキする。


「おい小僧。決着は闘技場だ。明後日の開催で待ってるぞ。逃げんじゃねぇぞ」


ルビー級の男はそう言って、

仲間達と逃げて行った。


小僧だってさ。

俺の方が間違いなく年上だろうに。

まぁ見た目が若くなってるので仕方ないか。


それからは衛兵さんにこちらに非はない事を説明し、

お引き取り頂いた。

 

その後で俺はダンジョンの説明を聞いていた。


要約するとダンジョンは生き物という定義だそうだ。

お宝で人間を釣って、

ノコノコダンジョンに入って来た人間を食うという事だ。

そしてダンジョンの中は魔素が濃い。

濃い魔素が溜まると魔物が良く発生する。

そうした魔物はダンジョンに棲み、

人間を狩って自分の餌にして、余はダンジョンの養分となる。

つまり共生関係にあるようだ。


なるほど、と納得した。


しかしダンジョンには謎も多い。

洞窟の中なのに森林があったり、

湿地帯も確認されているのだとか。

ある意味異世界だ。


そして何より餌になるお宝だ。

金銀財宝はもちろん、

伝説級の武器や防具、

貴重な鉱石まであるらしい。


今回の俺の目的はその鉱石なんだが、

さて、どこに行けばダンジョンがあるのか?

そもそも確実に鉱石は手に入るのだろうか?


いろいろと疑問があったが、

フォルンがある事に気が付いた。


「そう言えばあの馬鹿冒険者、闘技会に出るって言ってたね。今度の闘技会は明後日…あ!」


「なんじゃ?フォルン」


「闘技会の賞品、オリハルコンって噂だよ」









【読者の皆さま】


いつも読んでいただきありがとうございます。



小心者の私に、


↓ の★★★★★を押して勇気を下さい。


よろしくお願いします!




白村しらむら


↓ 作品一覧はこちら ↓

https://mypage.syosetu.com/1555046/


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