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辺境の神子は静かに暮らしたい。  作者: EVO
第三章 平和、そして2度目の王都。
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神子と教会②

「ゴードンさん、どうだった?」

「完璧ですよ、お嬢」


馬車内にはお付のレインにゴードンさん、シルヴィーは指定席の馬車の屋根に。


「あの司祭さんで良いんだよね?」

「はい、あの司祭は神子派の人間で、王都の教会を取り仕切っていますから」


聖堂内でのやり取りは全て予定通り

賄賂を渡して、私を教会に取り込もうとするのも

それを断るのも

諦めずに渡そうとして来るのも

それを司祭様に寄付してしまうのも、だ。


「でも、大丈夫なの? 私が帰ってから大司教に取り上げられるんじゃ・・・」

「いえ、それは出来ません」

「なんで?」

「聖堂内でのやり取りなので他のものにもやり取りを聞かれていますし、お嬢が司祭に寄付をするとハッキリ言ったので無理矢理取り上げる事も出来ません、恐らくすぐにでも教会の掲示板にアレらは()()で寄付されたと掲示される筈」

「匿名?」

「はい、まずお嬢は教会と距離を取ると意思表示しているので神子、またはお嬢の名前が出る事は有りません、今生臭野郎が主流と言っても司教になれる人間なら、それなり以上には駆け引きも心得ていますから」

「へえー、ちょっとわかんない・・・」



「まあ、そうですね、後日二重封筒で司祭からお礼の手紙が来て終わりです」


イマイチ政治的なものであるとか分からない

この言葉に対して、そんな受け取り方になるの!?と思う事も多い。



マリアが神の前でと言ったので、あの場でのやり取りを違える事は出来ない

いくら生臭坊主と言っても、その点においては信頼出来た


賄賂をそのまま寄付に替えたのも司祭にとっては

貴方には期待している、自分は教会の活動に関して関知しないけど、今の教会ってどうなのよ?


そういった意図として大司教も司祭も理解しているだろう。


無論マリアは裏の意味を込めたつもりはない

父と母、そして兄ロイドに言われた通りに事を進めただけ

要らないものは要らないし、有効に扱えるならそっちで使ったら?程度の意識である。


勝手に忖度し、言葉の裏をマリアの意思と勘違いしたのは教会側なのだ。


大司教が、神子は教会に入るつもりは無いと考え

司祭は、神子が自分達に期待していると思った


これらの受け答えは兄ロイドの指示で、マリア自身は面倒臭い断り方をしないといけないんだなあ、程度の認識だった。

神子を教会に取り込む事で神子をダシに他国から金銭を引き出す

例えば神子の派遣の為に、手足の再生を容易に行う治癒魔法の代金を、と言った具合に教会にとってのマリアは金の成る木そのものなので、是非とも取り込みたい所であった。


聖女アリスでもそれなりに派遣代金や治癒魔法代金を要求出来るが、やはり【神子】のネームバリューの前には劣る。

金に目が眩んでいる生臭坊主派の行動は分かりやすく

ラフィスタ家、王家共に連携して

静かに、だが確実に生臭坊主派の力を削ごうと裏で手を回していた。











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