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今回(第六話)はこれまでと比較して、少し下品すぎたと思い、念のためR15設定をすることにしました。あくまで念のためです。
しかし今後、R15だからといって描写をより細かくしたり、行き過ぎて下品なネタをこれまで以上に多用することは致しません。
周藤明日香、千幸高校二年C組。そこそこの美少女。
その顔は一般女界のヘルクレスオオカブト、美少女界のカナブンと言ったところ。
ヘルクレスってのは別に顔がデカいということでなく、単にグレードの話だ。
綺麗さで例えるなら一般女界のニジイロクワガタ。
ちなみに俺は、パプアキンイロクワガタが一番綺麗だと思う。
そして、やっぱり美少女界のカナブンだ。
だが、彼女のボンッキュンッボンッはまさしくヘルクレスオオカブト。
男の子が大はしゃぎする。
そんな彼女の名を知らない生徒はほとんど居ない。
「そんな例え方をするなら、ヘルクレスじゃなくてギラファノコギリクワガタにした方がクワガタで統一されて、綺麗だぜ」
俺は久しぶりに、水島と食堂でうどんをすすっていた。
水島は俺の例えにケチをつけてくる。
「知名度を優先したんだよ」
「パプアキンイロを出しておいてよく言うぜ。で、なんで周藤明日香を持ち出したんだ? お前には似合わない女だぜ」
「俺もそう思うよ、前まではな」
「お前、まさか……」
水島は訝しげな顔をした。だが、それは無理もない話だった。
周藤明日香が何故有名なのか、そして俺のかつての性格を考えれば、誰でもそんな顔をする。
水島はため息をついた。
「お前も落ちたものだな、周藤明日香っていえば、金さえ払えば誰にでもさせるビッチじゃねえか。お前、到頭、彼女作りを諦めたのか。エッチ出来れば、それでいいのか!」
「お前よしなさいよ食堂でっ。隣の女の子が見てるでしょうが!」
立ち上がって叫んだ水島に、すぐそこのテーブルの女子集団が冷ややかな視線を送る。
水島は冷静になった、というよりは恥ずかしさで着席した。
水島はさっきより声のボリュームを落として話す。
「取り乱してすまん。だがお前のイチャイチャラブラブ、そして処女への熱いこだわりはどこに行ったんだ? ええ?」
「考えが変わったんだよ。いや、イチャイチャラブラブにはまだこだわってるよ。だが、何も処女じゃなくてもいいかなって」
「どうして? お前らしくねえ。何か悪いモノでも食ったのか。まさか、拾い食いか?」
「んなわけねえだろう。つい先日、作戦の参考にと思って、エロゲを買ったんだよ」
「あれほど血走った獣の目で女の尻を追いかけて、ギラついてたお前がついには現実逃避するだなんてよ……」
「だから作戦の参考っつってんだろ!?」
「それでも十分頭がおかしいと思うぜ。お前、この間の中間は全教科満点だったのに、こういう所はズレてるんだよな」
「そうやってやりもせずに否定するのは成長を阻害する。良くないぜ? 何事も挑戦が大事なんだ」
「まるで教師みたいなことを。学校の先生も、エロゲやらすためにそんなこと言ったんじゃないと思うがな」
水島は呆れ顔だ。
「まあ聞きなさいって、俺の心境が変わったわけを」
俺は水島に説明を開始した。
俺の心境を変えたのは、そのエロゲに登場するヒロインの内の一人。
彼女はある特殊な能力を幼いころから持っていた。そのためその土地の有力者の屋敷に置かれていた。
で、その能力というのがエロゲらしくエッチしないと発揮されないという代物で、彼女は幼いころから屋敷の主人に――これ以上は彼女の名誉のために控える。皆まで言わせないで欲しい。
俺はそれだけ彼女に惚れこんだんだ。でなけりゃ考え方が変わったりはしない。
そして成長した彼女は、有力者とその血縁者たちに水面下で復讐を開始する。
ゲーム途中までは「優しい人だなあ」って思いながらプレイするわけだが、終盤で豹変、明かされる真実、プレイヤーは度肝を抜かれる。
そんな彼女を、主人公であるプレイヤーはなんやかんやして愛を育み、二人は結ばれ、真っ当な人生の道に戻してあげる。
そして最後に見せる、彼女の満面の笑みが最高に可愛いのだ。
彼女を救ってやれてよかったと、心が洗われるようなカタルシスを味わえる。
「それで?」
水島は面倒くさそうに尋ねる。こいつ、さてはちゃんと聞いてなかったな?
