43_真里姉と第1回公式イベント(反撃の狼煙)
前話の前書きで書いた通り、本日PVが4万を超えました。
総合評価も500を超えており、いつもお読み頂いている、皆様のおかげです。
どうもありがとうございます。
マレウスさんから大役を任せられた私は、拠点の後方に下がり、地面に座って【瞑想】スキルを使いMPの回復に努めていた。
【瞑想】は待機状態におけるMP回復速度を向上させるスキルで、私の今のスキルレベルは8。
イベントに向けレベル上げを頑張った際、一緒に上がっていたようだ。
でもそのおかげで、5分もすればMPが全快しそうだね。
待機状態であれば特に眼を閉じる必要はないのだけれど、私はなんとなく眼を閉じて、これまでの事を振り返っていた。
怒涛のような展開だったな……。
開始の雑魚ラッシュに始まり、ネームドによる奇襲、ルレットさんの暴走に、窮地からの脱出。
そしてオーガ達の強襲。
イベントの時間はちょうど残り半分。
もう半分と思えばいいのか、まだ半分と思えばいいのか……。
いずれにしろ、このままではたぶん、終わらない。
そんな予感がする。
では、何が起こるのか。
考えても、答えは出なかった。
何かを見落としている、忘れているような気がするのだけれど……。
眼を開けて顔を上げると、暗闇の中に半分よりも少し多く欠けた月が浮かんでいた。
下弦の月と、二十三夜月の間くらいかな。
月が欠けたせいか、イベント開始前に比べ周囲は一段と暗くなっていた。
実際、魔法か道具で明かりを用意するか【暗視】スキルがないと、距離によっては視認する事も難しくなっている。
……ん?
なんで半分より多く月が欠けているのだろう?
イベントの経過時間に連動しているなら、月は半分に欠けているはず。
じゃあ、月は一体“何に”連動しているのだろう…………。
そこまで考えた時、私を呼ぶカンナさんの声に思考が途切れた。
そうだね、考えることも大事だけれど、今はまず、出来ることをしよう。
立ち上がり拠点中央に赴くと、そこにはマレウスさんとカンナさんによって選ばれた近接戦闘を得意とする人達が並んでいた。
みんな緊張はしているようだけれど、その表情を一言で表すなら、不敵。
さすが2人が選んだ人達、頼もしいね。
私はカンナさんに促され、この場にいないルレットさんの分を含め、3人を代表して口を開いた。
「初めに、危険な役目を引き受けて下さって、ありがとうございます」
心に浮かんだ言葉を、想うまま言葉にしていく。
「危険は他の人達の比ではなく、成功する保証もない上に、ポイントに繋がるわけでもありません。それなのに、死んだら保持しているポイントは減少する。はっきりいって、貧乏くじです」
言葉を区切っても彼等は真剣な面持ちで私の言葉に耳を傾けてくれていた。
「でも皆さんの協力によって活路は開けると、私達は、私は信じています」
静から動へ。
静けさの中から、武具を打ち鳴らす人が出始める。
「私に出来ることは、一緒に戦うこと。もし作戦が失敗し、皆さんが力尽きるとしたら、その時は私も精一杯抗って、後を追います。その後の対応は、きっとマレウスさんがなんとかしてくれるでしょう」
「おまっ、何を勝手に!」
慌てるマレウスさんを見て笑い声が起こり、武具を鳴らす音が一層大きくなった。
この雰囲気なら、きっと大丈夫。
「行きましょう! 私達の手で、反撃の狼煙を上げに!!」
「「「「応っ!!!」」」」
歓声に武具を鳴らす音、そこに足踏みの音が合わさって、まるで地鳴りのような音が辺りに響き渡った。
その音に鼓舞され、私達の新たな戦いの幕は切って落とされた。
いつもお読み頂いている皆様、どうもありがとうございます。
投稿を始めてから1ヶ月になりますが、書き続いていることに少々びっくりしています。
こうして反応頂いている皆様のおかげですね。
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