閑話 マリアベル
私はマリアベル・ラフィスタ、ラフィスタ辺境伯家の長女!
家族はお母様、お父様、お兄様に使用人のみんな!
ある日私に妹が出来た。
違う世界から現れた女の子で、本来なら神子様って呼ばないといけないのかもしれないけど、ひと目見た時に思ったわ。
目を真っ赤にして泣いた跡に、怯えた様子の神子様
ううん!マリアはどこからどう見ても普通の女の子だった。
着ている服はとても高級な物だと分かったけど、その服が神様の召す服かと言われれば違う、普通の服だ。
お母様は言った、御両親を亡くしたばかりで優しくしてあげてと
つまり普通に人として産まれたのだから神の子ではなく、普通の人間て事!
ひとりぼっちは寂しいものね
だから決めたの、私はマリアの姉様になるって、妹欲しかったのよね、ふふふ。
手を握って屋敷を案内する、戸惑っているのも伝わってきたけどそれは仕方ないわ、初めて来た場所にひとりだものね。
ばあや、料理人のジョージ、庭師のトム、みんな紹介する
勿論、私付きの侍女サンディも。
最初は私に握られるままなだけの手も
少しするとマリアから握り返して来るようになったから嬉しくなっちゃった。
確か神子様の絵本によると魔法も知らないはず
訓練場で見せたら目を丸くして驚いていた
マリアも使えると言うと目が輝いたから魔力感知を教えるとスグに治癒魔法を使っていたわ、凄い!
治癒魔法のお陰で赤くなっていた目が綺麗になった
艶のある黒髪に静かに光を讃える黒い瞳、少なくとも王国には無い色彩を持っているマリアはとても神秘的な印象で可愛い!
しかも希少属性の光魔法だなんて!
ついつい興奮してマリアを抱きしめてキスしちゃったわ、マリアはビックリしていたけど嫌がる様子はなくて安心したの、しかも照れながら一瞬、そう、ほんの一瞬だけどニコリと笑った顔は本当に可愛らしくて好きになっちゃった。
マリア、私の可愛い妹、私の妹になったからには絶対に悲しませたりしないわ!
御両親の代わりにはなれないけど、ずっと一緒に居て寂しい想いはさせないからね!
この後は庭園を回って、それから一緒に食事をして、一緒にお風呂に入って、一緒にベッドで寝ましょう!
多分マリアの為に客間の準備をしているでしょうけど、それはダメ。
知らない家にひとりで寝たらきっと泣いちゃうわ、だから一緒に寝るの。
安心してねマリア!
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マリアベル・ラフィスタ
ラフィスタ辺境伯家長女
Lv.6
体力 320/320
魔力 84/94
適性技能
火魔法 C
風魔法 C
剣術 B