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 さあて、お待ちかねの放課後だ。

 楽しみ過ぎて午後の授業はまったく頭に入らなかった。

 水島が言うには俺は五回も当てられたらしいのだが、ちっとも記憶にない。

 全部無視したらしい。まあ、どうでもいいや。


 ホームルームが終わると俺は一目散に二年c組へと駆けた。

 息も絶え絶え、教室に着くと、中に居る周藤明日香の元へと駆け寄った。


「もう、そんなに楽しみだったの?」


 ぜーはー言う俺を見て周藤明日香は笑った。

 あまりに楽しみ過ぎて、男として余裕のあるところを見せるのをすっかり忘れてしまったが、あまりに楽しみ過ぎたので仕方がない。


 二人、腕なんか組んじゃって、体育倉庫へと向かう。

 そこは放課後は誰も寄り付かないところで、エッチするにはもってこいの場所だ。

 しかし一つ気がかりだったのは、俺たちの後を五人の猿どもがぞろぞろと付いてくることだった。


「彼らはいったい?」


 俺が問うと周藤明日香は答えた。


「彼らは見張り兼ボディーガードよ」


「へえ、そうなのかい――」


 確かにいくらひと気が少ないからって、誰もやって来ないとは限らない。見張りが居れば安心して事が行える。

 助かるね。俺は露出とか羞恥とかの趣味は無いんでね。誰かに見られるかもってのはマイナス要素でしかない。


 さて、いよいよ体育倉庫にたどり着いた。

 もう期待で心臓がバクバクして破裂しそうだ。

 扉を開けて倉庫の中に入っていく。

 俺と、周藤明日香と、男がもう二人……、男が二人!?


「どういうことだ!?」


「だからボディーガードだって。偶に居るんだよね、お金払ってるんだから何やっても良いって勘違いしてる奴。そいつらから私を守ってくれるボディーガード」


「おいおい、俺を信用出来ないのかい?」


「そういう決まりだから」


 ――マズいことになったッ!

 男共に見られたら緊張しちゃって楽しめない。確かにそれもある。

 だが忘れていないか? 一番の問題はサツマイモだ。

 俺のデカいチンコの正体がサツマイモだとバレたら即エッチ終了、取り押さえられちまう。

 別に一般人二人くらい、多少ガタイが良いからって、どうってことはない。絶対俺の方が強い。

 しかし合計三人も居たんじゃ、サツマイモがバレる確率が上がっちまう!

 バレた後にエッチ続行とか絶対出来ないだろ。空気冷え切ってるよ。ていうか拒否られるだろ。絶対バレたら駄目だ!


「どうかした? 顔が青いけど?」


 周藤明日香が俺の顔を覗き込む。


「いやあ、なんでもないなんでもない」


 何でもあるけど。大分あるけど!


 くそ、バレないようになんとかやってみるか。

 倉庫の中に全員が入ると、男二人は体育で使うマットを布団代わりにと敷いた。


「なあ、あんたらってずっと俺たちを見てるのか、その、最中も……? 俺、見られながらだと、調子が出ないっていうか……」


 男たちは笑った。


「大丈夫大丈夫、呼ばれたら駆けつけるが、それまでは後ろ向いてるよ」


 なーんだ、と俺はホッと胸を撫でおろした。冷や冷やさせやがって。

 これで周藤明日香にさえバレなければ良い。だがどうやって? 一番難しい相手じゃないのか?

 俺と周藤明日香はマットに並んで座った。

 俺は非常に緊張して、体がガチガチになっていた。首が埋まるんじゃないかってくらい。


「初めてで緊張してるの?」


 周藤明日香は俺に聞いた。


 答えはノー。見当外れな解答だ。

 真実は、俺のサツマイモが今にもバレるんじゃないかって気が気じゃないからだ。


「あ、ああ、そうなんだ。だから、明かりを消してくれないか? まだ誰にも見せたことが無いんだよ」


 周藤明日香は微笑した。


「まるで女の子ね。良いわよ」


 周藤明日香は男たちに指示を出し、倉庫内の電気を消させた。

 倉庫内には高い位置に小さな窓が一つあるだけ。電気一つ消すだけで割と暗くなった。

 だがまだ日が出ている時間、パンツを脱げばサツマイモをばっちり視認されてしまう。これだけでは全然足りない。


「いやあ、やっぱりこれじゃ駄目だ。なあ、頼む。目隠ししてくれないか?」


「初めてで目隠しって、結構アブノーマルなのね……」


 周藤明日香は少し驚いた。しかし、了承してくれた。

 目隠しくらいは、まま要求されるらしい。ただ初めてで目隠し要求は俺が初めてだそうだ。初めてとは、名誉なことだね。


 まま要求されるだけあって、周藤明日香が持参していた黒い帯を目隠しに使うことになった。

 何も始める前から早速目隠しをつけてもらう。

 目隠し巨乳少女ってのも乙なもんで中々エロい。

 周藤明日香が目隠しを付け終えると、俺はパンツにサツマイモを入れた。


「目隠ししたからって変なことしたら、即行で人呼ぶからね」


「だ、大丈夫です」


 サツマイモによるチンコ偽装は十分変なことだろうが、バレなきゃ犯罪じゃないんだよ。これが、これからこの人相手に純愛しようって男のセリフか?