「つまり、非処女でもイチャイチャラブラブエッチは可能。寧ろ、俺の愛によってビッチを俺一筋に変えるのって最高じゃね? やっぱりビッチって本当は愛に飢えてると思うんだよね。そんな彼女に俺が愛を教えてやるのさ」
そして、愛はエッチによって与えられる。エッチの後には愛があるってね。
「前は信用出来ないって言ってなかったか?」
「今は信じることにしたのさ」
水島は再び呆れ顔。こいつ、一日に何回呆れるんだよ。
「まあいい、いくら失敗しようと、諦めないのがお前らしいよ。俺はらしいお前の方が好きだぜ。だが、今回も俺の出番は無さそうだな」
「そんな、つれない事言うなよ。お前もビッチに惚れた時のために、経験値は稼いでおいた方が良いだろ?」
「いや、俺は清純硬派がタイプなんだが」
「うるせえ! ここで手伝わなかったら、お前の時手伝ってやんねえぞ!」
「はいはい、分かったよ」
水島はしょうがないな、といった感じに了承した。
「だが、周藤明日香は高いって聞くな。お前、手持ちは大丈夫なのか?」
水島は金の心配をしている。だがね考えが浅いね。
俺は周藤明日香に一円も払うつもりはなかった。
ひどいって? いいや、待ってくれ。
いくら純愛、俺と周藤明日香が付き合うことになっても、馴れ初めが金を払ってエッチさせてもらう、なんて格好悪くて子供に言えないじゃないの。ドン引きだろ。親父にも馬鹿にされちまう。
大体、金払って童貞捨てるなんて成人してからお店でいくらでも出来るのよ?
だが、世の中金を払わなくても童貞を捨ててる奴は居るわけで、この俺様が金を払う側というのはプライドが許さない。そんな事、高校生の頃からするなんて惨めにも程がある。
というわけで、俺は絶対にタダで周藤明日香とエッチをする。
だが何も無銭飲食をしようってわけじゃない。
周藤明日香のプランには、無料サービスがあるんだ。
つまり払わないというより、どちらかというと払う必要が無いわけだ。
「知らないのか水島? 周藤明日香はチンコがデカい相手なら金は取らないんだ」
というか、チンコがデカければタダというのは、あなたは私好みのチンコだからタダ、つまり体の一部とはいえあなたが好きだからタダってことだ。
ということは、デカいチンコ無料権を使えば最初から純愛成立なのだ。
ビッチに金払って頼み込んで、エッチさせてもらう構図から脱却出来る。
やはりタダでエッチした方が気持ち的に良い。
「じゃあ払わなきゃな」
水島は笑った。
「お前、チンコ小さいだろ」
こいつ、馬鹿にしやがって……。
「大丈夫だ。そこもちゃんと考えてある」
チンコ巨大化薬とでも名付けようか、それを使う。
しかし、それは今手元にはない。
チンコ巨大化薬は、最初は機関に手配させようとした。
だが、なんで必要なのか聞かれると恥ずかしいので機関を頼るのはやめた。
おそらく今後も、こういう理由で機関を頼れなくなることは増えていくだろう。
俺は新しく、頼れる仲間を必要としていた。
そして、その当てはすでにあった。チンコ巨大化薬を作れる奴にな。
そいつを仲間にして、この作戦は始動する。




