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2-13 シルバースライム

3/3 明日も3話投稿します。よろしくお願いします。

 ガッキーーーーン!!


 鈍い音が辺りに響き渡る。


 ガキンガキンと音が続くが、その中にはパシュンという音も聞こえる。


 前者はカイトの木剣による剣戟の音で、後者はフェリアによる【精霊弾】の音である。


 ー-数分前。


 カイトとフェリアはスライムダンジョンのボスの間の前にいた。


 ダンジョンのボスは、出現層に降りた目の前の部屋にいる。

 その中に入れば扉が閉まり、ボスが出現することになる。

 

 スライムダンジョン10階層のボスはマジックスライム。

 ベビースライムの倍ほどのサイズで、【体当たり】だけでなく【マジックボール】を使ってくる。耐久力もそれなり。

 そういう話だった。


 カイトは【職業体験】で職業を【パラディン】に変更に、防御力を上昇させる【パラディンガード】を使用してから、フェリアと共にボス部屋の中へと入ったのだった。

 恐らく過剰だろうと思いながら・・・・。


 ところが出現したのは銀色の半球体だった。

 何が起こったのかと、一瞬呆けたものの、カイトはとりあえずターゲットを取るために攻撃を仕掛けた。倒さなければ出られないのだ。

 しかし、銀色の塊は硬かった。

 幸いにも攻撃してくることはなさそうだが、とにかく硬い。

 何度叩いても、強力なフェリアの【精霊弾】を何度ぶつけてもダメージを与えている様子はない。


 ー--『シルバースライム』


 こんなところで出るという情報は持っていなかった。

 レアボスという立ち位置なのだろうか。


 カイトはそんなことを思いながら、昔見た情報を必死で思い出す。


 『シルバースライムは非常に硬く、攻撃はしてこないものの、倒すのは困難である。倒すことが出来るのは唯一【商人】の【マナゴールドアタック】で30000マナゴールド以上使用した場合のみである。倒した場合、もしくは倒せないまま5分が経過した場合【マジックバースト】を放って逃げる厄介者である。ただし、倒せた場合多大な恩恵を受けるだろう。』


 こんな情報だった。

 カイトは慌てる。

 間もなく5分経過するだろうからだ。


 「フェリア!!防御態勢!!!」


 魔法に防御態勢が効くのかどうか。

 受けたことがないカイトには分からない。


 とりあえず、シルバースライムとフェリアの間に立って、非常に心許ない木製のラウンドシールドを掲げ、衝撃に備える。


 ちょうどそこへシルバースライムの【マジックバースト】が襲い掛かった。


 「ぐっ・・・!」

 「きゃ・・・!」


 範囲攻撃だけあってフェリアのダメージは避けられなかったようだ。

 幸い二人は2次職のレベル20超え。

 一撃で死んでしまうようなことはなかった。

 シルバースライムはこれで逃げるため、追撃されるようなこともない。


 その場には何も残されておらず、ボス部屋の扉も開いた。

 これでこの部屋から出れば、扉は再度閉まり再出現時間まで開かないはずである。


 「フェリア、大丈夫か?」


 「ええ。」


 「とりあえず部屋から出ようか。」


 「分かったわ。」


 そうして部屋を出る二人。

 

 ボス前の部屋は安全地帯で、モンスターが出ることもなく安心して休むことが出来る。


 「カイト、今のはなんだったの?マジックスライムじゃないわよね?」


 「多分シルバースライムだと思う。レアボスというやつだろう。」


 カイトは【ものまね】を【ヒール】に切り替え、二人に使用しながら答えた。


 「ありがと。やっぱり【ものまね】は便利ね。それであれの倒し方はあるの?待つしかない?」


 「倒したら多大な恩恵が受けられるって話があるんだ。また出現したら挑戦して見るべきだろうけど・・・。」


 カイトは自分の知っている情報をフェリアに伝える。


 「【マナゴールドアタック】で30,000マナゴールド使用・・・ね。それをするだけの価値はあるのかしら・・・?」


 「うーん、分からない。ただランク2ということを考えれば価値はないだろうな。別の方法で倒すことを考えたい。」


 【マナゴールドアタック】とは【商人】がレベル30で覚えるスキルで、『マナゴールドを使用した量に応じてダメージを与える』というスキルである。どんなモンスター・魔物にも通用し、商人が危険を退ける際、赤字を覚悟して使用するという話をよく耳にする。


