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騎士のお悩み相談室②

最初の相談から約二年、何度か相談はあったが特に真新しい事はなく。

神子様のデビューが話題となっていた、そう言えばガウェインの想い人も今年15でデビューだな・・・


結局5年も文通をして進展は無かったらしいが

ルクシード家の真面目具合には頭が下がる

5年も文通って、相手が10歳の時からとなると人によっては顔を顰めるだろうが、ガウェインに関して言うのなら

「10歳にしてガウェインが認めるだけの何かがあった令嬢」

と認めるしかない。


舞踏会会場の警備は交代制で割り振られていて

前半と後半で騎士も参加出来る様に取り図られている。

戦時のような体制も終わり、騎士にも家庭をという心遣いだ。

15歳デビューの娘達を相手にする若い騎士も居れば、付き添いの姉らを狙う騎士も居る

国最大のお見合い会場と化してる気がしないでもない。



ガウェインは

「ちょっとエスコートしてくる、団長には許可を取っている」

と言ってそそくさと消えていった。

想い人が来ているらしい


お盛んだねえ

俺は5年前に大怪我して、神子様に助けられた時に付き合っていた女に泣かれて身を固めているから関係無い。

治して貰って女の所に顔を出すとボコボコに殴られてボロボロに泣かれた

女の涙はズルい、普段強気な癖に泣かれると何も言えなくなる・・・





舞踏会が終わった次の日から噂が流れていた


ガウェインが神子様と良い仲だ、と。


俺の担当区域では会場内は見えなかったが

なんと神子マリア・ラフィスタ辺境伯令嬢とダンスをしたらしい。

おいおい、神子様に請われて断れなかったのか?

折角想い人と会えた日だってのに災難だなアイツ



そう思っていた日が俺にもありました。



日に日に増える噂話

ガウェインが神子様と合わせて目撃される

街中を手を繋いで歩いていた、とか

侍女達の話を聞けばオレンジの宝石の髪飾りを神子様が付けるようになった、とか


オレンジ色はガウェインの瞳の色だ

アクセサリーに関して、自身の色を相手に贈る事も助言していた


噂は噂、本人に聞いてみると

「ああ、相手はマリアだ」

と平然と言い放つ・・・



考えてみるとガウェインが言った令嬢の条件が完全に一致していた。


立場は相手が遥かに上で次女

遥かに上どころか頂点じゃねえか!


最高の女性って言っていたけど惚気でも何でもない

文字通り最高の(地位を持つ)女性だった。






神子様の恋人はガウェインと言う噂話が常となった日常

再び相談会が開かれた


「マル、お前のお陰でプロポーズを受けてもらえたよ」

「お、おお、マジか」


すげえなコイツ・・・

もうそれ以上の感想は無い。

そこからは本当に惚気話だった


贈った髪飾りは毎日付けているだの

オレンジ色の瞳が好きだと言われただの


「ワガママも言って貰えるようになった」

「ワガママ?」

「ああ、マルが言っていただろう? 女性がワガママを言わないのは気を許していない証拠だと、ワガママを言うのは試そうとしているか気を許しているかの2つだと」

「そう、だな」


やべえ、調子に乗って下手なこと言っちまった・・・

余計な事言ってねえよな俺?


「だが・・・」


その後続いたのは、プロポーズの直後から彼女が積極的になって困ったという相談だった。



力いっぱい抱きついてきた


そりゃあお前、正式に恋人になったら甘えもするだろうよ

抱擁くらいしてやれよ、ついでに胸の感触楽しめよ。



別れ際に突然キスをされた


そりゃあお前、正式に恋人になったら甘えもするだろうよ

キスくらいしてやれよ、トロトロに甘やかしてやれよ。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・勘弁してくれ。





「あのよー、お前が令嬢苦手だってあっちも知ってんだろ? ならそれまでお前に遠慮してたんだろうよ、で、お前からプロポーズしてキスしたんだから、自分からしてもいいんだってなるだろ、そういう事だ」


言わせんな、恥ずかしい。

23の野郎の照れ顔なんか見てもゲンナリするだけだわ!





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