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トンネルを抜けたら異世界だった  作者: 白村
第一部 ギオールの街編
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第十一話 炊き出し準備

貧民街から出て商店街に戻って来た。


ベルは自分から降りると言うので、

抱っこから下ろした。


今は手を繋いで俺の左側を歩いている。

一旦マミ婆さんの所に寄って、

炊き出しの手伝いをお願いするつもりだ。


何を作るかはベルと相談して決めよう。


あと、何も考えずに行動していたが、

一応、商人アルバに炊き出しの事を言っておいた方が良いだろう。


当然だが、ここは日本ではない。


この国や街の決まり事や、

この世界の常識に習慣。

文化的な違いから、

炊き出しをする事に何か問題があったら困るからな。


あれやこれや考えてるうちに雑貨屋に来た。


「やぁマミ婆さん、また来たよ」


「お前さんは暇なんじゃなぁ、あらベルちゃんや、良く来たねぇ。おや?どうかしたのかい?」


俺とベルと対応違くねーか?!

まぁ良いけど、

ベルの顔を見たマミ婆さん、

ベルが泣いた事に気が付いたみたいだ。


さすが年の功。


「んーん、なんでもないの」


ベルは健気だ。


「ちょっと貧民街に行って来たんですよ。その時に父親がいましてね。」


「あ?!なんだって?!あんたベルちゃんになんて事したんだい!!」


「いやいやいやいやいや、何したって言われても」


マミ婆さんに怒鳴られてあたふたする俺。


「マミお婆ちゃん違うの、ご主人さま凄く優しかったの、あたし凄く嬉しかったの」


ベルは俺を庇ってくれた。

なんかほんとに嬉しそうな顔してるし

ちょっと赤くなってる。


というか、敬語が無くなってる。

距離感がだいぶ縮んだようだ。


マミ婆さんはそんなベルに笑顔になる。


「おやまぁそりゃぁ良かったねぇ、ベルちゃんが嬉しいならマミ婆ちゃんも嬉しいよ。何があったかはこのサクラに聞いとくよ」


何がマミ婆ちゃんだ。

ちゃん付けする歳でもないだろ。


「んで?」


ドスの効いた声で婆さんが俺に聞いてくる。


「んと、あ、俺が新しい親父だって、ガツンと言ってやりました!」


まぁ嘘は言ってないよ。


マミ婆さんはきょとんとしたあとに、


「そうかい、ベルちゃん、あんたは見る目あるね」


これって、

遠回しに褒められたんだよな?