 「それよりも今回のボス戦で思ったことがあるんだ。」


 「思ったこと?どんな?」


 「まず俺達は安全に狩りを進めてきたから痛みに弱い・・・んじゃないかと。俺自身は【遊び人】が低レベルの時に何度かダメージを負ってるけど、フェリアは一度もないだろ?」


 「ええ、今のが初めてのダメージだわ。いつもはカイトが守ってくれてるから・・・。」


 「今後、ランク2、ランク3と進めていく上で、このスライムダンジョンのような簡単なダンジョンはないだろう。ダメージを受ける覚悟もしなきゃならない。いや、してたとは思うけどもっと現実的にってことね。」


 「なるほど。確かにそれはそうね。受ける可能性は考慮してたけど、あんな痛みを突然感じたら動けなくなるかも・・・。いくつかって他にもあるんでしょ?他には?」


 「攻撃手段の確保。マジックスライムを想定してたから、俺が盾になって後ろからフェリアが【精霊弾】を放つ。それはそれでいいんだけど、フェリアの【精霊弾】が通用しなかったらもう打つ手がない状況はまずいと思う。」


 カイトの【ものまね】や【職業体験】は1時間のクールタイムがある。即応するという点では頼るのは難しいだろう。


 「それは確かに・・・でもどうするの?」


 「とりあえず俺の武器を新調しようかと。さすがに木剣でランク2ダンジョンに行くつもりはなかったけど、武器の有用性を改めて思い知らされたってとこかな?まぁどんな武器でもシルバースライムには通用しなかっただろうけど。」


 「それは賛成だわ。前にいてもらうのに貧弱な武器じゃ心配だもの。」


 「まぁここにいる間は必要ない・・と思う。シルバースライム対策を取ることを考えるとあった方がいいかもだけど、今日は必要ないかな。」


 「じゃあ今日はどうするの?」


 「予定通り、マジックスライムを倒そう。一度倒せば十分だと思ってたけど、魔法攻撃にも慣れたいし、ランク2モンスターの強さにも慣れたい。あと出来ればシルバースライムがまた出るかを確認したい。」


 「それはいいけど・・・、シルバースライムがまた出たらどうするの?」


 「一応考えはある。そのために俺は【マジックボール】が使えなくなるし、【パラディン】も外さないといけなくなるから・・・。まずは【パラディン】なしでマジックスライムを倒せるかの確認かな?」


 「了解。じゃあ次に扉が開くまで待機ね。」


 「そういうこと。時間確認しないとだしね。」



ー▼ー▼ー▼ー


 結局ボスのリスポーンは20分だった。

 リスポーンというより、再突入可能時間というべきか。


 次のボスは予定通りマジックスライムだった。


 「【パラディンガード】!」


 カイトはバフを使用してマジックスライムの前に立ち、木剣を叩き付ける。

 無事マジックスライムのターゲットはカイトへと固定され、ベビースライムと同様、少し縮みながら震え始めた。

 【体当たり】である。

 【ものまね】は【ヒール】だし、【パラディンガード】で防御力も上がっている。

 大きさは不安だが、盾を構えて衝撃に備える。


 ドンっという衝撃はあったが、それ以上は特にない。

 無事防げたようである。


 「フェリア!!」

 「【精霊弾】!!」


 フェリアの【精霊弾】が3発、マジックスライムを襲う。


 フェルム、リルム、アルムと【精霊契約】を済ませたフェリアは、3発同時に【精霊弾】を放てるようになった。個々の威力は上がらなかったが。

 精霊たちは契約によって疲れにくくなり、力を発揮できる時間が増えたようだった。

 【エレメンタルリンク】と同等の絆もあるため、非常に頼もしい。


 【精霊弾】は無事マジックスライムへと直撃し、ダメージを与える。

 マジックスライムはフェリアへと敵意を向けるが、すかさずカイトが追撃する。


 この流れがパターンとなり、比較的安全に戦うことが出来た。

 ただし、ほぼ同じモーションから【マジックボール】を使ってくることがある。

 【マジックボール】を防ぐことにも何ら問題はなかったが、使用後の隙が少なく、フェリアが攻撃を避けられるという出来事があったが、無事討伐に成功した。


 所要時間5分と言ったところか。

 【パラディンガード】の継続時間は10分あるので、本当に問題のない戦いだった。


 その後もマジックスライムと戦いを繰り返す。

 【パラディンガード】がなくても問題なかった。


 繰り返すこと10回目。3時間あまりが経過した時現れたのは・・・・。


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