時の番人
No.4
カーン!カーン!カーン!
鐘の音が聞こえ、チクタクチクタクチクタクチクタク
今度はなんだ
目の前の風景が変わり、別の場所に移動をする
ここは?どこかの建物の中のようだな
辺りを見回すと、大量の本が並んでいる場所
図書館か?
コツコツコツコツ
人の歩く音に気がついて音のする方を見る
!?
おい、俺は夢でも見ているのか?
目の前に現れたのは俺!そう思うほどに、自分にそっくりな男が歩いて来た
頬をつねるが夢ではなかった
ゆっくりとこっちに向かって歩いてくる
(おい、お前は誰だ)
だが不思議な事に、梓月をすり抜けて本棚に向かって歩いていく、梓月に答えることもなく前に進んでいく
!?、今俺をすり抜けたぞ
俺そっくりな男は、ある本棚に行くと本を1つ手前に引く
その瞬間隠し扉が出現した
!?
俺は何を見ている?何が起きているんだ?
疑問が増すばかり
男が中に入ると扉が閉まった
何が起きているのか理解に苦しむ
なんなんだよ
頭をガシガシとかきむしりながら、考え始めようとするとまたチクタクチクタクチクタクチクタク
今度なんだ!!
俺そっくりな男が、誰かと話しているのが聞こえる。辺りは何かの研究施設のようだ
「そうか、やはりそうだったようだな」
「この本は、お前の知識を集結してある。もし、お前見に何かあった時全て思い出せるようにしておこう」
「頼む、近いうちにきっと奴らが俺を陥れる 為に必ず動くだろう」
「わかっている、じゃ始めるぞ」
「ああ」
陥れる?一体何があるって言うんだ。
チクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタク
またか
もう1人の俺が中央の椅子に座って、さらに左右には2人づつ人が座っていた
なんか裁判しているみたいな感じだな、それに来ている服ってなんか宗教みたいな服を着ている。それにしてもあの服、色がやばい普通だと白とか黒とかが一般的なんだろうが、ないなあれは。
梓月が見たのはピンク
俺そっくりな男がピンクってありえないだろ
時計の針の音ともに、場面が切り替わっていた
中央の俺そっくりな男が声を発した
「これより裁判を執り行う、全てのもの起立」
全ての者?
ざぁ!椅子が一斉に引かれ立ち上がる
後ろを振り返ると300人ぐらい?いるだろうか、階段状になっている場所に人々が立っていた
やっぱりここは裁判所?
ダンダン!
俺そっくりな男が、ハンマーを叩くと全ての者が着席した
前に向きを変えると
「罰せられる者ここへ」
そう言うと中央に檻が出現し、その中に人がいる
「ここから出しやがれ」
檻の中で暴れている
「ここから出しやがれって言っているだろ!!」
「発言を許す、お前は時間を操作して、自分の私腹を肥やした事に間違いないか?」
「はぁーそんなのしらねぇよ」
檻の男が声を上げた瞬間、黄色い帯が出現し檻を包みぐるぐると回り始める
あれはなんなんだ?
「もう一度聞く、お前は時間を操作して自分の私腹を肥やした事に間違いないか?」
「だから、しらねぇよ」
その瞬間男が倒れる
!?
「嘘はないのか?」
檻の中にいる男がゆっくりと体を起こすと
「いえ、俺がやりました」
あの男に何をした?
別人のように答え始める
「それでは、判決を言い渡す」
もう?なんでそうなるんだ?わけがわからないぞ?
俺が知っている裁判とは大きく違う
俺そっくりな男が本を取り出す
あれ、俺に渡された本と同じに見えるぞ
本に手をかざすと、勝手に本が開くとページがめくられ、そこから数字の配列が物凄い勢いで出てきた
「第258条時間操作の私的行使の罪状で死刑、これより執行する。それに異議のある者起立せよ」
え!この場で殺すのか?今起立って事は
後ろを振り返る
「意義がない者とみなし執行する」
誰も立たなかった
バンバン!
音に梓月は前を向く
カーン!カーン!カーン!
鐘の音が聞こえた瞬間、檻の中の男は倒れこんだ
「操作した時間を回収し元に戻された。これにて終了する。全員起立」
一斉に後ろにいる300人程が立ち上がる
バンバン!
ハンマーの音ともに退席しを始め、檻の中の男はその場から消え去った
なんなんだ?みんな、そんなんでいいのかよ。本当に知らないかったかもしれないのに、そんなに簡単に決められていいのかよ
その時、チクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタク
次はなんだ?
書斎?
俺そっくりな男が机に向かって書き物をしている
コンコン!
誰かが入って来た
「先生、お茶をお持ちしました」
!?
こいつあの時の女の子じゃないか
そう梓月の前に現れたのは、桜の木の前に現れたその子だった
「すまない、そこに置いてくれ」
「はい、それとお客様です」
「通してくれ」
そう言うと、女の子が出て行ってすぐやってきた
「失礼します」
「久しぶりだな元気にしていたか?」
「お前こそ、今回の用件は他でもない、お前ではないと出来ない仕事だ」
「わかっているのか?俺は裁判官なんだぞ、ホイホイここを離れられないのはわかっているだろうが」
「わかっているが、それでもお前にしか出来ない仕事なのはわかってくれ」
俺そっくりな男ってやっぱり裁判官であっていたのか。って事は裁判官でピンクの服か、、、
「わかったよ、用件を聞こう」