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ヴェリルナイト王家④

ケビンがやらかした・・・、何をやっているのだ。

神子様に対して「媚びるのが上手い」などと言い掛かりも甚だしい!

フィリアが通りがかってその場で収めたようだが、それが無ければ大問題になっていた。


「ふふふ、あの子ったら13歳になっても本当に子供(バカ)なんだから、ふふ・・・」


王妃が怖い・・・

ケビンの事は任せよう・・・


媚びるなんて何故その様な発想になるのだ

城内での騎士からの好意的な話でも聞いたのか?

騎士達が感謝するのは当たり前だ、命の恩人、手脚の再生

これで感謝しない騎士は居ない。

既に騎士の出身家からは御礼の申し入れが山程来ている

平民出身の騎士も御礼を言いたいと、皆神子様に感謝していた。


しかもシルヴィー殿を奪おうとは、呆れてしまう。


神子様を見た目で侮り、シルヴィー殿は大人しく躾られている犬とでも思ったのだろうか

今一度子供達には言い聞かせねばなるまい、王族より上の存在が居る事を。




フィリアがマリア殿と仲良くなった

フィリアの気の強さとマリア殿の相性を心配したが、上手く噛み合ったらしい、神子様であるマリア殿を立てつつ妹を思いやるような関係になったようだ。

学校? 勿論良いとも、フィリアとマリアベル嬢のクラスに編入させよう

あのクラスならお互いに良い影響を与え合うだろう。


早速平民が神子様に接触した、辺境では街に繰り出していたと言うから心配はしていない

国民なら誰でも知っている伝説の存在とも言える神子様と接したいという気持ちは理解出来るが、礼節は守らなければならない。

フィリアが上手く説いたようで安心した。

マリア殿は終始食事に夢中になっていて一言も話していない、大物なのか持って生まれた人徳のなせるわざなのか・・・




北の森に濃度の高い瘴気が確認された。

マリア殿に話をするとやはり二つ返事で了承してくれた、此方としては助かるのだが彼女の好意にばかり甘えてはいけないと戒める。

たった10歳の女の子を戦場に送り出す、その行為に恥じ入るばかりだ・・・


無事帰還、なんと黒トカゲがドラゴン級にまで成長していただと!?

緊急対策会議を始める

その結果、毒沼は確実に浄化する事になった。


マリア殿は準備が出来次第ラフィスタ辺境伯領地に帰る事にしたらしい。

故郷が心配だと慌てていた様子が報告された。


出発の当日、見送りに立ち会う。

城からは私と王妃、第一騎士団長ランスロット、上級騎士ガウェインが見送る

どうやらルクシード伯爵家とは縁が有り、マリア殿は笑顔でガウェインと話していた


ん?あれは霊薬では・・・、まあ細かい事は野暮と言うものだ、誰だって仲良くなった者には優しくするだろう。

特に騎士ガウェインはその身を持ってマリア殿とシルヴィー殿を庇ったと聞いているからな。

そもそもマリア殿が作った物だ、好きにして構わない

流石に市場に流されると大変な騒ぎになってしまうから控えて欲しいが、その辺はクロードと夫人でしっかり言い含めているだろう。


それにしても騎士ガウェインとは親しそうだな

これは、まさか・・・


「エリス」

「まだ蕾の様なものだと思います」


王妃も2人の様子に気付いたのだろう、答えた。


「どう思う?」

「互いに仲の良い友人、でしょうね今は、マリアさんはそういった気持ちは未だ知らないでしょうし、ルクシード伯爵家の男子は堅物で有名ですから」

「ふむ」


ルクシード伯爵家はギルバートを当主にアイシャ夫人、子供は男3人。

上は結婚して領地で領主代行、次男の騎士ガウェイン、三男も騎士団だったはずだ。


「ランスロット」

「は!」

「騎士ガウェインとその弟、いくつになる?」

「ガウェインは18、下は16になります」


18に16、マリア殿は10、前に話した条件も問題ない

「・・・いけるか?」

「は?」


王の発言に、まさかと不敬ながら聞き返してしまうランスロット。

気が急いている王を王妃が諌める


「シル、わたくし達に出来る事は来たる時にいち早く印を押す事と他所の干渉を防ぐ事ですよ」

「流石に早いか」

「聖女の話によれば、二フォンでは20歳で成人、晩婚化が進んで30歳前後の結婚が一般的だそうよ」

「それはそれで遅いな?」

「文化の違いとも言えますが、せめて20歳までは見守っても良いでしょう、マリアさんの事だから良人とは巡り会えると思いますわ」


確かにな、悪には悪が集まるように善には善が集まる

無論、食い物にしようとする者も居るだろう。

しかしそれを許すラフィスタ家ではない、王家もそうだ

こちらの最善は国を安定させること

どちらかと言えば聖女と第一王子の問題の方が不味い

国の安定は王家の責務、神子様は出来るだけ政治には巻き込みたくない。

それこそ神子マリア殿の心配をしていて王家が乱れては本末転倒なのだ・・・



ふう、と小さく嘆息した王の様子に王妃は苦悩を感じて苦笑した。

なんとも気苦労の絶えない時代だな、と・・・





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