神子の居場所。
「マリアさん、キミはどうしたいかな? 一応、こちらの対応としては国に報告して保護をしてもらう決まりになっているのだが・・・」
鑑定したその日の夜、クロードさんソフィアさん2人との話し合いに呼ばれた。
私の立場は国に保証されており、通常の手続きならば国に神子の存在を報告してお城での生活になると言う。
「・・・」
正直に胸の内を明かすのならば、此処に居たい
両親を亡くして天涯孤独の身となった私は文字通り身寄りが誰も居ない。
しかも別の世界に来たとなれば知り合いも・・・
独りは、イヤだ。
お家に帰ってもお父さんもお母さんも居ないシンと静まり返ったお家。
ああ、独りになったんだなあと泣きそうになってしまった所、この世界に来た。
その後はベル姉様が必ず一緒に居てくれて・・・
知らないお家にお部屋だったけど、寂しくなくて・・・
だから、
「・・・迷惑でなければ、此処に居たい、です」
独りはムリだ、お城に行ってもしかしたらとても幸せになれるかも知れない
でも、自分に都合良く行くのならそもそもお父さんとお母さんが突然死んでしまうなんて事は起きない
お城へ行って幸せになれるかも知れないと言う賭けに出る程楽観は出来なかった。
だから、せめてベル姉様と一緒に居たい、そう思った
気付けばドレスのスカートを思い切り握り締めてシワくちゃになってしまっていた。
「決まりだな」
「ええ」
「え?」
私の答えを分かっていたかの様子でクロードさんとソフィアさんは頷いて続けた
「マリアさん、私の子供にならないか?」
「な、なんで・・・」
「キミはマリアベルの妹だからね、つまり私達にとっては娘だよ」
なにかおかしい事でも言ってるかな?といった感じで
いとも簡単に受け入れてくれる2人、そこに
ドバーーン!!と扉をぶち開けてベル姉様が入って来た
どうやら外で聞き耳を立てていたみたいで、私が正式に引き取って貰える事を喜んでくれた。
ぎゅっとされて、ほっぺ同士が密着する。
「お父様お母様ありがとう!マリアこれで一緒に居られるわね!」
「わ、姉様?」
「マリア、改めて宜しくね?」
「うん、宜しくお願いします姉様・・・」
「あらあら仲良しね」
「ベル、頼むよ」
「勿論!」
当然!といった具合にベル姉様は答え、いっそう力強く私を抱きしめてくれた。