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時の裁判官  作者: 小鳥まどか、海音(ノベル)
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時の番人

「おいどうしたんだよ、早くしないと始まるぞ」


「ああ」


鴇が駆け足で走って行く後ろを走りながら考える


今止まっていたよな。でもすぐに動き出した。考えるのは後だ、急いで教室に戻り席に着くと先生が入って来て授業が始まった



ーーーーーーー


1人の少女が桜の木の根元に立っていた


「ふふふ、見つけた。やっと見つけたわ」


梓月の後ろで微笑む。姿が見えなくなるとその場から姿を消した



ーーーーーーーー


授業を受けているが全く身にならなかった。さっきの光景が目に焼き付いて離れない


あの時確かに時が止まっていた。数秒の出来事だった、しかも不思議なことに俺だけが動けたことも気になる


冷静に自分の置かれた情報を整理していた。


昔から慌てることなどなかった、どちらかと言うと冷めた目で情報を整理している方だ。1番最近で驚いたのは壁に穴が開いてしまった事ぐらいだ。まさかあんなに脆いとは思わなかったし。お化け屋敷に入っても何となくこうなるだろうと思っていると、大体そうなるので全く驚かないのもその理由の一つだったりする。周りの情報を整理していれば予想もつく。結局考えてもよくわからなかったしもう一度、放課後行ってみるか


校庭を見ながら思考を巡らせていた


授業が全て終わり帰りの支度をしていると、廊下を走る音が近づいて来て扉を勢いよく開けるやつがいた、言われるまでもなくあいつだ


バン!


「梓月いる?」


うるさいやつが来た


鴇が近づいて来る


「いるなら返事をしろ」


「いる」


「おせぇよ、それより部活どれにするか決めたか?」


あ!そうだった。部活決めないと行けないんだっけ?出来れば入りたくないんだけどな。でも、、、


鴇の輝く顔を見て無理だと悟る


「いやまだ」


「それならさぁー」


鴇は運動するのが好きだから間違いなく誘われると思っていたが


「なんだよ」


「お前身長でかいんだからさぁーバスケ部行かないか?中学の時もそうだっただろ」


ほらやっぱり、そう来ると思った


「高校だし、バイトもしたいから部活はやめておく」


「はぁー?何言ってんだよ。体を動かさないと腐るぞ」


こいつが何を言っているのは、腐るわけないだろうが、体力が落ちるとか別な言葉があるだろう?こいつの腐るは人が腐る方をさしているだろうな。よくこの高校に入れたな。長い付き合いのせいか思考が他の奴ら以上に読めてしまう


冷たい目で見る


「その嫌そうな態度明らか様だな」


教室の生徒が俺らの会話に耳を傾けていた。梓月が長々と話すのを初めてみたせいでもある


(え!あれが嫌そうな態度か?)


その場にいた奴らがみんなそう思う


親友の鴇だけにしかわからない些細な変化を見渡さない。周りから見たら全く変わってないのは言うまでもない


「俺そんなに嫌そうな態度だったか?」


「久々に梓月の眉毛上がったの見たよ」


「俺眉毛上がると嫌なのか?」


「自覚してないからいい、それより部活嫌ならさ、臨時の時だけでも出てくれるか?それなら部活入れるだろ?」


「それでいいのかよ」


「いや、わからない」


「わからないのに言うな」


「もし大丈夫なら入るだろ?」


こいつどうしてもいれたいんだな


「わかったよ。お前の頼みじゃなかったら断っていたんだからな。感謝しろ」


「おー感謝感謝。じゃ今日聞いておくからな。俺はもう入ったから部活行ってくる」


「絶対に感謝していないだろ?」


「お!わかったか、じゃ俺行くわ」


慌ただしく去っていく鴇を見ながら


相変わらずだなと思うっているとあちら、こちらから声が聞こえてくる


(あいつってあんなに話せるんだな)

(俺は初めて声聞いた)

(お前もか?)


(かっこよくない?)

(本当だ)

(私タイプかも)


教室がざわついていた


うるさい


カバンを持って教室を出て行き桜の木に向かう


正面玄関を出て校庭を抜け、別館を通り越した所に桜の木があり到着する


ここだったな


木に手を触れ後ろを振り返る


が、何も起こらなかった


「気のせいではなかった。間違いなくここだった」


はぁー


ため息をつき家に帰る


翌朝


「おはよう」


玄関前に鴇がいた


「おはよ」


結局なんだったんだ昨日のは?


「聞いておいたぞ」


「え?何を?」


「昨日の話だよ」


「ああ」


「それでいいってよ。お前の中学時代を知っていた先輩がOK出してくれたぜ」


「そうか」


「まったくやる気なしだな」


「そうか、ほら頑張るぞーおー」


「それバカにされてる気がするぞ」


「してる」


首の後ろから手を回し首を絞める


「悪かったよ、冗談だ。からかっただけだ」


「お前のからかいはからかっているように見えん」


「ぷっ!悪い悪い」


鴇のへんな顔に思わず笑ってしまっていた


「なんだやれば出来るんだな」


「何が?」


こいつは笑うのが下手だからこんな風に笑えればいいんだよ。こいつの場合少しずつだな


「わからないならいい」


「なんだそれ」


「それより昨日桜の木の方に行っていたようだな」


「お前はストーカーか?」


「いや友達が教えてくれたんだよ」


「どんな会話をしたらその話になるんだ」


「お前の話をしてOK貰った後にその話になった」


「そうか」


こいつのお人好しはみんなを引きつける。だから鴇の周りにはいつも友達が鴇を囲む事が多い。俺とは正反対だ


学校に行き授業や部活の日常が始まる


昼休み


やっぱり気になり桜の木の下にきた


ここなんだよな


木に触れた瞬間


時が止まった


!!


やっぱりここだったんだな


目の前の桜の花びらが空中で止まっていた


後ろを振り返ると目の前に女の子が立っていた


!?


目を擦るが幻覚ではないようだ


「お迎えにあがりました」


!!


周りを見るが自分だけのようで指を自分に差す


「そうです」


「なんで俺?」


「貴方が時の番人だからですよ」


「時の番人?はぁ?」


夢でも見ているのか?俺は


自分を殴ってみたが痛いだけで、夢ではないのは理解したが時の番人とか訳がわからん


「はい!貴方は時を経て生まれ変わりました。貴方を探すのに苦労しましたよ」


「いや、だから意味が理解できないと言っているだろう?」


人の話を聞く気がないだろう


「そうそう、貴方にこれを。見つけたら渡すように頼まれていたものです」


そう言って取り出した物を梓月に投げた

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