そういう事にしとこう。


「それでね、マミ婆さん、ベルは貧民街を救いたいって思ってるんだ。だから近いうちに貧民街で炊き出しをしようと思ってね。預かって貰ってるのはその為の道具なんだよ。」


「あぁ、なるほどねぇ、炊き出し用だったのかい。また大きな獲物でも煮込むのかと思ってたよ。ひゃひゃひゃひゃ、ベルちゃんや、仲間を助けたいだなんて、あんた偉いねえ」


マミ婆さんがベルの頭を撫でる。

ベルも嬉しそうだ。


俺はマミ婆さんにも聞いてみる事にした。


「貧民街で炊き出しするのに、その、問題とかありますかね?」


「ん?何の問題があるって??」


「いやほら、俺は日本人だったから、こっちの常識とか文化的な意味で。」


「ふむ、そういう事かい」


マミ婆さんは少し考え込む


「特に問題は無いと思うがねぇ」


「なら安心しました。いちお商人アルバにも聞いておこうと思ってます」


「それが良いね」


「炊き出し当日は、すいませんがお手伝いお願いできませんか?鍋とか食材を運ぶ手段が無いので、マミ婆さんが来てくれると大いに助かるのですが」


「ふんっ行ってやるよ。あと何人かに声かけて手伝わせるよ、人数は多いに越した事はないからね」


「ありがとうございます!」


「マミお婆ちゃん、ありがとう!」


ベルも満面の笑顔でお礼を言う。

マミ婆さんも笑顔で応える。


「良いよベルちゃん、ベルちゃんが嬉しそうだと、わしも嬉しいからのぅ」


「明後日あたり決行しようと思ってます、よろしくお願いします。」


「ん!分かった」


マミ婆さんは力強く頷いてくれた。


「ではこれから商人アルバの所に行って帰ります。ではまた。」


「お婆ちゃんまたね♪」


「はいな、気をつけて帰んなぁ」


俺とベルは手を繋いで歩く。

はたから見たら親子で間違いないな。

あ、俺若返ってるんだっけ。

つい忘れがちだ。

ま、まぁ親子に見えなくもないだろう。


もう時刻も夕方だ。

商人アルバの所に行って、

明日のアポでも良いか。


と思いつつ商人アルバの店のドアを開ける

受け付けにちょうどアルバが居た。

俺を見たアルバ


「おお、ちょうど良かった、サクラ殿、お話があったんですよ。」


そう言ってすぐに奥の応接室に通される。


「お話しって何ですか?」


「こないだのパーティーで紹介したマルコス子爵様を覚えていますか?」


「はい」


「家を建て替えする事になったので、是非サクラ殿にお願いしたいと言われましてね。請けてくれますよね?」


「おお、それは凄い。是非やらせてもらいます。」


「ははは、サクラ殿ならそう言ってくれると思いました。では早速明日にでも子爵様に連絡しますよ。」


「即答はしましたが、一応、俺の手に負えるかどうかは、打ち合わせの時に判断させて下さいね。貴族様のお住まいは想像できませんので。」


「ははは、解りました。で、サクラ殿の要件は何ですか?」


「はい、今度貧民街で炊き出しをして、食べ物を振る舞おうと計画してます。それに関して何か問題がないか確認しようと思いまして」


「炊き出しですか、また奇特な事を」


商人アルバは苦笑して、チラッとベルを見る。


「ベルは見違えましたな。最初は分かりませんでしたよ」


「ええ、こんなに可愛いとは思ってませんでした。貧民街の人達を助けたいと思うのはベルの願いでもあるのです。」


「そうですか、貧民街を見た事はありますか?」


「今日、ベルと一緒に下見に行って来ました」


「そうなんですか?!ベルの両親と遭遇しませんでしたか?」


今度は俺が苦笑して応える。

ベルもちょっと俯く。


「父親の方から近付いて来ましたが、特に問題はありませんでした。母親には会いませんでしたが、父親は愛情を持ってるようでしたね。ベルが10歳になったらお金を払う事は伝えておきました」


「そうですか、ところで貧民街の子供達はサクラ殿の所に押しかけたりしてませんか?それが心配ですね」


「今のところは来てません。今回の炊き出しはそれを防ぐ事も目的のひとつです。」


「なるほど、考えてますね、炊き出しに関しては特に問題は無いでしょう、むしろこの街を収めてる貴族様達に感謝されるかもしれませんよ。」


「感謝…ですか?」


「はい、何処の街も都市もそうですが、貧困層は悩みの種ですから。特にこの街の貧民層には子供が多いのも問題なのです。まぁ中には貧困層を利用して悪巧みする連中も居ますが、国としては国民全てが豊かになればそれに越した事はないですからね。国が動けば良いのですが、なかなか予算の問題もあって行動できないみたいです。」


なるほどね、どこの世界も同じという訳か。


「そうなんですね、それを聞いてますますやる気出ました。では、子爵様との打ち合わせが決まりましたらご連絡下さい。」


「分かりました、ではまたその時に」


「はい、失礼します」


ふう、何も問題が無くて良かった。

俺達は足取りも軽く、

二人仲良く手を繋いで宿に帰ったのだった。



【読者の皆さま】


いつも読んでいただきありがとうございます。



小心者の私に、


↓ の★★★★★を押して勇気を下さい。


よろしくお願いします!




白村しらむら


↓ 作品一覧はこちら ↓

https://mypage.syosetu.com/1555046/


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