プロローグ
俺の名前は、勘解由小路 梓月 高校1年生
入学式そうそうに遅刻しそうになっているとはとんだ誤算だ
慌てて家を飛び出し学校へ全力疾走中
くそ、朝までゲームなんてやっているんじゃなかった
前の晩梓月は友達と遊び呆けていた。母親はさっさと学校に行ってしまった
それは俺が悪い
「梓月さっさと支度をしなさい」
「うるせぇな、今やっている」
と言いつつも寝ていた
「お母さん先に出るわよ」
「後から行く」
ぶっきらぼうに言い放つ
「早くしなさいよ。初日から遅刻なんてやめてよ」
そう言って出て行ったのは、つい1時間前の話だった
こんな事なら一緒に出るんだった
なんとか間に合ったかぁ
「はぁはぁはぁ」
息を切らし自分の下駄箱を探すが見当たらない
あー適当でいいや。後で確認すれば済むだろ
空いている靴箱に靴をいれ、急いで教室に向かった
「勘解由小路?勘解由小路はいるか?」
担任の先生が呼んでいた
「はい、はい。俺はここです」
バン!
勢いよく扉が開く
「初日から遅刻か?」
「ギリギリセーフですよ」
「いいから席につけ」
空いていた席に座る。
自分の席は1番後ろの窓際だった。
俺ここかよ。できれば廊下側の1番後ろが良かったな
身長が高い梓月190センチほどあるのだから当たり前だった。
「それではこれから入学式に行く整列しろ」
男の担任教師に言われみんなが動き出した
めんどくせぇ
そう思いながらも、流石に入学式はちゃんとしないと母親に物凄い剣幕で来そうだったので諦めていた
ちなみに俺の母さんは剣道初段の腕前なのでマジで殺しかねない。
最近では菜箸でやられたばかりだった。あれは痛いを通り越して悶絶もの、まぁー、母さんが怒るのも分かる事をしたのだから
いやー壁殴ったら穴空いたからな。あれはまずかった、親父も柔道の初段だから敵うわけもなくしばかれた
一瞬で詰め寄られて脳天を叩かれていた
未だに痛む脳天にはたんこぶが出来ていた
夫婦揃って鬼に見える時があるんだよな
そうしている内に入学式が始まり終わりを告げる
一通りが終わり明日から新しく高校生活が始まるのだった。
そう、その時まではこれから降り注ぐ出来事を知る由もなく、彼の運命の歯車が動き始めるのだった