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重力魔法の正体


「普通この手の魔法、うーーん魔法と言えるのかな? 魔法というよりはスキルね、ポーターが主に持っているスキルそれは体感を誤魔化す方法よね?」

 釈迦に説法と迄はいかないが、彼女は僕でも知っているポーターの特性を話始めた。

 薄暗くなってきた森、不安なのだろうと僕は黙って彼女の話を聞いていた。


「火事場の馬鹿力タイプって奴、人の筋肉って100パーセント使っていないのよね、頭が勝手に制限をかけている。それを解除する、いわば暗示を自身にかける方法、精神魔法に近いけど魔法ではない」

 魔法自体が特殊なのだから当たり前、持って生まれた才能、職種、遺伝的要素が高く攻撃魔法、回復魔法の持ち主はパーティーの中心として引く手あまたになる。


「グラビィティ家、いいえグラーブ村に伝わる秘伝の魔法……荷物、いいえ、その荷物だけではない、その物体自体に魔法をかけてその物体自体の重さを限りなく無くす、軽くする特殊魔法」


 歩きながらジェシカの話を聞く……それは僕の秘密……誰にも言っていない言ってはいけない僕の秘密が明らかになっていく。


 僕はそのジェシカの言葉を否定も肯定もせず黙って聞いていた。


「でも……貴方の魔法はそのどちらにも当てはまらない……だって、私の持っているこのゴールド、これの重さは変わっていない」

 決定的な事を言い始めたジェシカ、僕が振り向き荷物の上のジェシカを見上げると、親指よりやや大きめの金の塊を手のひらで転がし僕に見せつける。


 金……ゴールドと呼ばれる最高のドロップアイテム……ジェシカの持っている大きさの金はそれ一個で3ヶ月は遊んで暮らせる位の価値がある。


「そしてこうやったらもっとわかる」

 ジェシカは持っていたゴールドを上に向けて軽く投げた。


「あはははは、ほら落ちてくるスピードが遅い、凄く遅い……」

 そしてそのゆっくりと落ちてくる金をジェシカは思いっきり蹴り飛ばす。

 するとその金は真っ直ぐに飛んで行きある程度の距離で急速に落ち草むらの中に消えて行った。


「ふーーん、成る程ね」


「それを知ってどうする……」

 僕の魔法特性が明らかになった。誰にも言ってはいけないと言われた僕の魔法……。


「別に……ただ勿体ないなってね」


「勿体ない?」


「そう……貴方……何でポーターなんてやってるの?」


「何でって、僕にはこれしか」


「その物自体を軽くするのではない……貴方はこの世界の法則を基礎を変えている、その物自体にかけているのではない、この世の法則自体を変化させている……最高難度の魔法……重力魔法の使い手……よね?」


「!」


「あはははは、ビックリしてる……」


 僕の魔法……絶対に誰にも言ってはいけない、そして今までバレなかった魔法が……この金髪の美少女に簡単にバレてしまった。

 僕は後悔した……やっぱり助けなければ良かったと……僕は今、心の底から後悔していた。

 


ランキングには載れませんでしたが、諦めずに頑張りまっする( ;゜皿゜)ノシ

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― 新着の感想 ―
[良い点] SF作品としてあまり聞かない分野です。 ジェシカを救けたことによって、読みてにグラビティ家の家名を知らせる。 私はハードSF主食です。 なろうから、早川文庫SFシリーズに抜擢され、星雲賞…
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