第五十三話 手紙
11月22日
ーラスティ目線ー
「ラスティ手紙が来てるわよー」
手紙?
「はーい」
私は手紙を手に取ります。
差出人は、タルタス、店長です。
うわぁ早く帰って来いって事?
もう少しだけ待って欲しいなぁ。
うーん、後で読もう。
私は手紙を、自室のテーブルの上にポンと置いて、
夕飯の支度をしているお母さんの手伝いをしました。
夕飯を堪能して、
後片付け。
湯浴みをして、部屋に戻りました。
あ、手紙来てたんだっけ。
いちお読んでおくかな。
そう思って手紙を手にかけたら、
「おーいラスティ手を貸してくれー!」
お父さんの声です。
少し慌ててるようですが、どうしたんでしょう。
私は手紙を放り投げて、急いでお父さんの元へ行きました。
その時、私は、手紙がテーブルの影に入った事に気が付きませんでした。
お父さんのところに行くと、
牛の出産が始まったそうで、
手を貸して欲しいそうです。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
23日
牛の出産は大変でした。
朝までかかりましたが、なんとか無事に終わりました。
新しい命の誕生は、いつも感動します。
牛舎から帰って、湯浴みをして自室に戻り、グッスリ寝ました。
目が覚めたら、既に夕方でした。
夕飯の支度を手伝って、夕飯です。
いっぱい食べました。
部屋に戻りました。
さっき起きたばかりのような気がしますが、
もう眠くなってきました。
満腹になるとどうして眠くなるのでしょうね。
また、ぐっすりと寝ていました。
24日
朝目が覚めました。
起きて身支度をします。
ハンガーに掛けてある、
ダイサクさんに頂いた服が目に入ります。
服の前に立って眺めます。
ベルちゃんとお揃いで頂いた可愛い服です。
ふと胸騒ぎがしました。
あれ?何か忘れてる気がします。
振り向いて、ん?と首を傾げました。
あ、ベッドの下に何かある。
手に取ると、店長からの手紙でした。
あっ忘れてた。
何で下に落ちてたの?
読まなきゃ。
私は手紙を読みました。
その内容に私はとてもびっくりしたのです。
うそ、ほんとうに!?
「え?!今日何日?!24日?!嘘でしょ?!」
手紙を読んで、私は居ても立っても居られなくなりました。
急いで旅支度をします。
「お母さん!!お父さん!!」
「何だ?!ラスティ、え?!どこか行くのか?」
「ごめん!サクラに戻る!!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
私は馬を走らせました。
乗り合い馬車では間に合わないのです。
「急げ!」
「急げ!」
「お願い急いでー!!」
『ラスティオへ。
タルタスだ。お父さんの具合はどうだ?まぁ11月に戻ると手紙にあったからな、お父さんは大丈夫なのだろ?
それよりお前に急ぎ伝えたい事がある。
10月に、領主様がお前を訪ねて店に来た。お前は顔だけは良いからな。
それで服を贈りに来たみたいだっから、追い返そうと思ったんだが権力にびびっちまった。
正直に11月に戻る予定だと言ったら、
どうなったと思う?
領主様は11月に入ってから、
毎日店に来るようになった。
毎日お前の帰りを待ってんだよ。
お前の顔だけ目当てでこんなに一生懸命になれねーと俺は思った。
だから、俺は領主様を飲みに誘ったんだ。
無礼を百も承知でよ。
そしたら快く受けてくれたぜ。良い奴だぜ領主様はよ。
お前が絶賛してた焼き肉食べ放題に行って、領主様と飲んだらよ、そしたらなんて言ったと思う?
あの店は領主様がお前の為に作ったって言ったんだ。
ラスティオが喜んでたって伝えたら、領主様はすげぇ嬉しそうにしてたぜ。
好きな女の為に店を開くなんて、そんなヤツ見た事ねーよ。俺はマジで泣きそうになったぜ。
だからよラスティオ、早く帰ってきてやってくれ。店の事は良いからよ。領主様の為に早く帰って来い。
領主様は12月5日に王都に向けて出てっちまう。
いつ帰るかわかんねぇって言ってた。
しかも異世界の車って奴で行くから、すげー速いらしいんだ。追いかけても追い付くなんてできねぇみたいだ。
間に合わなきゃ俺も引き止めるからよ。
出来るだけ急いで帰って来い。
11月15日 タルタス』
手紙を読んで、私は自分の気持ちに嘘をついていた事に気が付きました。
諦めようとして、もう気持ちが落ち着いていると思っていました。
でも違いました。
「やだ、行かないで」
私だって好きなんだから!
大好きなんだから!!
行かないで!!!
【読者の皆さま】
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白村
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