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辺境の神子は静かに暮らしたい。  作者: EVO
第三章 平和、そして2度目の王都。
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神子と舞踏会③

「マリアさんは王都をあまり見てないんだって?」

「あ、はい、前もゆっくり回る前に領地に戻ったし、今回も夜会の準備とかであまり・・・」

「じゃあ、今度案内するわ、一緒にお出掛けしましょう?」

「はい!お願いします」

「お!なら俺もいいかな?シルヴィーに触りたいんだけど」

「私もシルヴィー様には触れてみたいわ」


「ならウチでお茶会を開けば良いかな、マリアお茶会の主催側やった事ないでしょ?」

「う、うん、姉様教えてくれる?」

「勿論、お母様と一緒に準備しましょ、ずっと領に居てそういうのは何も出来なかったもんね」


「あら、わたくしも誘ってもらえるのかしら?」


一通り挨拶を終えたのか、フィリアさんも来た。


「はい、来てくれますかフィリアさん」

「ええ、喜んで」



どうしても私の立場を考えると高位の家の人と関わった方が都合が良く、200年振りの神子、そして殆ど辺境で過ごした事でイマイチ神子の公的な立場を理解しない人が多いとの事だ。


私個人としては爵位や肩書きはどうでもいいと思ってる、人次第だ。

だからと言って公的な場所で国王シルヴェスターさんに「シロさん」と呼び掛けるのも互いの品位に問題が生じる、下手をすると神子の私が国王を軽んじている、なんて言われかねない。

基本は郷に入っては郷に従えで行動しようと思う


今回の夜会では国王とファーストダンスを踊った事で王家との友好を示し、明確な立ち位置を知らしめる事が目的だとか・・・


但し、神子様にお目通りを、という要望もかなりあるらしく

今後いくつか夜会とお茶会に参加してガス抜きする必要があると父様には言われていた

でなければ、お城の大広間に玉座のようなものを設置して私がそこに座り、謁見の形で言葉を交わす案も出たけど、流石にそれはちょっと、ねえ?

何様なの?神子様だよ! なんて開き直ってドッカリ玉座擬きに座って話すなんてハードル高い・・・



予定のダンスは終わり、飲み物を片手にクラスメートと話をしているんだけど今でさえ視線が痛い

私を中心に姉様と兄様が横に、周りにはクラスメート。

父様と母様は近くに居るけど基本は私と兄様姉様に任せるといった具合に居た。


更にその周囲には恐らく聞き耳を立てているであろう人達が沢山・・・

数人位の塊がポツポツと居て、それぞれを見ると必ず目線が合う

うん!見られてるね?

落ち着かないし、一応事前の予定はこなした

美味しい料理も少し食べられたし、もう良いかな

この場を辞する時は神子の私が1番最初らしい

会場に入る時は1番最後で、立場順に入退場との事だ。


「マリア、そろそろ下がるかい?」

「もう大丈夫?」

「大丈夫だと思うよ、他に会いたい人とか居るなら別だけど」

「待ってお兄様、マリアも」

「姉様?」


兄様とそろそろかと話していた所

姉様が止めて目で何かを示した、私が目線を追うとその先にはガウェインさんが此方に向かって歩いて来ていた。


「ねえ、マリア知ってる? アクセサリーやドレスの色にはね————」

「え?」


ヒソリと姉様がある事を耳元で呟いたけど

丁度ガウェインさんが目の前に来ていたので聞き返せなかった。


「マリア・ラフィスタ辺境伯令嬢」

「はい・・・」


いつの間にか近くに居たクラスメートも少し距離を取っていた

ガウェインさんは手を差し出してダンスに誘ってくれた。



「私と、踊ってくれませんか?」






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