 いやいや、知り合ってすぐお互いの全てを分かり合うことは難しい。付き合って初めて分かることだってある。そういうことだ。付き合ってから、段々お互い自分のことを話し合って分かり合っていこうじゃないか。例えば俺のチンコの事とか。


 さて、俺のサツマイモがバレないように細心の注意を払わないといけないわけだが、それはそれとして、せっかくの機会だ、楽しまなくちゃ損ってもんだろう。

 俺はスルスルと周藤明日香の制服を脱がしていく。

 そしてその巨乳の素顔とご対面して心躍らせ、触ったり他にも何とかしちゃったりした。


「ねえ、触るばかりじゃなくて、私に触らせて」


「え! え、ええ、も、もちろん」


「なんでそんなに挙動不審なの?」


 周藤明日香は手を伸ばし、俺の腹辺りに触れた。

 そこから手をするりと下に滑らせていき、その手はバレたらヤバイ、デンジャラスゾーンで止まった。


「あら? まだ脱いでないの?」


「い、いや、まあね。風邪引くかなぁって」


 周藤明日香はクスリと笑った。


「そんなこと気にしなくていいの。ほら」


 そう言って、周藤明日香は俺のベルトに手をかけた。


「よ、よせ! およしよ!」


「どうして?」


 直接触られたら質感でサツマイモってバレちまう!


「俺は服の上からの方が好きなんだ」


「あんた、本当変わってるわね」


 しかし、相手を尊重してくれるのが周藤明日香の良い所。無理にズボンを脱がそうとはしない。

 ズボンの上から俺のサツマイモを撫で始めた。


「どう? 女の子に触られるのは初めてでしょう? 気持ちいい?」


「も、もちろん。とっても気持ちいいよ」


 んなわけあるかい。

 サツマイモ触られて気持ち良くなる男が居たら病気だよそいつは。心のな。

 それと、俺は頼子先生に触ってもらえてる!

 そして男には触られたことがねえ! 手術を除けば!


「でも本当にいいの? 脱げば色々出来るのに?」


 色々!?

 俺は身を乗り出しそうになったが、唇を噛みぐっと堪えた。

 駄目だ、脱げばバレる。くっそー、チンコ巨大化薬さえあれば今頃あんなことやこんなことでお楽しみだったっていうのに。

 俺が今やれてることって言やあ、サツマイモをただ撫でてもらうだけ!

 アブノーマルだなおい!


「いや、良いんだよ……」


「なんか声が震えてるけど?」


 それから数十分、俺たちはイチャイチャした。

 そしてついにジャッジメントデイがやってきた。


「じゃあそろそろ、本番しようか」


 本番!

 避けようがない、そんなことしたら絶対にバレちまう。でも俺も本番したい!

 今回の作戦は、言わばエッチの後には愛があるというやつ。

 エッチしなければ愛は来ない! 愛も恋も何も始まらない!

 そういうの抜きにしても単純に性欲でエッチしたいというのもある。


 ――そうか!


 ここで俺は自分の本心を再確認した。


 ――そうだ、俺はエッチがしたい。


 バレるのが怖いからエッチしないなんて俺らしくない。

 不可能を可能にするのが、最高の強化人間である俺の生き様だ!

 もう俺は逃げない!


 バレないようにする事ばかり考えていたら何も出来ない。

 虎穴に入らずんば虎子を得ずの精神で、俺は一か八かの賭けに出た!


 俺は勇気を出してパンツを脱いだ。

 サツマイモがぽとりとマットの上に落ちる。

 さらばサツマイモ、今までありがとう。お前が居たから俺はここまで来られた。

 俺はサツマイモに敬意の眼差しを送った。


 さあ、いよいよ本番。待ちに待った童卒の機会。

 そして忘れちゃいけない、ここで俺は周藤明日香に本当の愛を教えてあげないといけない。

 バレないようにする事に必死で忘れかけてたぜ。危なかった。じゃないとただの童卒、彼女になってくれなければ俺の悲願は成就しない。


 だが、本当の愛ってどうしたら教えられるんだろうな。

 今の所目隠しとかアブノーマルばかりで、本当の愛と寧ろ対極にある気がする。

 ここからは極力ノーマルで行かなければ。


 しかしながら、俺はパンツを脱いだところから進められないでいた。

 恥ずかしいことに勝手が分からなかった。

 どうすれば、というより《《どこかが》》分からなかった。


「どうしたの? 焦らしプレイ?」


 マズい、女の子をほったらかしにするなんて、このままではまたアブノーマルだ。

 しかし焦って間違えてしまうと、これまたアブノーマルじゃあないか!

 ここは聞くは一時の恥知らぬは一生の恥。

 しかし、出来るだけ恥をかかずに済むやり方で。


「自分でやってよ」


 こうすれば、俺がどこなのか分かってないのがバレずに済む。


「何? そういうのが好きなの?」


 ……この場合もアブノーマルなのでしょうか?

 いや、別にそんなことはないはずだが……。


 しかし、この選択は間違いだった。


「やり辛いから目隠し取るね」


「あ」


 格好を付けたばっかりに、化けの皮が剥がれる羽目になってしまった。

 俺の股間を見た周藤明日香は口を開けてポカーンとしている。

 俺は咄嗟にサツマイモを拾って股間の前で構えた。


「サツマイモじゃねえかッッッ!!!」

「ほぉあっ!」


 しかし時すでに遅し。周藤明日香から強烈なビンタを貰う。

 騒ぎに、呼ばれても居ないのに無駄に働き者のボディーガード達が集まって来た。

 ボディーガードの二人は俺の股間を見るなり笑った。なんて失礼な奴らだ。


「こいつは詐欺師よ。しかもそれだけじゃない! 私に断りもなく、サツマイモを使ったアブノーマルプレイをしようとしたの!」


「それは誤解だ! 話せば分かる!」


「問答無用!」


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